「モーターファンフェスタ2023」の会場から
2023.04.25 画像・写真自動車体験・体感イベント「モーターファンフェスタ2023」が2023年4月23日、静岡・小山町の富士スピードウェイで開催された。国内外の最新モデルから個性的なカスタムカーまで多種多様なクルマが集結。当日は天候にも恵まれ、2万6845人が来場した。
同イベントの特徴は、参加者の体験・体感を重視していること。体験コンテンツとしては、さまざまな車両を使った試乗イベントが用意され、国内外の新車への試乗やスーパーカーの同乗体験などが楽しめた。
一方の体感コンテンツで最も盛り上がりをみせたのが「D1フェスティバルラウンドゼロ」だ。日本で生まれた、ドリフトのテクニックを競う「D1グランプリ」のシーズン開幕前イベントが実施され、プロドライバーによる華麗なドリフトに観客の目はくぎ付けとなった。またイベントの目玉のひとつである「スーパーグリッドウォーク」では、レーシングカーやスーパーカー、カスタムカーが長いホームストレートに並び、それらをゆっくりと鑑賞することができた。
メイン会場では、ステージでのトークショーが行われたほか、自動車メーカーやカー用品メーカーによるブースも設けられ、新型車や最新パーツのホットな情報を得ることもできた。それでは、クルマの楽しさが凝縮され、多くの人がクルマ遊びを満喫したイベントの模様を紹介しよう。
(文と写真=大音安弘)
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1/30モーターファンフェスタ恒例の試乗イベントは、今回も大人気に。希望のクルマの試乗枠を得るために、参加者による長蛇の列ができていた。いま注目の最新EVを集めた「EV+Experience」では、一部車種で、レーシングコースのホームストレートを使った同乗試乗による加速体験も行われ、モーター車特有のフル加速のすごさも味わうことができた。
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2/30レーシングコースを使ったスポーツ走行は、「ルノー・スポール カップ」と「アルピーヌ カップ」のルノー車のみで実施。さらにサーキットパレードラン「オール ルノーラン/オール アルピーヌ ラン」も行われた。そのなかには、正規導入されていない現行型「エスパス」の姿もあって、びっくり。
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3/30アストンマーティン初のSUV「DBX」によるパレードラン「DBX POWER DRIVEN EXPERIENCE」では、その名のとおり参加車種をDBXだけに限定。それでも、30台を超えるDBXがオーナーと共に集結した。2022年に上陸したばかりのハイパフォーマンスモデル「DBX707」の姿も見られた。
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4/30来場者たちを最も興奮させたのが、「D1 Exhibition match」だ。レーシングコースのADAVANコーナー付近を華麗なドリフトで駆け抜ける姿は、まさに圧巻のひとことだった。
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5/30本戦さながらの激走となった「D1 Exhibition match」。2台のマシンが同時にドリフト走行することで技を競う「追走」では、接触のアクシデントも発生。プロドライバーたちの熱い走りに観客の目もくぎ付けとなっていた。
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6/30メイン会場であるAパドックでは、自動車メーカーやカー用品メーカーなどのブースが設けられ、多くの来場者でにぎわっていた。専門のスタッフに、商品について詳しく質問できる点も好評だったようだ。
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7/30メインステージで行われた「マツダトークショー」では、マツダOBであり、4代目「ロードスター」の主査でもあった山本修弘さんが、初代ロードスターのカタログに添えられた「誰もが幸せになる」というメッセージの意味やイラストが使われた理由なども交えつつ、ロードスターの魅力について語った。
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8/30マツダブースで展示され、トークショーのステージに花を添えた初代「ロードスター」。同車のオーナーで、初代の開発主査でもあった平井敏彦さんは、今年4月11日にこの世を去られた。同車は、平井さん自身が、ロードスターの開発などに役立ててほしいとマツダに寄贈されたもので、ナンバー付きの状態でPR活動などに生かされている。
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9/30出展エリアで見つけたド派手な「日産キューブ」は、関東工業自動車大学校の学生たちが手がけたもの。東京オートサロン2022に、「Hina doll car with KANTO」の名称で出展された車両で、地元である埼玉・鴻巣市の名産であるひな人形がモチーフとなっている。外装はデカールではなく、すべてペイント仕上げというのがすごい。
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10/30「Hina doll car with KANTO」のインテリア。内外装ともに、運転席側が「男びな」、助手席側が「女びな」をイメージしたつくりになっている。PRイベントに参加した際には、後部スペースにひな人形を飾っているという。フロントシートのカバーは織物製のため、「座り心地はちょっと硬い」そうだ。
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11/30ホンダアクセスは、「実効空力」体感試乗会を実施。同車が手がけたコンプリートカー「S660モデューロX」や、軽量かつ高性能なテールゲートスポイラーを装備した「シビック タイプR」などを展示したほか、「N-BOX」を使って空力パーツの効果を体感する試乗体験も行った。
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12/30「N-BOX」に装着される、シェブロン(鋸歯)形状の「実効空力」デバイス。これをルーフ後端に取り付ける。「シビック タイプR」の純正オプション「テールゲートスポイラー」にも用いられる技術で、空気の流れを整えるだけでなく、気流の渦を細かくすることができ、より空気抵抗を抑えることができるという。走りだけでなく、エアコンへの応用なども研究中とのことで、人が心地よいと感じる送風が実現できるというから興味深い。
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13/30憧れの超高級車に同乗できるコンテンツ「GENROQ SUPER DRIVE 2023 Supported by KW Automotive」では、「フェラーリ・ローマ」「ポルシェ718ケイマンGT4 RS」「マクラーレンGT」などのスーパーカーがズラリ。事前応募による抽選で選ばれた幸運な参加者は、しばしの特別な助手席体験を楽しんだ。
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14/30陸上自衛隊で活躍する車両を展示した「自衛隊装備コーナー」は、移動する姿を見かけることしかない専用車両をじっくり鑑賞することができる貴重な機会とあって、子供も大人も夢中に。写真は「軽装甲機動車」。全長4.4m×全幅2.04m×全高1.85mとミッドサイズカー並みの大きさではあるが、迫力満点。危険な地域で行動するための車両であり、頑丈な装甲で乗員を守る。小松製作所の製造だ。
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15/30「16式機動戦闘車」は陸上自衛隊の最新車両。そのため機密部分も多く、唯一、近寄れないように囲いがされていた。最新モデルの特徴としては、自衛隊車両初のLEDライトが挙げられるという。8輪タイヤと約100km/hの最高速度による機動性を生かし、戦車よりも速く目的地に到達し、防御等を行うのが役目だ。同車は、三菱重工業製だ。
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16/30「1 1/2tトラック」は人員と物資の輸送用トラックで、トヨタ自動車製。重機メーカー製が多い自衛隊の車両のなかでは、乗り心地は良いそう。同じくトヨタ製のものでは、かつて乗用性能を高めて「メガクルーザー」として市販化された「高機動車」も有名だ。
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17/30納期最大3年待ちといわれる「ホンダ・シビック タイプR」も人気を集めていた。展示車の見学者には、鈴鹿サーキットでの記録に加え、先日、FF車最速を記録したニュルブルクリンク・ラップタイプ入りのステッカーがプレゼントされた。
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18/30ホンダブースでは、歴代の「シビック タイプR」を展示。初代から、2024年SUPER GTのGT500クラス参戦を目指す「シビック タイプR-GTコンセプト」までが並んだ。初代タイプRの新車価格が200万円を切っていたなんて、今ではうそのようだ。
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19/30ルノーブースでは、5月に発売される「アルカナ」の新グレード「E-TECHエンジニアード」や、話題の新型「カングー」、最新の「アルピーヌA110」まで幅広い車種を展示。クルマ好きが集うイベントだけに、アルピーヌA110の注目度は高く、担当者によれば、実際に購入したいという相談もあったそうだ。
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20/30ゼネラルモーターズは、シボレーの人気車種「コルベット」と「カマロ」を展示。現行型カマロは、来年には生産を終了し、後続車もすぐには登場しないようなので、今が入手する絶好の機会といえそうだ。
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21/30スズキ製660㏄ターボエンジンを搭載することで、オリジナルモデルの持ち味を再現した「ケータハム170」。軽のエンジンとは侮れない、鋭い走りが楽しめる一台だ。ファッションや音楽などアナログ人気が高まる今、アナログなクルマの魅力を伝える貴重な存在でもある。
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22/30モーターファンフェスタ名物となった「グリッドウォーク」。富士スピードウェイのホームストレートに、貴重なクルマが90台も並ぶ。それらが見えなくなるほど多くの来場者が集まっていた。
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23/30「グリッドウォーク」を飾った車両の一部を紹介。ボディーが長い異色の「アルファード」は、後部が荷台となるピックアップトラック風。「NATS Alphard Super Dually」の名からも分かるように、日本自動車大学校の学生の手になるカスタムカーだ。
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24/302021年のF1マシン「スクーデリア・アルファタウリAT02」は、現在、唯一の日本人F1ドライバーとして活躍する、角田裕毅選手のデビューイヤーモデル。角田選手が、参戦年ながら最終戦アブダビGPでは4位入賞を果たし、ファンを大いに喜ばせてくれたことは記憶に新しい。
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25/30「グリッドウォーク」には、D1参戦マシンと共にドライバーも参加。D1ファンにとっては、ドライバーとの交流を楽しむ絶好の機会となった。写真は、ファンとのサインや写真に応じる横井昌志選手。「TEAM D-MAX S15 SILVIA 2JZ 4号機」というトヨタの6気筒ターボエンジンに換装した「S15シルビア」が愛機だ。
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26/30「トヨタTS010 33号車」。トヨタ製グループCカーとして、初のNAエンジンを搭載。1992年のスポーツカー世界選手権(SWC)のルマン24時間レースで、関谷正徳氏らがドライブ。トラブルに見舞われながらも総合2位となり、ポテンシャルの高さを示した。
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27/30ルノー車とアルピーヌ車のオーナーミーティング「RENAULT・ALPINE DAY IN MFF」も併催された。R.S.モデルとアルピーヌを中心に、約200台が集結。サーキット走行やパレードランなどのレーシングコースコンテンツや、ファン同士の交流を楽しんだ。
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28/30イメージカラーでもあるブルーが人気の「アルピーヌA110」だが、特別色が選べる「アトリエ アルピーヌ」というオーダープランも用意される。そのため、「RENAULT・ALPINE DAY IN MFF」では、珍しいカラーリングのA110の姿も見られた。
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29/30「ROADSTERオーナーズミーティング」には、約60台が参加。歴代モデルすべてがそろったが、最も台数が多かったのは現行型(ND)だった。若い人の姿も多く、モデルだけでなくオーナーも世代交代が進んでいることが感じられたが、オーナー同士のフレンドリーな関係性は、今も昔も変わらない。
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30/30高性能かつ手ごろな価格で人気上昇中の「スズキ・スイフトスポーツ」のオーナーズミーティング「MFF2023 スイフト オーナーズミーティング」には、個性豊かなスイフトが大集結。エリア内には、トラストがチューニングを手がけたデモカーも展示され、オーナーの関心を集めていた。