クラシックカーイベント「ACJ熱海HISTORICA G.P. Meeting」の会場から
2021.10.22 画像・写真2021年10月17日、静岡県熱海市の長浜海浜公園で「ACJ熱海HISTORICA G.P. Meeting」が開かれた。東京都国立市に本拠を置く旧車クラブ「オートモビルクラブジャパン(ACJ)」が、縁あってこの地で「熱海HISTORICA G.P.」と名乗るクラシックカーイベントを初開催したのは2012年。以来、回を重ね順調に発展してきたが、昨2020年は新型コロナ禍により中止。今回も一般募集は行わず、会員とその推薦者のみのクラブミーティング、そして例年ならば土日の2日間開催のところをワンデーイベントとして実施された。
事前のエントリー総数は約130台だったそうだが、当日の天気予報は一日中雨とあって、かなりの参加キャンセルがあるのではと思われた。ところが、新型コロナ禍による相次ぐイベント中止によって参加を渇望している愛好家が多かったのか、あいにくの天候にもかかわらず100台近くが集まった。芝生広場に並んだ参加車両のなかから、リポーターの印象に残ったモデルを紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)
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1/36早々に会場にやってきた、運営スタッフを務める会員の乗るジープは1951年「ウイリスM38」。車両もさることながら、陸運支局名がなかった時代の東京のナンバープレートが、数字(ライセンスナンバー)を含めて超希少。
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2/36俗に“アイシャドウ”と呼ばれる、ヘッドライトの周囲が黒く塗られた「スバル360」。1968年に実施されたマイナーチェンジ以降の最終型。
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3/36降り出した雨のなかをフルオープンでやってきた「ベック550スパイダー」。1950年代生まれのポルシェのレーシングスポーツ「550スパイダー」のレプリカ。
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4/36「ランチア・モンテカルロ」。「X1/20」のコードネームで「フィアットX1/9」の上級版として開発されていたが、最終的にランチアブランドが与えられたモデル。ピニンファリーナデザインのボディーに2リッター直4 DOHCエンジンをミドシップする。
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5/36キャップ付きのスチールホイール、ガラス製のヘッドライトカバーなどが備わり、初期型のオリジナルに近い姿の「ホンダS600」。
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6/36通称“ヨタハチ”こと「トヨタ・スポーツ800」。軽量かつ空力特性に優れた車体に初代「パブリカ」用の空冷フラットツインを積んだ、高効率の小型スポーツカー。
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7/36「日野コンテッサ1300クーペ」。ミケロッティがスタイリングを手がけたボディーのリアに、SUツインキャブ仕様の1.3リッター直4 OHVクロスフローユニットを搭載。
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8/36「プリンス・スカイライン2000GT-B」はツインチョークのウエーバーキャブレターを3連装した2リッター直6 SOHCエンジンを搭載。「スカイライン伝説」の原点となるモデル。
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9/36「アルファ・ロメオ・ジュリエッタ ベルリーナ」。1955年に登場した、アルファ初の小型セダン。1.3リッター直4 DOHCエンジンを搭載。
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10/361973年に発売された欧州初の市販ターボ車である「BMW 2002ターボ」。この個体は、本国仕様ではリベット留めだったオーバーフェンダーがパテ埋めされ、ボディーと一体化した正規輸入車。「品川57」のナンバープレートは新車以来のものかも。
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11/36「デ・トマソ・パンテーラGTS」。ギア(トム・ジャーダ)がデザインしたボディーにフォード製5.8リッターV8 OHVエンジンをミドシップした、イタリアとアメリカのハイブリッドスーパースポーツ。
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12/36「ボルボ1800ES」。デビューが1960年で旧態化していたスポーツクーペを、スポーツワゴンにアレンジしてよみがえらせたモデルで、1972年に登場。
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13/36芝生広場に参加車両が並んだ会場風景。
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14/36白黒パンダカラーの1987年「シボレー・カプリース」。一部を除いて特殊装備もそのままで払い下げられた本物のアメリカンポリスカーである。
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15/36鮮やかなイエローをまとい、“SUNSET BEACH SURF SHOP”という屋号(?)が入った1938年「シボレー・バン」。
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16/361968年「プジョーJ7」。記者が初めて見た、日本では超希少であろうプジョーのバン。カンヌからやってきた払い下げの消防車両(消火設備はないので指令車か)とのこと。
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17/36先に紹介したBMWの「2002ターボ」が4台、「2002」が1台の計5台が並んでいた。
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18/36「BMWアルピナB9 3.5クーペ」。初代「6シリーズ」(E24)をベースにアルピナが手を入れ、自然吸気のまま245PSにスープアップした3.5リッター直6 SOHCエンジンを積む。
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19/36日本での俗称が“ダルマ”(英語ではPonton)だった「メルセデス・ベンツ190b」。俗に“ハネベン”(英語ではFintail)と呼ばれるテールフィンを生やしたモデルのひとつ前の世代で、いわば今日の「Eクラス」の先祖。
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20/36「ジャガーXK150フィクスドヘッドクーペ」。「XK120」に始まるXKシリーズの最終発展型で、その後継が「Eタイプ」(アメリカでは「XK-E」と呼ばれた)となる。
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21/36「トライアンフ・スピットファイア1500」。「オースチン・ヒーレー スプライト」や「MGミジェット」の対抗馬として1962年にデビューしたライトウェイトスポーツ。1500は1974年に登場した最終発展型。
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22/36初代の「アルピーヌA110」。オレンジのボディーカラー、そして(ナンバープレートから察するに)1.3リッター仕様であることも、日本では珍しいだろう。
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23/36「シトロエンBX 16V」。ガンディーニによる未来的なスタイリングが、純正エアロパーツによっていっそうガンダムチックになった、1.9リッター直4 DOHC 16バルブユニット搭載のハイパフォーマンス仕様。
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24/36「トライアンフ・イタリア2000」。「トライアンフTR3A」のシャシーにミケロッティがデザインし、ヴィニャーレが仕立てたボディーを載せた英伊混血車。
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25/36「FMRメッサーシュミットKR200」。前2輪、後ろ1輪の三輪車。空冷2ストローク単気筒191ccエンジンで後輪を駆動する。
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26/36「マツダ・サバンナRX-7アンフィニ」。オリジナルの姿を保った、FC3Sの型式名で呼ばれる2代目RX-7の限定車。
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27/36クリームイエローのC2(2代目)と、アイアンバンパーの真っ赤なC3(3代目)、2台の「シボレー・コルベット」。ウインドシールドの内側に置かれた会員番号のプレートが、ショップのプライスボードのように見える。
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28/36なだらかに下降するヒップラインが特徴的な「サーブ900ターボ」。手前が3ドアハッチバックで、奥がカブリオレ。
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29/363台並んだ、バンパーレス仕様の英国製オープンスポーツ。手前から「MGミジェット」に「モーガン4/4」、そして「オースチン・ヒーレー3000」。
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30/36マセラティにアルファ・ロメオ、ランチア、フィアットと、イタリア車が並んだ一角。
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31/361957年「ツェンダップ・ヤヌス」。ほぼ前後対称で、側面にドアがないサイドビューを持つドイツ生まれのマイクロカー。今回は自走で参加した。
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32/36「フィアット126」。「ヌオーバ500」の後継モデルとして1972年にデビューし、ポーランド工場では2000年までつくられた。
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33/36「シムカ1000GLS」。フィアットで設計されたリアエンジンのフランス製小型セダン。市場では「ルノー8」のライバルだった。
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34/36「ランチア・フルビア クーペ」。オリジナルの姿が保たれた、1965年に登場したセリエ1(シリーズ1)。
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35/36「フェラーリ328GTS」。いま見るとコンパクトなボディーは、1720mmの全幅を除けば5ナンバー規格に収まる。
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36/36「日産フェアレディZターボ」。1982年に2代目Z(S130)に追加された、シリーズ初のターボエンジン(2リッター直6 SOHCの「L20ET」)搭載車。