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1/9F1第10戦イギリスGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真)。過去5勝、2014年からは4連勝と母国でめっぽう強いハミルトンだったが、今季の予選では手痛いミスによりチームメイトのバルテリ・ボッタスに0.006秒負けて悔しい2位。レースではスタートから気迫のこもった走りを披露、ボッタスより長めの第1スティントが奏功し、セーフティーカーのタイミングでのタイヤ交換で、トップに躍り出た。ファイナルラップには、何と使い古しのハードタイヤでファステストラップを更新し、イギリスGP歴代最多6勝目を飾った。今シーズンに限れば10戦して7勝目。2位に終わったボッタスとのポイント差は、レース前の31点から39点まで拡大した。(Photo=Mercedes)
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2/95冠のチャンピオンであるハミルトンがチームメイトというプレッシャーは、並大抵ではない。かつてニコ・ロズベルグが成し遂げたような“王者倒し”のために、奮起が期待されていたボッタス(写真)が、予選で5戦ぶりにハミルトンを上回り、0.006秒の僅差で今季4度目のポールポジションを獲得。セッション後、「シルバーストーンでいつも速いルイス(ハミルトン)を負かすのはとても大変なんだ」と本音を漏らしていた。レースではスタートからトップを守るも、タイヤ交換後にセーフティーカーが入ったことで2位に転落してゴールを迎えることに。ハミルトンが1ストップで走りきった一方で、ボッタス陣営は2ストップを念頭に置いた作戦を採用。それが仇(あだ)となってしまった。(Photo=Mercedes)
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3/9第2戦バーレーンGP同様、前戦オーストリアGPでも目前まで迫った自身初優勝を逃してしまったフェラーリのシャルル・ルクレール(写真)。イギリスGPでも跳ね馬の軍団を引っ張る活躍で予選3位を獲得。レースでは、オーストリアでも火花を散らしたマックス・フェルスタッペンと抜きつ抜かれつを展開。ピットストップで一時は6位まで落ちたが、フェルスタッペンとセバスチャン・ベッテルの接触などにより3位に返り咲きチェッカードフラッグを受けた。ドライバーズチャンピオンシップでは、4位ベッテルに3点差まで詰め寄っている。(Photo=Ferrari)
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4/9前戦オーストリアGPでチームメイトのフェルスタッペンが劇的優勝を飾る一方、同じレッドブルで周回遅れの7位と屈辱的な結果に終わっていたピエール・ガスリー(写真)。チャンピオンシップでもフェルスタッペンの3分の1しか得点できておらず、このままでは今季途中にチームから放出されるのではとささやかれていた。それがイギリスGPになると、最初のフリー走行で全体トップタイムをたたき出し、また予選ではチームメイトの真後ろの5番グリッドと、これまでにないような力強い走りを披露。レースでもルクレールを抑えるなど随所で活躍し、自身最高位タイの4位でフィニッシュすることとなった。(Photo=Red Bull Racing)
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5/9予選中、「低速コーナーからの立ち上がりでターボラグがある」と訴えていたレッドブルのフェルスタッペン(写真前)は、トップから0.183秒遅れの4番手。その問題さえなければポールも狙えたと、前戦オーストリアGPのウィナーは悔しがった。レースではルクレールと丁々発止とやりあい、終盤にはセバスチャン・ベッテルのフェラーリ(写真後ろ)を抜き3位となったものの、直後にベッテルに追突されてしまい結果5位。レッドブル・ホンダは表彰台は逃したものの、高速コースのシルバーストーンでも上位を狙えるパフォーマンスを披露することはできた。(Photo=Red Bull Racing)
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6/9フェラーリのベッテル(写真)は、3戦連続してトップ5グリッドにつけず、イギリスGPでもレッドブルの2台にも先を越されての6番グリッド。レースでは3位を走行するも、フェルスタッペンにかわされた直後にレッドブルに追突してしまい、ノーズを壊して最後尾に後退。10秒のペナルティーも加わり16位完走と相成った。ゴールした直後にフェルスタッペンに謝罪する一幕も見られた4冠王者。元気な走りの僚友ルクレールとは対照的にスランプに陥っている。(Photo=Ferrari)
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7/9トロロッソ勢の予選は、アレクサンダー・アルボン(写真)が自身2度目のQ3進出で自己ベスト9位という好位置を獲得するも、ダニール・クビアトはリズムもバランスもつかめず3戦連続のQ1敗退で、17位。決勝になると両者の状況が逆転し、クビアトはしぶとい走りと的確な戦略で9位入賞。アルボンはパワーユニットの不調を理由にピットストップを我慢したことで、終盤10位入賞圏から脱落、結果12位に終わった。(Photo=Toro Rosso)
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8/9好調マクラーレンをけん引するランド・ノリス、トロロッソで堅実な走りを見せるアレクサンダー・アルボンと、今季はルーキーの当たり年となっているが、3人目の新人にしてまだポイントがないジョージ・ラッセル(写真)の存在も忘れてはならない。2017年にGP3チャンピオン、翌年にはF2チャンピオンとジュニアカテゴリーで活躍したイギリス人ドライバーは、フェルスタッペンやルクレールと同じ21歳の若手有望株。無得点で最下位に沈んでいるウィリアムズという難しいチームにいながら、くさらず、ひたむきに戦いを続けている。初の母国GPでは、予選19位といつものポジションから14位で完走している。浮上のきっかけをつかみたい元名門チームの希望として、また今後のF1を盛り上げるであろうドライバーとして、今後に期待したい一人だ。(Photo=Williams)
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9/9今季からハースのタイトルスポンサーとなったリッチ・エナジー社が騒動を起こしている。同社の公式ツイッターに、「成績不振を理由にハースとの契約を解除する」と掲載された後に、株主らがこの投稿内容を否定。内部のいざこざが露呈した。そもそもこのリッチ・エナジー社、いわゆるエナジードリンクメーカーらしいのだが、サーキット以外で見かけたことがないといわれるいわく付きの会社。しかも先ごろ、ロゴを不正使用されたとして訴えられ敗訴したという、怪しさ満点のスポンサーなのだ。情報が錯綜(さくそう)しており今後事態がどうなるかは不透明。ハースは、この騒動とは距離を置きつつ、イギリスGPには通常通り「RICH ENERGY」のロゴ入りマシンを走らせた。ロメ・グロジャン(写真)が予選14位、ケビン・マグヌッセンは同16位からスタートしたものの、2台が絡んでしまい早々にそろってリタイア。現在チームは10チーム中ランキング9位と、苦戦が続いている。(Photo=Haas)

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