第2戦富士はGT-Rがポール・トゥ・ウィン【SUPER GT 2014】
2014.05.05 自動車ニュース ![]() |
【SUPER GT 2014】第2戦富士はGT-Rがポール・トゥ・ウィン
2014年5月4日、SUPER GTの第2戦が富士スピードウェイで開催され、GT500クラスはNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/J.P・デ・オリベイラ組)が、GT300クラスはNo.4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也組)が、勝利を手にした。
![]() |
![]() |
![]() |
■長距離レースは大波乱
GT500クラスに新しい車両規則が導入されて2戦目にあたる今回は、完走がわずか10台で、うち1台はトップから15周も遅れてようやく完走扱いになったという、実に荒れたレースとなった。
中でもエントリーした5台すべてがトラブルに見舞われたのが、NSXを走らせるホンダだった。しかも、トラブルの内容はほとんど同じで、“熱害”が原因の電気系トラブルだったという。前述した「15周遅れの10位」というのも実はホンダのNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/ジャン・カール・ベルネ組)で、トラブルをだましだまし、ようやく完走にこぎ着けたのである。もっとも、それで1点を手に入れたのだから、このポイントは値千金といえるだろう。
予選でNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rがポールポジションを獲得し、幾多の困難を乗り越えて栄冠をつかみ取った日産勢にとっても、苦難の多いレースとなった。例えば、予選で2番グリッドを手に入れたNo.46 S Road REITO MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝組)は、2番手を走行中の19周目にエンジンの補器類から火災が発生、ドライバーの本山はマシンを止めると逃げるようにしてコースサイドに飛び出すという一幕が見られたほか、No.12 カルソニックIMPUL GT-Rがピットストップしたことでレース中盤にトップに立ったNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)にはステアリング系のトラブルが発生し、これをピットで修復した関係で周回遅れの8位に終わるという屈辱を味わった。
110周のレース中、84周にわたって首位を守り続けた末に勝利したNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rにしても、レース中盤にGT300クラスの1台と軽く接触してチンスポイラーの一部にダメージを負ったほか、レース終盤にはペースがガックリと落ちて見る者を驚かせたが、これはタイヤ表面にコース上のゴム滓(かす)がこびりつく“ピックアップ”と呼ばれる現象が原因で、問題のゴム滓が自然と剝がれ落ちると本来のペースを取り戻し、開幕戦で取りこぼした栄冠を手に入れる結果となった。
■レクサス勢も健闘
今回は全般に日産勢が好調で、残るNo.24 D'station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム/佐々木大樹組)も4位入賞を果たしている。
対するレクサス勢は、信頼性こそ3メーカーのなかでもっとも優れていたものの、ペースの点では日産勢に一歩及ばなかった。それでもGT-Rの脱落に助けられる形で昨年の王者、No.1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)が2位に入ったほか、No.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資組)も3位表彰台を獲得する健闘を見せた。
この結果、ドライバーズ部門のポイント争いではNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが31点でトップに浮上。これに前回の覇者であるNo.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)が26点を獲得して2番手につけ、No.6 ENEOS SUSTINA RC Fも同じく26点で3番手(No.37 KeePer TOM’S RC Fと違って勝ち星がないため)につけている。
![]() |
![]() |
![]() |
■GT300は初戦に続いてZ4
GT300クラスもトップが目まぐるしく入れ替わる展開となった。
ポールポジションを獲得したNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス組)はレース前半のセーフティーカーラン中にピットストップする作戦が失敗に終わって5位フィニッシュ。一時はトップに立つ速さを見せたNo.31 OGT Panasonic apr PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀組)も、ピット作業後の再スタートで出遅れるなどして6位に終わった。
結局、栄冠を勝ち取ったのは、レース終盤のNo.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)との激戦に競り勝ったNo.4 グッドスマイル 初音ミク Z4で、開幕戦に続く2連勝を果たした。
3位は、一時トップを走りながらレース終盤にスピンを喫したNo.0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀組)だった。
SUPER GTの第3戦は、5月31日~6月1日にオートポリスで開催される。
(文=小林祐介/写真提供 GTA)
関連キーワード:
SUPER GT 2014,
モータースポーツ, 自動車ニュース
-
NEW
プジョー3008 GTハイブリッド4(4WD/8AT)【試乗記】
2021.4.20試乗記プジョーの人気SUV「3008」にプラグインハイブリッドモデルの「GTハイブリッド4」が登場。プジョー史上最強をうたう最高出力300PS、最大トルク520N・mの電動4WDパワートレインの仕上がりを試してみた。 -
NEW
第646回:思い描いた未来がそこに! トヨタの最新運転支援システムを試す
2021.4.20エディターから一言2021年4月8日にトヨタが発表した、高度運転支援機能「Advanced Drive(アドバンストドライブ)」。従来の技術とは何がどう違うのか? 同機能を搭載する「レクサスLS」に試乗して確かめた。 -
レクサスES(マイナーチェンジモデル)
2021.4.19画像・写真トヨタがマイナーチェンジを施した「レクサスES」を上海ショーで発表。快適性や運動性能の改善、予防安全・運転支援システムの拡充などに加え、内外装のデザインにも手が加えられている。従来モデルとは異なるその意匠を、写真で紹介する。 -
トヨタbZ4X
2021.4.19画像・写真トヨタ自動車が、スバルと共同開発したSUVタイプの新型EV「bZ4X」を発表。セリングポイントのひとつとされている斬新なデザインのエクステリアや、開放的で自由度の高いインテリアを写真で紹介する。 -
第645回:ダイナミックマップがモビリティーを変える!? 現実空間と仮想空間をつなぐ高精度情報
2021.4.19エディターから一言道路のかたちを高精度な3次元データにまとめたダイナミックマップ。現在、この「機械が読む地図」がモビリティー業界で注目を集めている。自動運転の実用化にもつながるとされる、キーテクノロジーの可能性を探った。 -
ルノー・メガーヌ ルノースポール(FF/6AT)【試乗記】
2021.4.19試乗記ルノー自慢のホットハッチ「メガーヌ ルノースポール(R.S.)」がマイナーチェンジ。トップモデル「R.S.トロフィー」譲りの高性能パワーユニットと「シャシースポール」と呼ばれる足まわりが織りなす新たな走りを、ワインディングロードで味わった。