【Movie】ディーゼルってホントはどうなの?
ボッシュ「Diesel Day in Japan」(前編)
2004.06.18
自動車ニュース
【Movie】ディーゼルってホントはどうなの?ボッシュ「Diesel Day in Japan」(前編)
2004年5月31日、栃木県のツインリンクもてぎで、ボッシュ主催のディーゼルエンジン車試乗イベント「Diesel Day in Japan」が開かれた。
技術的、社会的問題の詳細は、雑誌『CAR GRAPHIC』『NAVI』最新号に譲るとして、今回は、ディーゼル乗用車ほぼ初体験の『webCG』リポーターが、イベント概要と最新ディーゼル車に乗った印象を報告する。
■日欧のディーゼル格差
自動車部品を手がけるボッシュが主催するこのイベントは、2年前から、ディーゼル車の普及率が低いアジアやアメリカなどを中心に開かれている。
近年の税制や規制強化によって、日本におけるディーゼル車を取り巻く環境が厳しいのはご存じの通り。東京都知事のペットボトルを振り回すPR活動のせいもあってか、ディーゼル車の割合は減少傾向にあり、自動車全体に占める割合は約10%にすぎない。これはトラックなどを含めた数字で、乗用車にかぎればほとんどゼロに近い。
一方、西ヨーロッパ地域では、高級サルーンからコンパクトカーを含む乗用車全体の約50%がディーゼル車。オーストリアやフランスでは普及率が60%を超えるという。
欧州で人気の理由は、端的にいってランニングコストが安いからだ。燃料の軽油が安くいうえ燃費もよい、エンジンの耐久性が高くて壊れにくいなど、特に長距離を走る機会が多い人にとっては嬉しいクルマなのである。
■温暖化対策に貢献
ただ、フトコロに優しいというだけで、ディーゼルがかの地で普及しているわけではない。
ボッシュによれば、技術的な改良により、1990年代初めに較べて、PM(粒子状物質、“黒い煙”の正体)が74%、窒素酸化物は50%削減されたという。現代のディーゼル車は、われわれが想像するよりもクリーン化が図られているのだ。
加えて、
・ガソリン車に較べて燃焼効率がよいため二酸化炭素排出量がすくなく、地球温暖化対策に貢献
・中低速トルクに優れるため低燃費で、加速がいい=スポーティなドライブが可能
などの特徴もあるという。
もちろん、欧州と日本の交通環境や、クルマの使い方に違いはあるだろうが、「ディーゼル=悪者」と決めつける前に、ディーゼルを再考してみる価値はあるのだ。
■一部省庁は積極的
2004年イベントの目玉が、経済産業省が「ディーゼル乗用車について」と題し開いた講演。ディーゼルに前向きな意見が聞かれた。
壇上に立った江澤正名氏は、交通環境の違いや、公害問題に対応する必要性などについてふれながらも、「温暖化対策の観点から、ディーゼル乗用車の普及に期待。それに向けて、社会的なイメージを含めて検討する必要がある」と、ディーゼル乗用車の導入に積極的な姿勢を見せた。
(後編へ続く)
経済産業省、江澤正名氏のディーゼル車に関するコメントをご覧ください。
【今年の予算は9億円】
(撮影/編集=カネヨシ)
(文=webCGオオサワ/写真=清水健太)
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