世界ラリー選手権の日本ラウンド「ラリージャパン」が復活 世界最高峰のラリーが再び日本へ【東京モーターショー2019】

2019.10.25 自動車ニュース 大音 安弘
「ラリージャパン」の概要発表会に登壇した面々。
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ラリージャパン運営事務局は2019年10月24日、東京モーターショーの会場にて、FIA世界ラリー選手権(WRC)の日本ラウンド「ラリージャパン」の、2020年の開催概要を発表した。

新生「ラリージャパン」は、WRCの最終戦として行われる。
新生「ラリージャパン」は、WRCの最終戦として行われる。拡大
開催地はかつての北海道から、愛知県と岐阜県に変更された。
開催地はかつての北海道から、愛知県と岐阜県に変更された。拡大
2019年11月には、プレイベントとして「セントラルラリー愛知・岐阜2019」が開催される。
2019年11月には、プレイベントとして「セントラルラリー愛知・岐阜2019」が開催される。拡大
トヨタ・ヤリスWRC
トヨタ・ヤリスWRC拡大
ラリージャパンの概要を説明する、高橋浩司運営事務局長。
ラリージャパンの概要を説明する、高橋浩司運営事務局長。拡大
発表会には開催地域の行政関係者も参加した。写真は愛知県の大村秀章知事。
発表会には開催地域の行政関係者も参加した。写真は愛知県の大村秀章知事。拡大
岐阜県の平木 省副知事。
岐阜県の平木 省副知事。拡大
誘致活動を支援した、自民党モータースポーツ振興議員連盟の古谷圭司会長。
誘致活動を支援した、自民党モータースポーツ振興議員連盟の古谷圭司会長。拡大

開催地は北海道から愛知・岐阜へ

ラリージャパンは北海道を舞台に2004年にスタート。しかし2010年を最後に、WRCのカレンダーからは外されていた。その後もファンや関係者から復活を望む声が聞かれはしたものの、実現に至ることはなかった。それが来年(2020年)、約10年ぶりに復活することとなった。2019年9月27日にFIAが正式決定した2020 WRCカレンダーによると、ラリージャパンはシリーズ最終戦となる14戦目に行われる。

今回発表された開催概要によると、開催期間は2020年11月19日から22日の4日間で、開催地は愛知県と岐阜県の8市町を予定。大会本部となるヘッドクオーターと、競技車両の発着と整備が行われるサービスパークは、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園に設置するとしている。

さらにラリージャパンのテストイベントとして、「セントラルラリー愛知・岐阜2019」を2019年11月7日から10日の日程で開催。愛・地球博記念公園を中心に、三河山間地域や東濃地区でのターマックラリーが実施される。大会ゲストとして、今季での競技引退を宣言しているペター・ソルベルグ選手が、息子で同じくラリードライバーのオリバー・ソルベルグ選手と共に来日し、デモランやトークショーなどファンサービスを行う予定だ。

出場選手としては、WRCに参戦中の若手ドライバー勝田貴元選手が「トヨタ・ヤリスWRC」で参戦するほか、全日本ラリーで活躍するトップラリーストの新井敏弘選手や勝田範彦選手などといったプロはもちろん、クルマ好きで知られる俳優、哀川 翔などの出場も明らかにされた。また多くの現役WRCドライバーも視察に訪れる予定だ。

WRCのファンが多い日本での成功を目指す

会見でラリージャパン運営事務局の事務局長の高橋浩司氏は、「昨年、WRCの13大会に足を運んだファンは延べ410万人。サービスパークだけで50万人にも上る。TVやインターネットでは155カ国で放送され、8億人以上が視聴しているという多くのファンを持つ国際的なモータースポーツイベントだ。あるデータによると、日本のラリーファンは世界で5番目に多いとされ、これはWRCの舞台となるフランスやアルゼンチンも超える数字。それだけに潜在的なファンが多数いると確信している。また会場となる愛知県および岐阜県は、自動車産業が盛んな中部地区にあり、国際サーキットの鈴鹿と富士に挟まれる位置にもあるため、モータースポーツファンも多いと思う。そんなファンの期待を裏切らない内容とし、今後もWRCが根付くように努力したい」と語った。

また記者会見には、愛知県の大村秀章知事、岐阜県の平木 省副知事、そして誘致活動を支援した自民党モータースポーツ振興議員連盟会長である古谷圭司衆議院議員などが出席。ラリージャパンの成功に向け、運営と自治体が協力し、盛り上げていくことを表明した。

約10年ぶりの復活となるラリージャパン。これまでは北海道地区での開催だっただけに、観戦のハードルが高かったのも確か。来年復活するラリージャパンはアクセスしやすい環境での開催となるだけに、多くのモータースポーツファンが関心を持っているに違いない。まずは、日本の一流ラリーストたちの走りを堪能できる来月のプレイベントに注目である。

(文=大音安弘/写真=大音安弘、トヨタ)

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