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1/8F1第6戦モナコGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真)。5月20日に急逝したメルセデスの非常勤会長、ニキ・ラウダと特に親交が深かった彼は、動揺を隠せなかったか、水曜日に予定されていたFIA公式記者会見をキャンセル。しかし、翌木曜日には2回のフリー走行でトップ、土曜日の予選でも渾身(こんしん)のラップで今季2度目のポールポジションを獲得。そして日曜日のレースでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンからのプレッシャーをはねのけて優勝と、コース上で亡き恩師の思いに応えた。ドライバーズランキングでは首位を堅持、2位バルテリ・ボッタスとのポイント差も7点から17点に拡大した。
いつも赤いキャップをかぶっていたラウダへの哀悼の意を込め、メルセデスはマシンのヘイローを赤くし、またハミルトンはラウダ仕様のヘルメットをかぶって戦った。(Photo=Mercedes) -
2/8今季のフェラーリの何が問題なのか。チームからは詳細は聞こえてこないものの、モナコではタイヤを適正温度に持っていけないという悩みを抱えており、セバスチャン・ベッテル(写真)はフリー走行3回目でターン1を曲がりきれずクラッシュ、貴重な時間を失ってしまった。その余波を受け予選ではレッドブルのフェルスタッペンにも先を越され4位。レースではピットストップでボッタスの前に出ることができ3位。ハミルトンとフェルスタッペンのつばぜり合いを1秒後方で傍観しながらゴール。2番手でチェッカードフラッグを受けたフェルスタッペンが5秒加算のペナルティーを受け4位に後退したことで、今季最高位の2位が転がり込んできた。(Photo=Ferrari)
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3/8チームメイトのハミルトンにポールポジションを奪われ、連続ポールが「3」でストップしたボッタス(写真)は、0.086秒差で予選2位。レースでは、セーフティーカー出動中のピットインで不運に見舞われてしまう。ピットレーン上で強引に前に入ってきたフェルスタッペンに幅寄せされ、ホイールがウオールにヒット。スローパンクチャーが起きてもう一度タイヤ交換を余儀なくされたのだ。危険なリリースでフェルスタッペンに5秒加算のペナルティーが科され、最終的に3位に繰り上がることができたものの、パンクさえなければ、6戦連続のメルセデス1-2となったかもしれなかった。(Photo=Mercedes)
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4/8先頃、2020年にオランダGP復活が決定。次世代チャンピオン候補との呼び声高いオランダ人、マックス・フェルスタッペン(写真)の人気あってであることは言うまでもない。モナコGPでもこの若き“フライング・ダッチ”が活躍、予選ではレッドブル今季最高の3位に食い込んだ。スタートで3位をキープ、セーフティーカーのタイミングで飛び込んだピットで2位に躍り出るも、ピットアウトする際に勢い余ってボッタスに幅寄せしてしまい、5秒加算のペナルティーが科されることに。それでも諦めず、執拗(しつよう)にトップのハミルトンを追い回してレースを盛り上げた。2番手でチェッカードフラッグを受けるも、ペナルティーで4位。(Photo=Red Bull Racing)
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5/8狭く曲がりくねったモンテカルロ市街地コースでは、前車を抜くのも、後ろから抜かせるのも極めて難しい。レッドブルをドライブするピエール・ガスリー(写真)も、予選でキャリアベストタイの5位に入るも、セッション中に後続のロメ・グロジャンを邪魔したとして3グリッド降格のペナルティーを受けてしまう。レースでは5位まで挽回してゴール。第3戦中国GPと同じように、後続とのマージンが十分に取れていたことで終盤ニュータイヤを履き、ファステストラップを記録。ボーナスの1点も持ち帰った。(Photo=Red Bull Racing)
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6/8トロロッソは、ツイスティーなモナコで調子が良かった。3戦連続Q3に進出したダニール・クビアト(写真)は7番グリッド、ルーキーのアレクサンダー・アルボンも初のQ2突破で10番グリッドと好位置を獲得。レースでもクビアト7位、アルボン8位とダブル入賞を果たした。レッドブルを含めたホンダ勢4台は、予選、決勝とも全車トップ10に入る活躍を見せた。レースだけで言えば、4台そろっての入賞は1987年イギリスGP(ウィリアムズのナイジェル・マンセル1位、同ネルソン・ピケ2位、ロータスのアイルトン・セナ3位、同中嶋 悟4位)に次ぐ史上2回目の出来事となる。(Photo=Toro Rosso)
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7/8レッドブル時代には“モナコ・スペシャリスト”として狭い市街地コースで大暴れしたダニエル・リカルド(写真)。前年ポール・トゥ・ウィンを飾った思い出の地で、今度は中団チームのルノーを駆り予選7位、ガスリーの降格ペナルティーで6番グリッド。レースではスタートで5位に上がるも、早めのピットストップ作戦がうまくいかず9位。モナコでトップ5以内を取れなかったのは、2014年に始まったターボ・ハイブリッド規定下で初めてのことだった。(Photo=Renault Sport)
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8/8昨年、24年ぶりに誕生したモナコ人ドライバー、シャルル・ルクレール(写真)。フェラーリ移籍後初の地元GPに大きな期待をもって臨んだが、チームの計算ミスで思わぬ事態に。全車出走の予選Q1、ライバルが続々とタイムアップする中、フェラーリはここまでで記録していたタイムでQ2に進めると踏んでルクレールをピットにとどめた。結果、最後の最後で蹴落とされ16位。アルファ・ロメオのアントニオ・ジョビナッツィのペナルティーで15番グリッドに繰り上がったものの、ここは抜けないモナコ。大きな代償を払うことに。フェラーリはトラック上のパフォーマンスのみならず、オペレーションにも明らかな問題があることがあらためて浮き彫りになった。レースはスタート後2周で13位、7周目にはハースのロメ・グロジャンをズバリと抜き12位、しかし翌周ルノーのニコ・ヒュルケンベルグを抜く際にガードレールにマシンをヒット、リアタイヤがパンクして、最後尾まで脱落。しばらく周回を重ねた後、このレース唯一のリタイアを喫した。(Photo=Ferrari)

bg
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