■【コレはゼッタイ!】ダイハツe:S小さなクルマがエラく見える
環境にやさしいクルマを追求した結果生まれた、ダイハツの現実的回答。コストに制限がある軽自動車の燃費を良くするために車体そのものを小型化。その上でカッコ良さも狙った。
私は根本的にイマジネーション能力が不足しているのか、「10年後や20年後にクルマはこんなことになります」などといわれても、個人的にはまったくピンとこない。だって10年後の地球環境や社会情勢、技術の進歩、そして世の中の気分なんて分からないし……。だから同じコンセプトカーでも少なくとも「2〜3年後に出す」か、あるいは百歩ゆずっても「5年以内には絶対!」くらいはいってもらわないと興味はそそられない。
そういう意味で、今年のコンセプトカーで個人的に最もブッ刺さったのは「ダイハツe:S(イース)」である。実際にダイハツの箕浦社長も2〜3年以内の市販化を公式に認めた。
イースのねらいはとてもシンプルだ。「既存コンポーネンツで燃費を大幅に良くすること」である。パワートレーンに新機軸も使わないで燃費を上げるには、早い話がボディを軽量化するしかなく、高価な軽量新素材を使わずに軽量化するには、ボディを小さくするしかない……。そういう単純明快な論法で、イースは現行軽自動車枠より全長を約30cmも短くした。「枠をいっぱいに使わない軽自動車」というのは、なんとも清々しい姿である。
だいたい今の軽自動車は大きすぎる……というか、大きいのもあっていいが、みんな同じ寸法というのが気に入らない。まあ、軽自動車での熾烈な商品力競争を考えればしかたない部分もあるにせよ、「軽自動車は小さいからこそ魅力があり、カッコイイ」という本質がこれまで置き去りにされてきたのは残念だ。
イースのようなクルマが出てくる背景には、当然だが、地球温暖化論議に伴うCO2排出問題がある。地球温暖化も今のように危機感ばかりが煽られると、逆に「なんかウラがあるんじゃないの!?」と思ってしまう私だが、地球がこのまま温暖化しようがしまいが、軽自動車が本来の姿に戻ってくれることは素直にうれしい。
(文=佐野弘宗)
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