トヨタが2015年のモータースポーツ活動計画発表

2015.01.30 自動車ニュース webCG 編集部
活動発表会の会場に並んだ、各カテゴリーのトヨタ系レーシングドライバー。
活動発表会の会場に並んだ、各カテゴリーのトヨタ系レーシングドライバー。
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トヨタが2015年のモータースポーツ活動計画を発表

トヨタ自動車は2015年1月30日、2015年シーズンのモータースポーツ活動および支援計画を発表した。

昨年に続き、今年も豊田章男社長が登壇。身ぶり手ぶりを交え、モータースポーツへの思いを熱く語った。
昨年に続き、今年も豊田章男社長が登壇。身ぶり手ぶりを交え、モータースポーツへの思いを熱く語った。
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WRC参戦に向けて開発が進む「ヤリスWRC」(写真は会場に展示されたテストカー)。
WRC参戦に向けて開発が進む「ヤリスWRC」(写真は会場に展示されたテストカー)。
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世界耐久選手権やNASCARのマシンも会場に並べられた。
世界耐久選手権やNASCARのマシンも会場に並べられた。
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■「WRC」と「可夢偉」がトピック

さまざまなモータースポーツの2015年シーズン開幕を前に、トヨタが東京都内で、モータースポーツの活動計画発表会を開催した。

冒頭のあいさつに立ったのは、同社の豊田章男社長。「悔しいレースもありましたが、モータースポーツを通じて、世界のみなさんに笑顔をお届けできたと思います」と2014年シーズンの手ごたえを報告しつつ、今後のチャレンジに向けて、意気込みを語った。

中でも大きな話題となりそうなのは、2017年からの世界ラリー選手権(WRC)参戦だ。豊田社長によれば、きっかけは、フィンランド滞在中に周囲の人から「トヨタはいつWRCに戻ってくるのか?」と聞かれたこと。今は、1.6リッター直噴ターボを搭載する「ヤリスWRC」での参戦に向けて、準備が進められている。実現すれば、トヨタにとって18年ぶりの“世界最高峰ラリー”返り咲きとなるが、豊田社長からは「初参戦の気持ちで“走らせていただく”」などといった、謙虚なコメントが聞かれた。

TOYOTA Racingは、昨シーズン惜しくもチャンピオンを逃したNASCAR、2年連続で市販車部門ワンツーフィニッシュを決めたダカールラリーに、引き続き参戦する。
全日本選手権スーパーフォーミュラでは6チーム10台にエンジン(直噴の2リッター直4ターボ)を供給。当日は、2014年までフォーミュラ・ワン(F1)を戦っていた小林可夢偉のスーパーフォーミュラへのエントリーもアナウンスされ会場が大いに沸いたものの、残念ながら、本人の姿は見られなかった。

「レクサスRC F GT3」。SUPER GTのGT300クラスに参戦する。
「レクサスRC F GT3」。SUPER GTのGT300クラスに参戦する。
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2015年のニュルブルクリンク24時間耐久レースには、スポーツクーペの「レクサスRC」が投入される。
2015年のニュルブルクリンク24時間耐久レースには、スポーツクーペの「レクサスRC」が投入される。
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参戦計画の詳細を説明する、トヨタの加藤光久副社長。「トップのカテゴリーだけでなく、参加型のモータースポーツにも積極的に取り組みます」。
参戦計画の詳細を説明する、トヨタの加藤光久副社長。「トップのカテゴリーだけでなく、参加型のモータースポーツにも積極的に取り組みます」。
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■モータースポーツで世界に笑顔を

このほかLEXUS RACINGとしては、国内最高峰レースであるSUPER GTに参戦。昨年同様、ルマン エネオス/ウェッズスポーツ バンドウ/ペトロナス トムス/キーパー トムス/ゼント セルモ/サードの5チームに計6台のマシンを供給する。
このうちペトロナス トムスのドライバーは、昨年の中嶋一貴が伊藤大輔にスイッチ。同様に、キーパー トムスは伊藤大輔から平川 亮に、ゼント セルモは平手晃平から石浦宏明に、ドライバーが入れ替わる。サードは石浦宏明とオリバー・ジャビスではなく新たに平手晃平を機用するが、もう一人のドライバーは、現時点で未定となっている。
そのほか、カスタマーモータースポーツの振興を目的に、「レクサスRC F」をベースに開発した「RC F GT3」を日・欧で合計3台供給する。

“クルマ好きの輪を広げる活動”とされるGAZOO Racingは、人材育成を目的に2007年から社員チームで参戦してきたニュルブルクリンク24時間耐久レースに今年も参戦。スーパースポーツ「LFA Code X」のほか、新たにスポーツクーペ「RC」を投入する。

これらカテゴリー別の参戦計画を述べた加藤光久副社長は「ハイブリッド車で参戦する世界耐久選手権には意義がある」「SUPER GTやスーパーフォーミュラは、燃費とパワーを両立させる技術を量産車開発にフィードバックできる」などと、モータースポーツの価値を強調。
「今年もトヨタは、トップカテゴリーから参加型のものまで、サーキットにおけるレースからラリーまで、幅広いカテゴリーでモータースポーツに取り組み、世界中のお客さまに笑顔を提供できるようにします」と、発表会を締めくくった。

(webCG 関)

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