【F1 2018 続報】第13戦ベルギーGP「跳ね馬の反撃」

2018.08.27 自動車ニュース
F1第13戦ベルギーGPを制したフェラーリのセバスチャン・ベッテル(写真右から2番目)、2位に入ったメルセデスのルイス・ハミルトン(同左端)、3位でレースを終えたレッドブルのマックス・フェルスタッペン(同右端)。(Photo=Red Bull Racing)
F1第13戦ベルギーGPを制したフェラーリのセバスチャン・ベッテル(写真右から2番目)、2位に入ったメルセデスのルイス・ハミルトン(同左端)、3位でレースを終えたレッドブルのマックス・フェルスタッペン(同右端)。(Photo=Red Bull Racing)拡大

2018年8月26日、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われたF1世界選手権第13戦ベルギーGP。話題多きサマーブレイクを終えたF1は、ハイスピードコースから始まる後半9戦に突入。休み明けの初戦では、力強い跳ね馬のひづめの音が響くこととなった。

ドイツ、ハンガリーと、サマーブレイク前の勝てる2戦を落としたフェラーリは、残り9戦の後半戦のスタートで負けるわけにはいかなかった。新型パワーユニットの効果もあり、スパで快調な滑り出しを見せるも、雨に見舞われた予選Q3でチームは落ち着きを失い、ハミルトンにポールを奪われた。しかしドライのレースになると形勢逆転、ベッテル(写真)は2番グリッドから長いケメル・ストレートで豪快にハミルトンを抜くことに成功。その後も最大のライバルを寄せ付けず今季5回目の勝利を飾った。これで通算勝利数は52回、ポディウムは107回を数え、いずれもアラン・プロストの記録を抜き歴代3位となったのだが、何よりもハミルトンとの間にあった24点の差を17点に縮めることができたことが最大の収穫だった。(Photo=Ferrari)
ドイツ、ハンガリーと、サマーブレイク前の勝てる2戦を落としたフェラーリは、残り9戦の後半戦のスタートで負けるわけにはいかなかった。新型パワーユニットの効果もあり、スパで快調な滑り出しを見せるも、雨に見舞われた予選Q3でチームは落ち着きを失い、ハミルトンにポールを奪われた。しかしドライのレースになると形勢逆転、ベッテル(写真)は2番グリッドから長いケメル・ストレートで豪快にハミルトンを抜くことに成功。その後も最大のライバルを寄せ付けず今季5回目の勝利を飾った。これで通算勝利数は52回、ポディウムは107回を数え、いずれもアラン・プロストの記録を抜き歴代3位となったのだが、何よりもハミルトンとの間にあった24点の差を17点に縮めることができたことが最大の収穫だった。(Photo=Ferrari)拡大
フリー走行から予選Q2までフェラーリに先行を許していたメルセデスのハミルトン(写真)。それが予選Q3になると、先が読めない天候として有名な「スパ・ウェザー」の恩恵を受けることとなり、雨のおかげで当地で最多5回目のポールポジションを獲得することができた。しかしドライのレースになると再びフェラーリが優勢となり、オープニングラップでベッテルに抜かれ、その後トップ奪還ならず2位でゴール。「できることはすべてやった」とはレース後のコメント。特に長い直線でフェラーリに置いていかれる傾向を、メルセデスはどう克服するか。(Photo=Mercedes)
フリー走行から予選Q2までフェラーリに先行を許していたメルセデスのハミルトン(写真)。それが予選Q3になると、先が読めない天候として有名な「スパ・ウェザー」の恩恵を受けることとなり、雨のおかげで当地で最多5回目のポールポジションを獲得することができた。しかしドライのレースになると再びフェラーリが優勢となり、オープニングラップでベッテルに抜かれ、その後トップ奪還ならず2位でゴール。「できることはすべてやった」とはレース後のコメント。特に長い直線でフェラーリに置いていかれる傾向を、メルセデスはどう克服するか。(Photo=Mercedes)拡大
2019年はピエール・ガスリーとペアを組むことになったレッドブルのフェルスタッペン(写真)。これまで、母国オランダの隣国ベルギーではいい成績を残せておらず、2015年の8位が最高位だったのだが、今年は予選7位からスタートで5位、その後あっという間に3位まで順位を上げ、最終的に表彰台を守り切った。(Photo=Red Bull Racing)
2019年はピエール・ガスリーとペアを組むことになったレッドブルのフェルスタッペン(写真)。これまで、母国オランダの隣国ベルギーではいい成績を残せておらず、2015年の8位が最高位だったのだが、今年は予選7位からスタートで5位、その後あっという間に3位まで順位を上げ、最終的に表彰台を守り切った。(Photo=Red Bull Racing)拡大

電撃移籍に、大物の事実上の引退

これほど話題に事欠かないサマーブレイクもめずらしく、特にドライバーマーケットはファクトリー休業期間中に急展開を見せた。

最大のトピックは、8月3日に発表されたダニエル・リカルドの電撃移籍だ。2014年にトロロッソからレッドブルに昇格して以来、同チームとともに7回の優勝を勝ち取ってきたリカルドは、2019年からニコ・ヒュルケンベルグとペアを組み、ルノーのステアリングを握ることとなった。3強の一角であるレッドブルから、ワークス復帰3年目にしてまだ表彰台すらないルノーへの移籍に、レッドブル首脳陣を含め誰もが驚いたに違いない。これでトップチームのレッドブルに突如空席ができ、そしてレッドブル陣営からルノーに貸し出されていたカルロス・サインツJr.は、来年のシートを探さなければならなくなった。

続いて、もう1人の大物が自らの去就を決した。8月14日、フェルナンド・アロンソが来季F1に参戦しないことを表明したのだ。2005年、2006年とルノーを駆りチャンピオンに輝き、17年のGPキャリアで通算32勝を記録したアロンソ。現役最高のドライバーといわれながらも、2連覇以降は、間の悪いタイミングでの移籍で泣くことが多かった。最後の優勝は、フェラーリをドライブしていた2013年の母国スペインGP。2015年からのマクラーレンでの苦戦は今も続いており、中団同士の争いに追われている。今後の復帰を匂わせてはいるものの、勝てるマシンにありつけなければ引退となる公算が大きいとみられている。

レッドブルとマクラーレンの空いたシートも、程なくして埋まることに。8月16日、アロンソと同じスペイン出身のサインツJr.が来季マクラーレンに加入することが発表され、さらに8月20日には、トロロッソのピエール・ガスリーがレッドブルにステップアップ、マックス・フェルスタッペンとのコンビで戦うことが明らかになった。

ハンガリーGPの週末に資金難から破産手続きに入ったフォースインディアの新オーナーが決まったのは8月7日のこと。現在ウィリアムズに在籍するランス・ストロールの父、大富豪ローレンス・ストロールを中心としたコンソーシアムにより再建の道が開かれた。夏休み明けのベルギーGPでは法的な問題で参戦も危ぶまれたが、新たに「レーシングポイント・フォースインディア」の名前でエントリーし直すことで決着がついた。

そんな話題多きサマーブレイクも過去の話。残り9戦の2018年シーズンは、ハイスピードコース、スパ・フランコルシャンから再スタートを切った。

スパ、そしてモンツァと、夏休み明けのパワーサーキット2連戦に向けて、メルセデスとフェラーリは新型パワーユニットを投入。バルテリ・ボッタス(写真)のメルセデスは、既にパワーユニット交換の年間規定に達していたため、ペナルティーで最後方17番グリッドからスタートすることに。スタートで前車に追突、ノーズを壊すハプニングがあったものの、13周目にトップ10に入り、最終的には表彰台手前の4位でゴールすることができた。(Photo=Mercedes)
スパ、そしてモンツァと、夏休み明けのパワーサーキット2連戦に向けて、メルセデスとフェラーリは新型パワーユニットを投入。バルテリ・ボッタス(写真)のメルセデスは、既にパワーユニット交換の年間規定に達していたため、ペナルティーで最後方17番グリッドからスタートすることに。スタートで前車に追突、ノーズを壊すハプニングがあったものの、13周目にトップ10に入り、最終的には表彰台手前の4位でゴールすることができた。(Photo=Mercedes)拡大
ハンガリーGP最中の破産手続きから、サマーブレイク中に新体制で再出発が決まったフォースインディア改め「レーシングポイント・フォースインディア」。新チームとしてのエントリーとなったため、今季これまでの12戦の戦績(59点でコンストラクターズランキング6位)は無効とされたものの、全チームからの合意を得たことで賞金は引き継がれることになった(2人のドライバーのポイントはそのまま)。仕切り直し初戦のベルギーGPでは、雨の予選Q3で2列目を占拠する活躍を見せ、エステバン・オコン(写真)3位、セルジオ・ペレス4位と好位置を獲得。そしてレースでは、ペレス5位、オコン6位と見事ダブル入賞を果たすことができた。なお、チームの財政難を救ったのが、現在ウィリアムズをドライブしているランス・ストロールの父、ローレンスだったということもあり、来年のドライバーラインナップはストロールとペレスになるのではとみられている。そうなれば、新進気鋭のオコンは行く先を探さなければならなくなるのだが、果たして……。(Photo=Force India)
ハンガリーGP最中の破産手続きから、サマーブレイク中に新体制で再出発が決まったフォースインディア改め「レーシングポイント・フォースインディア」。新チームとしてのエントリーとなったため、今季これまでの12戦の戦績(59点でコンストラクターズランキング6位)は無効とされたものの、全チームからの合意を得たことで賞金は引き継がれることになった(2人のドライバーのポイントはそのまま)。仕切り直し初戦のベルギーGPでは、雨の予選Q3で2列目を占拠する活躍を見せ、エステバン・オコン(写真)3位、セルジオ・ペレス4位と好位置を獲得。そしてレースでは、ペレス5位、オコン6位と見事ダブル入賞を果たすことができた。なお、チームの財政難を救ったのが、現在ウィリアムズをドライブしているランス・ストロールの父、ローレンスだったということもあり、来年のドライバーラインナップはストロールとペレスになるのではとみられている。そうなれば、新進気鋭のオコンは行く先を探さなければならなくなるのだが、果たして……。(Photo=Force India)拡大

フェラーリ優勢の中、雨の予選でハミルトンがポール

夏休み前の第11戦ドイツGP、そして第12戦ハンガリーGPと、メルセデスのルイス・ハミルトンが2連勝。一方で、勝てるレースを落とし続けたフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、宿敵ハミルトンに今季最大の24点もの差をつけられた。メルセデスはさらにギャップを広げるべく、またフェラーリは何としてもライバルに離されまいと、両陣営とも新型のパワーユニットを用意し、パワーサーキットでの戦いに臨んだ。

GP最長7kmのスパのコースのうち、フェラーリのマシンは特に直線基調のセクションで速く、メルセデスは山間部のハイスピードコーナーで強さを発揮。一周のトータルタイムではスクーデリアが優勢で、3回のフリー走行、そして予選Q1、Q2とフェラーリがトップタイムをマークしたのだが、肝心のQ3になると、ドイツ、ハンガリー同様、またしても雨がシルバーアローに加勢することとなった。

Q2終了間際から強く降り始めた雨はすぐに小降りとなるも、ドライタイヤでは走行困難。各車インターミディエイトに履き替え周回を重ね、コンディションが回復するセッション後半に賭けた。順位が目まぐるしく変わる中、最後にハミルトンがそれまでのベッテルの最速タイムを上回ることに成功し、今季6回目、スパで最多となる5回目、通算78回目のポールポジションを決めた。

ベッテルは予選2位。僚友のキミ・ライコネンは、歴代最多4勝を記録する得意のスパでポールを狙える位置にいたものの、フェラーリが燃料計算を誤り最後のアタックを断念、6位に沈んだ。2列目には、何と新生レーシングポイント・フォースインディアの2台が並び、来季のシートに不安を抱えるエステバン・オコンがキャリアベストの3位、セルジオ・ペレスは4位につけた。

ハース勢はロメ・グロジャンが5位、ケビン・マグヌッセン9位。レッドブル勢はフェルスタッペン7位、リカルド8位と後方に沈んだ。パワーユニット交換により最後尾スタートが決まっていたメルセデスのバルテリ・ボッタスは、アウトラップを行ったのみで10番手。代わりにトロロッソのガスリーが繰り上がり、トップ10グリッドの最後につけた。

ダニエル・リカルドの来季ルノーへの移籍で幸運が舞い込んできたのが、レッドブルのジュニアチーム、トロロッソのピエール・ガスリー(写真)。GPキャリア1年未満、最高位はバーレーンGPの4位という22歳のフランス人ドライバーは、経験こそ少ないものの、その速さを買われ、来季のトップチームのシートを射止めた。レッドブルとしても、来年新たなパートナーとなるホンダとの経験を先んじて積んでいるガスリーは頼りになる存在となると見込んだに違いない。ベルギーGPでは、予選11位、バルテリ・ボッタスの降格ペナルティーで繰り上がり10番グリッドからスタートし、2戦連続、今季4度目のポイント獲得に成功した。(Photo=Toro Rosso)
ダニエル・リカルドの来季ルノーへの移籍で幸運が舞い込んできたのが、レッドブルのジュニアチーム、トロロッソのピエール・ガスリー(写真)。GPキャリア1年未満、最高位はバーレーンGPの4位という22歳のフランス人ドライバーは、経験こそ少ないものの、その速さを買われ、来季のトップチームのシートを射止めた。レッドブルとしても、来年新たなパートナーとなるホンダとの経験を先んじて積んでいるガスリーは頼りになる存在となると見込んだに違いない。ベルギーGPでは、予選11位、バルテリ・ボッタスの降格ペナルティーで繰り上がり10番グリッドからスタートし、2戦連続、今季4度目のポイント獲得に成功した。(Photo=Toro Rosso)拡大
ドライバーズサーキットとして名高いスパ・フランコルシャンで、ジム・クラークに並ぶ最多4勝を記録しているキミ・ライコネン(写真)。予選ではポールを狙える速さを見せながらも、フェラーリの燃料計算のミスで最後のアタックを行えず、悔しい6番グリッド。レースではスタートでパンク、セーフティーカー中に緊急ピットインを余儀なくされ15位に転落。その後もマシンの不調に悩まされ、レース序盤のうちにリタイアを喫した。(Photo=Ferrari)
ドライバーズサーキットとして名高いスパ・フランコルシャンで、ジム・クラークに並ぶ最多4勝を記録しているキミ・ライコネン(写真)。予選ではポールを狙える速さを見せながらも、フェラーリの燃料計算のミスで最後のアタックを行えず、悔しい6番グリッド。レースではスタートでパンク、セーフティーカー中に緊急ピットインを余儀なくされ15位に転落。その後もマシンの不調に悩まされ、レース序盤のうちにリタイアを喫した。(Photo=Ferrari)拡大

オープニングラップ、ストレートでベッテルがトップに

ピレリがベルギーに持ち込んだタイヤは、硬い方からミディアム、ソフト、スーパーソフト。トップ10台はスーパーソフトを履いて、44周のレースが幕を開けた。

ポールシッターのハミルトンがトップのままターン1に進入するも、その後のケメル・ストレートでスリップストリームに入ったベッテルがハミルトンをかわし1位に。2位ハミルトン、3位ペレス、4位オコン、5位フェルスタッペンとなった時点で、後方集団の多重クラッシュによるセーフティーカーが入ることとなった。

5周目にレースが再開すると、首位ベッテルはファステストラップをたたき出しながら2位ハミルトンとの差を開き始め、10周目には3秒以上のマージンを築いた。一方もう1台のフェラーリ、ライコネンはといえば、オープニングラップでレッドブルのリカルドに接触され、リアタイヤがパンクし後退。同時にマシンを壊したことで、レース早々にリタイアを喫した。

序盤に元気のいい走りを見せていたのがフェルスタッペンだった。7周目にオコンを抜き4位、10周目にはペレスをオーバーテイクし3位にポジションアップすると、詰め掛けたオレンジ色の母国応援団から大歓声が湧くのだった。しかしハミルトンは既に10秒前方で、その差はジワジワと開くばかり。優勝争いは、ベッテルとハミルトンの2人に絞られていた。

来季ルノーへ移籍することを決めたリカルド(写真)。レッドブル首脳陣ですら寝耳に水だったという電撃移籍について、本人は「フレッシュで新しいチャレンジに乗り出す時が来たんだ」とその心境を語った。新天地ルノーは、今季これまで3強に次ぐコンストラクターズランキング4位。2016年のワークス復帰から年々着実にステップアップしているものの、来年になっていきなり優勝争いに加わってくることは考えにくい。この移籍がリカルドにとって吉と出るか凶と出るかは見ものである。ベルギーGPでは、予選8位からスタートの混乱でマシンを壊され、セーフティーカー中の修復で2周遅れでコースに戻るも30周目にリタイア。(Photo=Red Bull Racing)
来季ルノーへ移籍することを決めたリカルド(写真)。レッドブル首脳陣ですら寝耳に水だったという電撃移籍について、本人は「フレッシュで新しいチャレンジに乗り出す時が来たんだ」とその心境を語った。新天地ルノーは、今季これまで3強に次ぐコンストラクターズランキング4位。2016年のワークス復帰から年々着実にステップアップしているものの、来年になっていきなり優勝争いに加わってくることは考えにくい。この移籍がリカルドにとって吉と出るか凶と出るかは見ものである。ベルギーGPでは、予選8位からスタートの混乱でマシンを壊され、セーフティーカー中の修復で2周遅れでコースに戻るも30周目にリタイア。(Photo=Red Bull Racing)拡大
2019年にはF1に参戦しないことを表明したフェルナンド・アロンソ(写真中央)。2001年にミナルディ(現トロロッソ)でF1デビュー。2002年のテストドライバー期間を経て、翌年からルノーのステアリングを握ることに。2005年から2年連続タイトルを獲得し、それまでのミハエル・シューマッハー黄金時代に幕を引いた。しかし、2007年に移籍したマクラーレンではチームと良好な関係を築けず1年でルノーに戻り、2010年からはフェラーリのエースを務めるもタイトル一歩手前で惜敗。スクーデリアに見切りをつけ2015年からマクラーレンにカムバックすると、今度はホンダとの苦しい3年間、さらにはルノーのパワーユニットを得た今季も中団の後ろの方から何とかポイントを目指すようなシーズンを過ごしていた。「技量は現役最高」と称されながらも、「扱いにくさ」も指摘され続けてきた名ドライバー。来季は米インディカーシリーズへの参戦がうわさされている。ベルギーGPでは、予選Q1落ち、他車のペナルティーで14番グリッド。スタートでニコ・ヒュルケンベルグに追突されたアロンソのマクラーレンは、シャルル・ルクレールのザウバーに乗り上げ、宙を舞って大破、リタイアを余儀なくされた。幸い、いずれのドライバーも無傷だった。(Photo=McLaren)
2019年にはF1に参戦しないことを表明したフェルナンド・アロンソ(写真中央)。2001年にミナルディ(現トロロッソ)でF1デビュー。2002年のテストドライバー期間を経て、翌年からルノーのステアリングを握ることに。2005年から2年連続タイトルを獲得し、それまでのミハエル・シューマッハー黄金時代に幕を引いた。しかし、2007年に移籍したマクラーレンではチームと良好な関係を築けず1年でルノーに戻り、2010年からはフェラーリのエースを務めるもタイトル一歩手前で惜敗。スクーデリアに見切りをつけ2015年からマクラーレンにカムバックすると、今度はホンダとの苦しい3年間、さらにはルノーのパワーユニットを得た今季も中団の後ろの方から何とかポイントを目指すようなシーズンを過ごしていた。「技量は現役最高」と称されながらも、「扱いにくさ」も指摘され続けてきた名ドライバー。来季は米インディカーシリーズへの参戦がうわさされている。ベルギーGPでは、予選Q1落ち、他車のペナルティーで14番グリッド。スタートでニコ・ヒュルケンベルグに追突されたアロンソのマクラーレンは、シャルル・ルクレールのザウバーに乗り上げ、宙を舞って大破、リタイアを余儀なくされた。幸い、いずれのドライバーも無傷だった。(Photo=McLaren)拡大

ベッテル&フェラーリ、力でハミルトンを負かす

トップの2人にとっての勝負所は、レースのちょうど半分で訪れたタイヤ交換。どちらが先に動くかと双方にらみ合いを続けていたが、ハミルトンが22周目にソフトタイヤに交換、3位でコースに戻ると、今度はベッテルが翌周ピットに飛び込み、同じくソフトに換装した。フェラーリがピットレーンを後にすると、タイヤ交換をしていないフェルスタッペンを間に挟み、ハミルトンの前でコースに復帰することができた。

すかさずレッドブルを抜いて2位に返り咲いたハミルトンだったが、ベッテルとの間にあった1.7秒の差は、27周もすると4秒、30周で5秒とどんどん開いていき、最終的には11秒もの差をつけられてチェッカードフラッグが振られるのだった。

上位勢に動きがない中、ペナルティーで17番グリッドと後方からスタートしたボッタスの躍進は、レース終盤の冷めかけた空気に熱を入れた。オープニングラップで前車に追突、ピットに入って新しいノーズとスーパーソフトタイヤを与えられたボッタスは、13周目にトップ10入りを果たすと、30周目には2度目のタイヤ交換でソフトタイヤを履き6位。そこからハイペースで飛ばし、オコンをかわし5位、そして残り5周でペレスをオーバーテイクし、4位でゴールした。

「ベッテルは、まるで私がそこにいないかのように走り去っていった」とは、オープニングラップを振り返る2位ハミルトンの弁。パワーサーキットのスパで、ベッテルはフェラーリの強心臓のパワーをいかんなく発揮してハミルトンを負かし、24点あったポイント差を17点にまで縮めることに成功した。

次戦はフェラーリの本拠地イタリア。舞台は、これまたパワーがものをいうモンツァだ。さらに近年スクーデリアが得意とするシンガポールも控えているとなると、跳ね馬の反撃がこの先も続く可能性は高い。王者メルセデスは、この流れを変えることができるか。イタリアGP決勝は、1週間後の9月2日に行われる。

(文=bg)

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