【F1 2019 続報】開幕戦オーストラリアGP「復活の年、最良のスタート」

2019.03.17 自動車ニュース
2019年のF1開幕戦オーストラリアGPを制したメルセデスのバルテリ・ボッタス(写真右から2番目)、2位に入ったメルセデスのルイス・ハミルトン(同左端)、3位でレースを終えたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(同右端)。(Photo=Red Bull Racing)
2019年のF1開幕戦オーストラリアGPを制したメルセデスのバルテリ・ボッタス(写真右から2番目)、2位に入ったメルセデスのルイス・ハミルトン(同左端)、3位でレースを終えたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(同右端)。(Photo=Red Bull Racing)拡大

2019年3月17日、オーストラリアのメルボルンにあるアルバートパーク・サーキットで行われたF1世界選手権第1戦オーストラリアGP。話題多き新シーズンの開幕戦で表彰台にのぼったのは、復活を心に誓って臨んだあのドライバーとあのチームだった。

昨年、3強チームの中で唯一勝ち星のなかったボッタス(写真)。今年も同じような戦績ならば、チャンピオンチームのシートを失いかねない状況になるため、今季は自身にのしかかるプレッシャーとも戦わなければならない。予選Q3では一時チームメイトのルイス・ハミルトンを上回る好タイムを記録するも、最後のアタックでタイム更新ならず2位。しかし決勝日になると、抜群の滑り出しでスタートでトップを奪い、その後は危なげないレース運びで2017年最終戦以来となる通算4勝目を挙げることとなった。レース後、「自身ベストレース」と振り返ったボッタス。終盤、60年ぶりに復活したファステストラップポイントを狙いにいくあたりに、これまでのおとなしいイメージを覆す積極性が見て取れた。(Photo=Mercedes)
昨年、3強チームの中で唯一勝ち星のなかったボッタス(写真)。今年も同じような戦績ならば、チャンピオンチームのシートを失いかねない状況になるため、今季は自身にのしかかるプレッシャーとも戦わなければならない。予選Q3では一時チームメイトのルイス・ハミルトンを上回る好タイムを記録するも、最後のアタックでタイム更新ならず2位。しかし決勝日になると、抜群の滑り出しでスタートでトップを奪い、その後は危なげないレース運びで2017年最終戦以来となる通算4勝目を挙げることとなった。レース後、「自身ベストレース」と振り返ったボッタス。終盤、60年ぶりに復活したファステストラップポイントを狙いにいくあたりに、これまでのおとなしいイメージを覆す積極性が見て取れた。(Photo=Mercedes)拡大
昨季、ファン・マヌエル・ファンジオに並ぶ5冠を達成したハミルトン(写真)。ミハエル・シューマッハーの最多タイトル記録「7」への足がかりとしたい今季は、シーズン前のテストでメルセデス「W10」の出来に淡い不安が芽生えたものの、開幕戦になると最大のライバル、フェラーリを突き放すパフォーマンスを披露。3回のフリー走行すべてでトップ。予選でも自身が持つ史上最多ポール記録を「84」に伸ばし、また同時にシューマッハーとアイルトン・セナが持つ同一コースでの最多記録「8」にも並んだ。レースでは、ボッタスの好スタート、さらには早々にタイヤ交換に踏み切ったフェラーリのセバスチャン・ベッテルをカバーするチームの作戦に足を引っ張られ2位フィニッシュ。破顔一笑ということはなかったが、「バルテリ(ボッタス)は素晴らしいドライブを披露したね」とチームメイトの勝利を称賛していた。(Photo=Mercedes)
 
昨季、ファン・マヌエル・ファンジオに並ぶ5冠を達成したハミルトン(写真)。ミハエル・シューマッハーの最多タイトル記録「7」への足がかりとしたい今季は、シーズン前のテストでメルセデス「W10」の出来に淡い不安が芽生えたものの、開幕戦になると最大のライバル、フェラーリを突き放すパフォーマンスを披露。3回のフリー走行すべてでトップ。予選でも自身が持つ史上最多ポール記録を「84」に伸ばし、また同時にシューマッハーとアイルトン・セナが持つ同一コースでの最多記録「8」にも並んだ。レースでは、ボッタスの好スタート、さらには早々にタイヤ交換に踏み切ったフェラーリのセバスチャン・ベッテルをカバーするチームの作戦に足を引っ張られ2位フィニッシュ。破顔一笑ということはなかったが、「バルテリ(ボッタス)は素晴らしいドライブを披露したね」とチームメイトの勝利を称賛していた。(Photo=Mercedes)
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70年目のチャンピオンシップ、3年目の銀赤対決

待望のF1新シーズンがオーストラリアGPで開幕。1950年にスタートしたF1世界選手権にとって70年目の節目にあたる今年は、昨季同様最多タイとなる21戦が、12月1日の最終戦アブダビGPまで続く長丁場となる。

2月にスペインで2週に分けて行われた8日間の合同テストで絶好調だったのはフェラーリ。チーム創立90周年を記念し「SF90」というネーミングを与えられたマシンは、抜群の速さと安定感でバルセロナのコースを駆け抜けた。2017年、2018年とコース上で高いパフォーマンスを発揮しながら、チームのおぼつかないオペレーションで栄冠を逃してきたスクーデリアは、新たにマッティア・ビノットがトップに就任。エースのセバスチャン・ベッテルと、GPキャリア2年目の新星シャルル・ルクレールのコンビで「3度目の正直」をもくろむ。

テストで軽快に飛ばす“赤の軍団”に比べると、昨季5年連続のダブルタイトルを獲得したシルバーアロー、メルセデスには黄色信号がともったかに見えた。例年、盤石の構えでプレシーズンを終えるメルセデスだが、今季型「W10」はペースも挙動も今ひとつ定まらず、テスト期間中に空力面での方向性を大きく変えるなど対応に追われていた。

6年目の1.6リッターターボハイブリッド規定はそのままとなるが、今シーズンは、F1が抱える「前車を抜きづらい」という慢性的な課題を克服すべく、エアロパーツのレギュレーションが変更されており、メルセデスの空力面での問題が表面化したかっこうとなった。とはいえ、自身6度目のタイトルを目指すルイス・ハミルトンと、勝利なしに終わった昨季の雪辱を果たさんとするバルテリ・ボッタス、そして何より6連覇達成に向けて士気を高めるチャンピオンチームの底力は侮れない。3年目の“銀赤対決”への期待は高まるばかりだ。

ホンダを新しいパートナーに迎え入れたレッドブルは、ドライバー、チームいずれも高いモチベーションを保ちながら2019年シーズン開幕戦を迎えた。予選でその士気に応える好走を披露したのがフェルスタッペン(写真)。フェラーリの2台に割って入る4番グリッドからスタートすると、オーバーテイクが難しいアルバートパークのコースでセバスチャン・ベッテルを抜き3位に。そこからゴールまで2位ハミルトンを追い回したが、チャンピオンは先に行かせてくれなかった。レッドブル・ホンダは初戦で3位。ホンダにとっては2008年イギリスGP以来となる久々の表彰台で、両者は幸先の良いスタートをきった。(Photo=Red Bull Racing)
ホンダを新しいパートナーに迎え入れたレッドブルは、ドライバー、チームいずれも高いモチベーションを保ちながら2019年シーズン開幕戦を迎えた。予選でその士気に応える好走を披露したのがフェルスタッペン(写真)。フェラーリの2台に割って入る4番グリッドからスタートすると、オーバーテイクが難しいアルバートパークのコースでセバスチャン・ベッテルを抜き3位に。そこからゴールまで2位ハミルトンを追い回したが、チャンピオンは先に行かせてくれなかった。レッドブル・ホンダは初戦で3位。ホンダにとっては2008年イギリスGP以来となる久々の表彰台で、両者は幸先の良いスタートをきった。(Photo=Red Bull Racing)拡大

「レッドブル・ホンダ」、デビューイヤー初勝利なるか?

3強の一角であるレッドブルは、長年付き合ってきたルノーからホンダにパワーユニットをスイッチ。メルセデス、フェラーリと違い自社製パワーユニットを持たない元4冠王者は、チーム史上初めてワークス並みの体制で臨むこととなる。名デザイナー、エイドリアン・ニューウェイがかつてないほどの高いモチベーションで開発したというニューマシン「RB15」は、冬のテストでは順調に周回数を重ね、既にルノー時代と遜色ないパフォーマンスを披露していた。昨季4勝の強豪が、ホンダとのパートナーシップ初年度に勝利をつかめるか。気鋭のマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーという2人の若手、さらにホンダとしては2年目のトロロッソを含めた2チーム4台体制で戦いを挑む。

新チーム代表マッティア・ビノットの指揮のもと、“冬のチャンピオン”としてオーストラリアにやってきたフェラーリ。しかしいざセッションが始まると、宿敵メルセデスに大きな差をつけられることになる。ベッテル(写真)は、今季型「SF90」に特段の問題がないにも関わらず、ポールシッターのルイス・ハミルトンに0.7秒も遅れをとっての予選3位。レースでは早々にタイヤ交換に踏み切った作戦が裏目に出て4位に終わった。メルセデスとフェラーリ、3年目の対決に期待する向きにとってはいささか残念なワンサイドゲームになったが、今シーズンはまだ1戦を消化したのみ。次戦以降の動きに注目したい。(Photo=Ferrari)
新チーム代表マッティア・ビノットの指揮のもと、“冬のチャンピオン”としてオーストラリアにやってきたフェラーリ。しかしいざセッションが始まると、宿敵メルセデスに大きな差をつけられることになる。ベッテル(写真)は、今季型「SF90」に特段の問題がないにも関わらず、ポールシッターのルイス・ハミルトンに0.7秒も遅れをとっての予選3位。レースでは早々にタイヤ交換に踏み切った作戦が裏目に出て4位に終わった。メルセデスとフェラーリ、3年目の対決に期待する向きにとってはいささか残念なワンサイドゲームになったが、今シーズンはまだ1戦を消化したのみ。次戦以降の動きに注目したい。(Photo=Ferrari)拡大

混戦の中団チーム、抜け出すのは……?

中団勢は例年通り混戦模様だ。優勝経験のあるダニエル・リカルドが加わったルノーは3強との差を縮めたいところ。さらに昨年躍進したハース、フォースインディアの名前を捨て再出発するレーシングポイント、最年長キミ・ライコネンを擁するザウバー改めアルファ・ロメオ、復活の糸口をつかみたいマクラーレン&ウィリアムズが、「クラスB」トップの座を目指す。

メルセデスとハース以外はドライバーラインナップが変わり、新人3人がデビュー。ラリー中の大クラッシュで大けがを負ったロバート・クビサが8年ぶりにウィリアムズでF1カムバックを果たすなど、ドライバーの変動が多かったのも今年のポイント。またファステストラップを記録したドライバーが10位以内でフィニッシュすると1点のボーナスポイントが与えられるというルール変更も行われた。かように話題多き2019年シーズンは、夏の終わりのメルボルンでスタートした。

赤いレーシングスーツをまとうシャルル・ルクレール(写真)。デビューイヤーをザウバーで戦った21歳のモナコ人ドライバーは、GPキャリア2年目にして誰もが憧れるスクーデリアのシートを手に入れた。テストからエース格のベッテルと競い合う走りを見せ、オーストラリアGPでも予選Q1でトップ。だがQ3の最後のアタックをまとめきれず、フェラーリでの初戦は5番グリッドからスタートすることに。レースでは5位をキープするも、コースオフするシーンが見られるなどやや浮き足立った感があった。最終的に、キャリア最高位となる5位でゴール。この先これを上回る戦績を残すことは想像に難くない。(Photo=Ferrari)
赤いレーシングスーツをまとうシャルル・ルクレール(写真)。デビューイヤーをザウバーで戦った21歳のモナコ人ドライバーは、GPキャリア2年目にして誰もが憧れるスクーデリアのシートを手に入れた。テストからエース格のベッテルと競い合う走りを見せ、オーストラリアGPでも予選Q1でトップ。だがQ3の最後のアタックをまとめきれず、フェラーリでの初戦は5番グリッドからスタートすることに。レースでは5位をキープするも、コースオフするシーンが見られるなどやや浮き足立った感があった。最終的に、キャリア最高位となる5位でゴール。この先これを上回る戦績を残すことは想像に難くない。(Photo=Ferrari)拡大
ホンダとのパートナーシップ2年目を迎えるトロロッソは、姉妹チームのレッドブル同様に例年以上に士気を高めてきた。トップチーム同様、レッドブル・テクノロジーからギアボックスなど多くのパーツが提供されることとなり、今季型「STR14」の戦闘力をアップ。ドライバーでは、ビラ王子以来65年ぶりとなるタイ国籍ドライバー、アレクサンダー・アルボン(写真)がデビュー。既にレッドブル、トロロッソで経験を積んでいるダニール・クビアトとペアを組む。アルボンは、F1マシンをドライブした回数はまだ数えるほどしかなく、フリー走行中にスピンを喫するなど経験不足を露呈したものの、最初の予選で13位、先輩格クビアトの2つ前でセッションを終了。レースでは14位完走としっかり走りきったのは評価に値する。クビアトは、後方からのスタートとなったレッドブルのピエール・ガスリーらと丁々発止とやりあい、結果10位入賞、ポイントを獲得した。(Photo=Toro Rosso)
ホンダとのパートナーシップ2年目を迎えるトロロッソは、姉妹チームのレッドブル同様に例年以上に士気を高めてきた。トップチーム同様、レッドブル・テクノロジーからギアボックスなど多くのパーツが提供されることとなり、今季型「STR14」の戦闘力をアップ。ドライバーでは、ビラ王子以来65年ぶりとなるタイ国籍ドライバー、アレクサンダー・アルボン(写真)がデビュー。既にレッドブル、トロロッソで経験を積んでいるダニール・クビアトとペアを組む。アルボンは、F1マシンをドライブした回数はまだ数えるほどしかなく、フリー走行中にスピンを喫するなど経験不足を露呈したものの、最初の予選で13位、先輩格クビアトの2つ前でセッションを終了。レースでは14位完走としっかり走りきったのは評価に値する。クビアトは、後方からのスタートとなったレッドブルのピエール・ガスリーらと丁々発止とやりあい、結果10位入賞、ポイントを獲得した。(Photo=Toro Rosso)拡大

ハミルトンがポール、メルセデス最前列独占

いかにテストが順調でも、実戦で走らなければ本当のポテンシャルは分からないもの。アルバートパーク・サーキットでの24回目のGPウイークが始まると、3回のフリー走行すべてでトップに立ったのはメルセデスのハミルトン。“冬のチャンピオン”フェラーリは最大のライバルとの差を詰められないでいた。

予選に入ってからもメルセデスの2台がペースセッターとなり集団をけん引。トップ10グリッドを決めるQ3では、最初のアタックでボッタスがハミルトンに0.457秒という大差をつけてP1を取ったものの、最後のラップでハミルトンにひっくり返されてセッション終了。ハミルトンは、オーストラリアで6年連続8度目のポールポジションを獲得。F1最多ポール記録を「84回」に伸ばした。僚友に0.112秒負けたとはいえボッタスが2位に入り、メルセデスは最前列独占となった。

フェラーリはベッテルが予選3位、ルクレールは5位。ベッテルはポールタイムから0.704秒も遅く、そのギャップの大きさに誰もが驚いた。赤いマシンの間に割って入ったのは、レッドブルのフェルスタッペンで4位。ホンダは復帰後の最高位グリッドを得ることとなったが、もう1台のレッドブル、ガスリーはQ1落ちの17位と明暗が分かれた。ロメ・グロジャン6位、ケビン・マグヌッセン7位とハースが2台そろって好位置につけ、マクラーレンのランド・ノリスがルーキー最高位の8位と健闘。アルファ・ロメオのライコネンが9位、レーシングポイントのセルジオ・ペレスは10位だった。

ダニエル・リカルドの想定外の離脱で空いたレッドブルのシートを射止めたガスリー(写真)。一発の速さは評価できる一方で、冬のテスト中に大クラッシュを演じるなど経験不足が否めない一面も。オーストラリアGP予選Q1では、1回のアタックで済まそうという作戦だったが、セッション終盤にかけてコースコンディションが良くなり、ライバルが続々とタイムをアップしてしまい17番グリッドの下位に。レースでは入賞圏目前の11位完走。次戦以降の挽回に期待したいところだ。(Photo=Red Bull Racing)
ダニエル・リカルドの想定外の離脱で空いたレッドブルのシートを射止めたガスリー(写真)。一発の速さは評価できる一方で、冬のテスト中に大クラッシュを演じるなど経験不足が否めない一面も。オーストラリアGP予選Q1では、1回のアタックで済まそうという作戦だったが、セッション終盤にかけてコースコンディションが良くなり、ライバルが続々とタイムをアップしてしまい17番グリッドの下位に。レースでは入賞圏目前の11位完走。次戦以降の挽回に期待したいところだ。(Photo=Red Bull Racing)拡大
昨季までのレッドブルから今年ルノーに移籍したリカルド(写真)。予選ではQ3進出ならず、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグのひとつ下、12番グリッドからスタート。レース開始数秒で、メインストレートのダートにタイヤを落とし、弾みでフロントウイングを壊してしまい最後尾に脱落してしまう。その後周回を重ねたものの、レース中盤にコックピットを降りリタイア。母国に錦を飾ることはできなかった。(Photo=Renault Sport)
昨季までのレッドブルから今年ルノーに移籍したリカルド(写真)。予選ではQ3進出ならず、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグのひとつ下、12番グリッドからスタート。レース開始数秒で、メインストレートのダートにタイヤを落とし、弾みでフロントウイングを壊してしまい最後尾に脱落してしまう。その後周回を重ねたものの、レース中盤にコックピットを降りリタイア。母国に錦を飾ることはできなかった。(Photo=Renault Sport)拡大

ボッタス、スタートでトップを奪取

いかに予選までが速くとも、真のポテンシャルは300km超のレースで発揮されるもの。ロングランでもメルセデスが他を圧倒するのか、あるいは抜群のスタビリティーでフェラーリが昨年同様の逆転勝利を飾るのか。さまざまな期待や思惑が渦巻く中、58周のレースが始まった。

最高のスタートをきったのはボッタス。ハミルトンに並びかけるとターン1をトップで抜け、2位ハミルトン、3位ベッテル、4位フェルスタッペン、5位ルクレールらが続いた。最悪の出だしだったのは母国GPを戦うリカルドで、メインストレートのダートにタイヤを落とした弾みでフロントウイングを壊し早々にピットイン、最後方からの追い上げを強いられることとなった。

1位ボッタスと2位ハミルトンの間隔は少しずつ広がり、10周して3.6秒のギャップができた。3位ベッテルもほぼ同じ差で周回を重ねていたが、フェラーリは、上位陣の中では一番早い14周目にピットストップを実施した。フレッシュタイヤに履き替えたベッテルにポジションを奪われては困ると、メルセデスは翌周ハミルトンを入れたのだが、結果的にこの対応がハミルトンを苦しめることになる。

なお今季ピレリが用意したドライタイヤは、一番硬い「C1」から最もやわらかい「C5」までの5種類。レースウイークに持ち込まれる3種類は、この中からセレクトされるが、呼称は「ハード」「ミディアム」「ソフト」と分かりやすくなった。ベッテル、ハミルトンとも、ソフトからミディアムに履き替え、第2スティントに向かった。

F1への登竜門カテゴリーであるFIA F2選手権のトップランカー3人が今年GPデビュー。昨年のF2王者ジョージ・ラッセルはウィリアムズ、同ランキング2位のランド・ノリス(写真)はマクラーレン、同じく3位のアルボンはトロロッソのシートを射止めた。開幕戦で周囲を驚かせたルーキーは、マクラーレンの秘蔵っ子である今季最年少ドライバー、ノリス。予選でいきなりQ3進出、8位からスタートすることとなったが、レースでは入賞ならず、12位完走。(Photo=McLaren)
F1への登竜門カテゴリーであるFIA F2選手権のトップランカー3人が今年GPデビュー。昨年のF2王者ジョージ・ラッセルはウィリアムズ、同ランキング2位のランド・ノリス(写真)はマクラーレン、同じく3位のアルボンはトロロッソのシートを射止めた。開幕戦で周囲を驚かせたルーキーは、マクラーレンの秘蔵っ子である今季最年少ドライバー、ノリス。予選でいきなりQ3進出、8位からスタートすることとなったが、レースでは入賞ならず、12位完走。(Photo=McLaren)拡大
今季からブラック&ゴールドのマシンとなったハース。そのノーズには「FOR OUR FRIEND CHARLIE」の文字が。オーストラリアGP直前の3月14日、肺塞栓(そくせん)症により66歳で急逝したFIA(国際自動車連盟)のF1ディレクター、チャーリー・ホワイティングを追悼するメッセージだった。ホワイティングはGPレースのディレクターやスターター、安全面をつかさどる役割を担うなど、レース運営の要として長年貢献してきた人物。さらにレギュレーション策定に携わっていたほか、ルールの番人でもあり、F1に関わる多くの人たちと密接な関係を築いていた。死去の前日まで、ベッテルとコースの下見を行うなど、いつも通りの仕事をこなしていたというホワイティング。その突然の訃報にみなショックを受けていた。(Photo=Haas)
 
今季からブラック&ゴールドのマシンとなったハース。そのノーズには「FOR OUR FRIEND CHARLIE」の文字が。オーストラリアGP直前の3月14日、肺塞栓(そくせん)症により66歳で急逝したFIA(国際自動車連盟)のF1ディレクター、チャーリー・ホワイティングを追悼するメッセージだった。ホワイティングはGPレースのディレクターやスターター、安全面をつかさどる役割を担うなど、レース運営の要として長年貢献してきた人物。さらにレギュレーション策定に携わっていたほか、ルールの番人でもあり、F1に関わる多くの人たちと密接な関係を築いていた。死去の前日まで、ベッテルとコースの下見を行うなど、いつも通りの仕事をこなしていたというホワイティング。その突然の訃報にみなショックを受けていた。(Photo=Haas)
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フェルスタッペン、3位表彰台へ

トップ快走のボッタスは24周してようやくピットイン。さらに暫定首位に立っていたフェルスタッペンも26周目、ルクレールは29周目にタイヤを交換すると、1位ボッタスは2位ハミルトンに15秒ものギャップを築き、ハミルトンから2.5秒離れて3位ベッテル、フェラーリの真後ろに4位フェルスタッペンという元のオーダーとなった。

しかしハミルトンとベッテルは、ライバルに比べ使い込んだミディアムタイヤで戦わざるを得ず苦戦。レース終盤、2人のチャンピオンドライバーに若獅子フェルスタッペンがかみついた。まずはペースの上がらないベッテルをオーバーテイクし表彰台圏内の3位に駒を進めると、今度は1.5秒前の2位ハミルトンに照準を合わせることとなった。

迎え撃つハミルトンは、タイヤの状態が思わしくないと無線で訴えるも、フェルスタッペンとの1.5秒差を何とかキープ。対するフェルスタッペンも、残り10周を切った時点でコースオフしタイムを失ったものの、最後の数周にかけてスパートをかけてきた。54周目、それまでボッタスが記録していたファステストラップをフェルスタッペンが更新し、その差がいよいよ1秒を切った両車だったが、いまや円熟の境地に達したチャンピオンには隙がなく、そのままの順位でチェッカードフラッグが振られた。

20秒もの大量リードを築いての完勝で、ポディウムの頂点に立ったのはボッタス。昨年は不運やチームオーダーにより勝利に恵まれず、シーズン後半になるとすっかり精彩を欠いていた彼にとって、復活の糸口をつかむ重要な1勝となったはずである。ゴール目前、「俺は(優勝の25点だけでなく)26点が取りたいんだ」と、ボーナスポイント1点すら貪欲に稼ぎたいという姿勢を見せ、フェルスタッペンに奪われたファステストラップをしっかりと奪い返した。おとなしく従順というこれまでのイメージが、強いドライバーへと変わったかのような印象を受けた開幕戦だった。

そして同じく最良のスタートをきったのがレッドブル・ホンダだ。レッドブルやフェルスタッペンは表彰台の常連であるが、ホンダにとっては2015年に復帰してから初、2008年の第9戦イギリスGP以来となる、実に11年ぶりのポディウム。しかも王者メルセデスを追い回して3位となったのだから内容も充実していた。

好調のテストから一転、ベッテル4位、ルクレール5位と期待外れに終わったフェラーリ。しかし、急加減速を繰り返すアルバートパークのコースではなく、よりコンベンショナルなサーキットに移れば、また別の戦いの様相が見えてくるかもしれない。次戦以降の活躍に期待をかけたいところだ。

次の第2戦バーレーンGPの決勝は、3月31日に行われる。

(文=bg)

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