「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」の会場から(その4)
2019.05.22 画像・写真次世代のモビリティーを支える最先端テクノロジーが一堂に会した「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(開催期間:2019年5月22~24日)の会場から、日産自動車やダイハツ工業、コンチネンタル、NTN、帝人、堀場製作所の展示内容を紹介する。
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1/34「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」に出展したダイハツ工業のブース。2018年にレストアが完了した往年のレーシングカー「P-5」を展示していた。
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2/341967年に開催された第4回日本グランプリと、翌年の第5回日本グランプリに参戦した「P-5」。
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3/34鋼管パイプフレームのシャシーにFRP製の流麗なボディーをかぶせている「P-5」。エンジンやトランスミッションはリアミドに搭載。
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4/34走るためだけに設計された、装飾を廃したコックピット。シフトレバーはレーシングマシンのセオリーともいえる運転席右側に配置している。
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5/341万回転まで刻まれた機械式タコメーターをメーターパネルの中央部分にレイアウト。トランスミッションは英ヒューランド製のMK-Ⅳ型5段MTを搭載する。
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6/34バケットシートを2座分搭載している。全長3850mmのコンパクトなボディーからも想像できるように、コックピットは非常にタイト。ペダルは車両中央近くにオフセット配置されている。
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7/34リアミドに搭載されるエンジンは1.3リッター直4 DOHC 4バルブ。「R92B型」と呼ばれるパワーユニットで、最高出力140psを発生する。
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8/34消音機を持たないエキゾーストシステム。2018年10月、滋賀県竜王町にあるダイハツテクニカルセンターにおいてレストア後初めて報道関係者にお披露目され、独特のエンジンサウンドを響かせたという。
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9/34風洞実験を行い開発された、低くワイドなエクステリアデザイン。後方ヒンジで大きく開くエンジンフードに干渉しないように、マフラー出口の形状と配置は工夫されている。
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10/34「P-5」のヒストリーやスペック、当時の設計図などを展示。当時の最先端であり、ダイハツ独自の技術が数多く採用されたレーシングマシンであることが紹介されていた。
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11/34「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」における日産自動車のブース。
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12/34日産ブースには2019年3月に販売を開始したばかりの新型軽自動車「デイズ ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション4WD」が展示されていた。
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13/34世界初の量産型可変圧縮比ターボエンジン「VCターボ」のカットモデル。北米で販売されている4ドアセダンの新型「アルティマ」などに搭載されているパワーユニットで、日本販売車両にも導入が期待されている。
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14/34「日産リーフe+」に搭載する「e-パワートレイン」のカットモデルを展示。自動車技術会主催企画展示コーナーには日産リーフe+の実車を展示していたほか、試乗コーナーで同車と「デイズ」の公道試乗を実施した。
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15/34日産が市販車への搭載を進めている運転支援技術「プロパイロット2.0」のシステムを分かりやすく紹介したパネルと、デモンストレーションムービー。来場者からは「便利で安全性も高そうなので、実際に運転してみたい」との声も聞かれた。
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16/34世界的な自動車部品サプライヤーとして、世界61カ国で事業展開を行っているコンチネンタル。「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」の出展ブースでは、自動運転、効率化、コネクティビティー分野における最新のソリューションを紹介している。
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17/34来るべき完全自動運転を支える各種のセンサーを展示したコンチネンタルのブース。最新の高解像度3Dフラッシュライダー(写真右下)は、昼夜を問わず悪天候においても、車両全体の周囲に対して広く正確な電子的視野情報を提供するという。
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18/34コンチネンタルのブランドロゴ。タイヤではメジャーブランドとして知られるが、自動車部品メーカーとしても世界屈指の規模とラインナップを誇っている。大型ディスプレイを用いて、各種センサーがどんな電子的視野を持っているのかを分かりやすくデモンストレーションしていた。
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19/34「なんてなめらか」というフレーズのテレビコマーシャルでお馴染みのNTNは、世界有数のハブベアリングやドライブシャフトの製造メーカー。高速回転対応や低フリクション化、長寿命化などを実現した高機能ベアリング、高効率性を誇るドライブシャフト、ステアリング補助機能付きハブベアリング「sHUB」、モータージェネレーター機能付きハブベアリング「eHUB」などを展示していた。
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20/34NTNのブースでは、電動オイルポンプのラインナップ紹介と水槽を使用したデモンストレーションが行われていた。
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21/34ハブベアリングにモータージェネレーターを組み合わせたモジュールシステム「eHUB」。非駆動輪に搭載することで、発進時や加速時にエンジン負荷の軽減を行い、ブレーキ時における電力回生をサポート。展示されていたのはその最新モデルで、内部構造の最適化により大幅な小型化と許容回転速度の向上を実現。従来の開発品と同等以上の性能を確保しているという。
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22/34帝人は、豪州のAEV社製車両に帝人グループの高機能素材や最新の加工技術を組み合わせた「ゼロエミッションLS-EV(ロースピードエレクトリックビークル)」コンセプトカーを出展。ドア部分は帝人が開発した透明のポリカーボネートを用い、視界の確保と軽量化の実現に加え、十分な強度をもたらすという。
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23/34いわゆる“ラストワンマイルの自動運転”を想定するため、コックピットはシンプルな造形となっている。
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24/34コンセプトカーはピープルムーバーとしての提案だったが、電動ユニットを搭載するシャシー部分はモジュール化されており、ボディー上部を変更することで、宅配便の車両や移動販売用車両、緊急用車両などへの仕様変更も簡単に行えるという。開発者は「朝と夜でボディーを乗せ換えて、1台のクルマで何通りもの使い方を楽しめるようになる」と実用化に向けたビジョンを紹介していた。
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25/34「シームレスな空力スタイリングの採用」もコンセプトカー「ゼロエミッションLS-EV」の特徴といえる。開口部の広いスライドドアは、ポリカーボネートの外販を使用することによって軽量につくられている。
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26/34軽自動車程度のコンパクトなサイズながら、Cセグメント並みのキャビンスペースを持つ帝人の「ゼロエミッションLS-EV」。
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27/34「ゼロエミッションLS-EV」のルーフには、各種センサーが埋め込まれていた。
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28/34「ゼロエミッションLS-EV」のフロントマスク。帝人が開発する多用な素材によって、滑らかなボディーラインと従来の素材とは比較できないほどの軽量化を同時に実現。
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29/34今回の展示テーマとして「DAKE JA NAI」(だけじゃない)を掲げた帝人。例えば「単なる緩衝材・吸音材“だけじゃない”自動車内装の高級感や快適性を向上」といった具合に、ほとんどの展示物に「〇〇だけじゃないXX」という統一フレーズを用いて企業のコンセプトや最先端技術を紹介していた。
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30/34「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」の会場。日本を代表するメーカーやブランドが数多く出展していたのと同時に、プロだけが知るような中小のサプライヤーも少なくなく、多くの企業によって日本のモビリティーが支えられているのだと実感できた。
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31/34自動車計測、科学計測、環境・プロセス計測、医用計測、半導体計測などの分野で知名度の高い堀場製作所の出展ブース。同社グループの社是は「おもしろおかしく」である。
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32/34間もなく市場投入されるシャシーダイナモ用運転ロボット。排ガス試験や耐久試験など、同一走行データが必要な場面で使用されるもので、従来品よりコンパクト化され、シートへの装着が簡単になるなど、大幅な進化を果たしているという。
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33/34シャシーダイナモ用運転ロボット。写真はマニュアルトランスミッション用の3ペダル対応モデル。大幅な軽量化も実現している。
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34/34車載型のエンジン排ガス測定装置「OBS-ONE」。国内完成車メーカーを中心に、排ガス関連サプライヤーからの引き合いが多いという。