【F1 2020】第8戦イタリアGP「ホンダとの50戦目 イタリアで再び奇跡が起きる」

2020.09.07 自動車ニュース
F1第8戦イタリアGPを制したアルファタウリのピエール・ガスリー(写真)。フランス人ドライバーとしては、1996年のモナコGPで優勝したオリビエ・パニス以来の勝者となる。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
F1第8戦イタリアGPを制したアルファタウリのピエール・ガスリー(写真)。フランス人ドライバーとしては、1996年のモナコGPで優勝したオリビエ・パニス以来の勝者となる。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

2020年9月6日、イタリアのアウトドローモ・ナツィオナーレ・モンツァで行われたF1世界選手権第8戦イタリアGP。通算90勝目を目指しトップ快走中だったメルセデスのルイス・ハミルトンに、思わぬ落とし穴。1台のリタイアがもたらしたセーフティーカーが、レースの様相を一変させた。

10番グリッドからのスタートとなったガスリー(写真)は、セーフティーカーと赤旗中断をうまく味方につけ、中断後のリスタートで3位から2位に躍進。先頭のルイス・ハミルトンがペナルティーを受けたことでトップに立つと、マクラーレンのカルロス・サインツJr.の追撃を振り切り、見事初優勝を飾った。今季トロロッソからアルファタウリに名を変えたチームにとっては、2008年のイタリアGP以来の通算2勝目となる。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
10番グリッドからのスタートとなったガスリー(写真)は、セーフティーカーと赤旗中断をうまく味方につけ、中断後のリスタートで3位から2位に躍進。先頭のルイス・ハミルトンがペナルティーを受けたことでトップに立つと、マクラーレンのカルロス・サインツJr.の追撃を振り切り、見事初優勝を飾った。今季トロロッソからアルファタウリに名を変えたチームにとっては、2008年のイタリアGP以来の通算2勝目となる。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
週末を通して超高速コースのモンツァで速さを見せたのがマクラーレン勢。カルロス・サインツJr.(写真)は予選3位からのスタートで2番手に上がりハミルトンの後を追う展開。赤旗中断後のリスタートでも6位から2位にジャンプアップ、ガスリーに猛追を仕掛けるもあと1周足らず僅差で2位。キャリア最高位であることに違いはないが、逃した初勝利に喜びも半分だった。チームメイトのランド・ノリスは、予選6位から4位入賞。マクラーレンはコンストラクターズランキングで3位につけている。(Photo=McLaren)
週末を通して超高速コースのモンツァで速さを見せたのがマクラーレン勢。カルロス・サインツJr.(写真)は予選3位からのスタートで2番手に上がりハミルトンの後を追う展開。赤旗中断後のリスタートでも6位から2位にジャンプアップ、ガスリーに猛追を仕掛けるもあと1周足らず僅差で2位。キャリア最高位であることに違いはないが、逃した初勝利に喜びも半分だった。チームメイトのランド・ノリスは、予選6位から4位入賞。マクラーレンはコンストラクターズランキングで3位につけている。(Photo=McLaren)拡大
レーシングポイントのランス・ストロール(写真)は、予選8位から3位に入り、2017年アゼルバイジャンGP以来となる自身2度目の表彰台を獲得。赤旗中断時にはタイヤ交換をせず2位だったが、中断時にニュータイヤに替えることができたため2位のポジションをキープ。再スタートで順位を落としてしまったことが惜しかった。チームメイトのセルジオ・ペレスも10位入賞。チームはマクラーレンの後ろ、ランキング4位につけている。(Photo=Racing Point)
レーシングポイントのランス・ストロール(写真)は、予選8位から3位に入り、2017年アゼルバイジャンGP以来となる自身2度目の表彰台を獲得。赤旗中断時にはタイヤ交換をせず2位だったが、中断時にニュータイヤに替えることができたため2位のポジションをキープ。再スタートで順位を落としてしまったことが惜しかった。チームメイトのセルジオ・ペレスも10位入賞。チームはマクラーレンの後ろ、ランキング4位につけている。(Photo=Racing Point)拡大

さよならウィリアムズ・ファミリー

ひょっとしたらあるかもしれないと予想していたが、いざそうなると戸惑いを隠せない──第8戦イタリアGPを最後に、ウィリアムズから創設者フランク・ウィリアムズ代表とその実娘クレア・ウィリアムズ副代表らが退任するという報に、そんな感情を抱いたひとも多かったのではないか。

過去2年で最下位と低迷、経営面でも苦境に立たされていたウィリアムズは、2020年8月にアメリカの投資会社ドリルトン・キャピタルに買収されることが決まったばかり。チーム名やファクトリーなどは維持されることが分かっていたものの、経営体制についてはしばしの沈黙の後、9月3日に明らかにされた。その内容は、創業家ウィリアムズ・ファミリーをはじめ旧経営陣は退任し、ドリルトン・キャピタルのマシュー・サベージ会長らが新たに取締役会メンバーとなるというもの。ただし、これまで現場で陣頭指揮を執っていたクレアの代わりに誰がチームを率いるのかなどは未定で、近日中にアナウンスされるという。

2002年からプレス担当としてチームに加わり、10年の後に取締役、そして2013年から副代表として奮闘を続けてきたクレアは、「チームから去ることは厳しい決断だった。ウィリアムズ家の遺産を次の世代に引き継ぎたい、そう望んできたが、自分たちではコントロールできない状況下で新たな投資が必要だったため、ドリルトン・キャピタルに売却することにした」と思いを告白。「私たちウィリアムズ家は、チームとそこで働くひとたちを一番に考えてきたが、今回の決断は本当に正しかったと思っている。(ドリルトン・キャピタルは)ウィリアムズの遺産を守りながら、常勝チームに戻してくれるであろう最適なひとたちです」と、苦渋の色をにじませながらも、チームの将来のためを思っての売却、退任であったと語った。

1977年のチーム設立から43年。フランクのレースにかける並々ならぬ情熱と、彼の右腕であったパトリック・ヘッドの技術的采配により世界の頂点にのぼりつめ、歴代3位の114勝、コンストラクターズタイトル9回、ドライバーズタイトル7回という多くの栄冠を勝ち取ってきた名門。F1では珍しい家族経営の独立系チームとして長きにわたり参戦を続けてきたウィリアムズに、ひとつの時代の終焉(しゅうえん)が訪れたことになる。

昨今の低迷をウィリアムズの失敗として片付けることもできる。しかし、自動車メーカーや大資本に頼らないインディペンデントチームの居場所がなくなったという、F1自体の問題に置き換えれば、ウィリアムズのような、戦っているひとの“顔”が見え、“熱量”が伝わってくるようなチームは二度と現れないかもしれない。これは、F1のいち時代の終焉をも意味している出来事である。

イタリアGP決勝日、2021年からルノー改め「アルピーヌ」としてF1に参戦することが発表された。先ごろ発表されたグループの再建計画で、ルノーF1の代表を務めるシリル・アビテブールがアルピーヌブランドのトップに抜てきされたばかり。来季はフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンが、フレンチブルーにトリコロールをあしらったマシンでGPを戦うことになる。ルノーの名前は、パワーユニットメーカーとして残る。イタリアGPでは予選でダニエル・リカルド(写真前)7位、エステバン・オコン(同後ろ)12位。レースではリカルド6位、オコン8位とダブル入賞。ルノーはコンストラクターズランキングで5位につけている。(Photo=Renault Sport)
イタリアGP決勝日、2021年からルノー改め「アルピーヌ」としてF1に参戦することが発表された。先ごろ発表されたグループの再建計画で、ルノーF1の代表を務めるシリル・アビテブールがアルピーヌブランドのトップに抜てきされたばかり。来季はフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンが、フレンチブルーにトリコロールをあしらったマシンでGPを戦うことになる。ルノーの名前は、パワーユニットメーカーとして残る。イタリアGPでは予選でダニエル・リカルド(写真前)7位、エステバン・オコン(同後ろ)12位。レースではリカルド6位、オコン8位とダブル入賞。ルノーはコンストラクターズランキングで5位につけている。(Photo=Renault Sport)拡大

ハミルトンが史上最速で今季6回目のポール

モンツァはF1の歴史そのものだ。1922年に完成、現存する欧州のサーキットでは最古参となるここは、選手権設立の1950年から、1980年を除いて毎年イタリアGPの舞台となっているのだ。そんな伝統のコースで、歴史に残るラップを決めたのがメルセデスのルイス・ハミルトンだった。

名うての超高速サーキットで、各車密集しながらトー(スリップストリーム)を奪い合う中、圧倒的なスピードを誇るメルセデスは単独でアタック。ハミルトンがたたき出した1分18秒887は、コースレコードであるのに加え、平均スピード264.362km/hはF1史上最速記録となった。このGPからパワーユニットの“予選モード”が使えなくなったものの、その影響をみじんも感じさせない、3戦連続となる今季6回目、通算では94回目、モンツァでは最多7度目のポールだった。

0.069秒差で2位だったのはバルテリ・ボッタス。6戦連続となるメルセデス最前列に次ぐ2列目には、トップから0.8秒離されたマクラーレンのカルロス・サインツJr.が3位、そしてレーシングポイントのセルジオ・ペレスが4位に並んだ。レッドブル勢は、マックス・フェルスタッペン5位、アレクサンダー・アルボン9位と苦戦。マクラーレンのランド・ノリス6位、ルノーのダニエル・リカルド7位、レーシングポイントのランス・ストロールは8位からレースに臨んだ。トップ10グリッドの最後は、アルファタウリのピエール・ガスリーだった。

なお、地元モンツァで最多19勝を記録しているフェラーリ勢は、前年の覇者シャルル・ルクレールがQ3進出ならず13位、セバスチャン・ベッテルはQ1落ちの17位と厳しい予選結果となった。

この週末からパワーユニットのICE(内燃機関)の“予選モード”が使えなくなったが、そんなことも何処(どこ)吹く風、メルセデス勢は圧倒的な速さで最前列グリッドを占拠。ルイス・ハミルトン(写真)は、平均スピードで史上最速となる264.362km/hという記録を打ち立てポールを奪取した。レースも前半までは快走に飛ばしていたが、セーフティーカー中にクローズされたピットに入ってしまい10秒のストップ/ゴーペナルティーを科されトップから脱落、結果7位。ハミルトンは、ピットクローズのサインを見落としていたことを認めていた。僚友バルテリ・ボッタスは2位からスタートで6位に後退するなど苦戦、結果5位でレースを終えている。(Photo=Mercedes)
この週末からパワーユニットのICE(内燃機関)の“予選モード”が使えなくなったが、そんなことも何処(どこ)吹く風、メルセデス勢は圧倒的な速さで最前列グリッドを占拠。ルイス・ハミルトン(写真)は、平均スピードで史上最速となる264.362km/hという記録を打ち立てポールを奪取した。レースも前半までは快走に飛ばしていたが、セーフティーカー中にクローズされたピットに入ってしまい10秒のストップ/ゴーペナルティーを科されトップから脱落、結果7位。ハミルトンは、ピットクローズのサインを見落としていたことを認めていた。僚友バルテリ・ボッタスは2位からスタートで6位に後退するなど苦戦、結果5位でレースを終えている。(Photo=Mercedes)拡大
モンツァでの週末、レッドブル勢はローダウンフォースのセッティングで折り合いがつかず苦戦を強いられた。マックス・フェルスタッペン(写真)は初日にスピン、クラッシュを演じるなどバタつき、予選でも5位がやっと。レースでも上位に顔を出せず、31周目にパワーユニットの異常でピットに入りリタイアした。アレクサンダー・アルボンは、予選9位からスタートでガスリーと接触し大きく後退、他車の邪魔をしたことで5秒のペナルティーを受け、結果15位完走。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
モンツァでの週末、レッドブル勢はローダウンフォースのセッティングで折り合いがつかず苦戦を強いられた。マックス・フェルスタッペン(写真)は初日にスピン、クラッシュを演じるなどバタつき、予選でも5位がやっと。レースでも上位に顔を出せず、31周目にパワーユニットの異常でピットに入りリタイアした。アレクサンダー・アルボンは、予選9位からスタートでガスリーと接触し大きく後退、他車の邪魔をしたことで5秒のペナルティーを受け、結果15位完走。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

セーフティーカーに赤旗中断 独走ハミルトンに10秒ペナルティー

70周年のF1、70回目のモンツァでのイタリアGPは、前半と後半とでまったく異なる様相を呈した。まず53周レースの前半は、ハミルトンがトップを快走するという、いってみればいつものパターンだった。

ハミルトンはスタートでトップを守るも、2番グリッドのボッタスは6位に後退。一方でサインツJr.が2位、そのチームメイトのノリスが3位に上がり、マクラーレン勢が表彰台圏内を走るという展開でレースは始まった。3周目、スタートで3つ順位を落としていたフェルスタッペンがストロールを抜き7位となるが、3位ノリスより後ろは1秒前後の間隔で各車が連なり、レッドブルもこの“列車”の一部として周回を重ねるしかなかった。

首位ハミルトンが2位サインツJr.に13秒ものマージンを築いていた20周目、このレースの行方を左右する出来事が起きた。ケビン・マグヌッセンのハースがピットエントリー手前の路肩にストップしたことでセーフティーカー導入。各陣営がタイヤ交換に動くも、ハミルトンと、アルファ・ロメオのアントニオ・ジョビナッツィは、ピットレーンがまだ閉まっているタイミングでピットに入ってしまったのだ。

1位ハミルトン、2位にタイヤ交換をしなかったストロール、3位ガスリー、4位ジョビナッツィ、5位キミ・ライコネン、6位ルクレールといった順位で24周目にレース再開。4位にジャンプアップしたルクレールが、最終コーナーでバランスを崩しクラッシュしたことで再びセーフティーカーとなるも、マシン撤去とタイヤウォール修復のために時間がかかると判断されたため、レースは赤旗中断となった。

中断直前の順位は、1位ハミルトン、2位ストロール、3位ガスリー、4位ライコネン、5位ジョビナッツィ、6位サインツJr.といつもとは違う上位の顔ぶれ。このうちハミルトンとジョビナッツィには、10秒のストップ/ゴーペナルティーが科されることが決まった。

1年前のイタリアGPではシャルル・ルクレールが優勝、跳ね馬駆る新たなスターの誕生にティフォシたちが狂喜乱舞したというのも昔日の思い出。すっかり弱体化したパワーユニットでは超高速コースで戦えず、フェラーリは地元GPでルクレール(写真)予選13位、セバスチャン・ベッテル(写真)17位。モンツァでフェラーリ2台がトップ10グリッドに入らなかったのは1984年以来のこととなる。ベッテルはブレーキトラブルで早々にリタイア。ルクレールは25周目に最終コーナー「パラボリカ」で大クラッシュを演じ、赤旗のきっかけをつくってしまった。(Photo=Ferrari)
1年前のイタリアGPではシャルル・ルクレールが優勝、跳ね馬駆る新たなスターの誕生にティフォシたちが狂喜乱舞したというのも昔日の思い出。すっかり弱体化したパワーユニットでは超高速コースで戦えず、フェラーリは地元GPでルクレール(写真)予選13位、セバスチャン・ベッテル(写真)17位。モンツァでフェラーリ2台がトップ10グリッドに入らなかったのは1984年以来のこととなる。ベッテルはブレーキトラブルで早々にリタイア。ルクレールは25周目に最終コーナー「パラボリカ」で大クラッシュを演じ、赤旗のきっかけをつくってしまった。(Photo=Ferrari)拡大
ウィリアムズは、イタリアGPを最後にチーム創設者フランク・ウィリアムズ代表と、実娘クレア・ウィリアムズ副代表(写真右)が退任することを発表。歴代3位の114勝、世界タイトル計16回という輝かしい戦績を残した名門ウィリアムズにとって大きな転換期となることは間違いない。レース前、18年間苦楽をともにしてきたクレアに、チームメンバーから寄せ書き入りのフロントノーズが贈られた。惜別のイタリアGPでは、ジョージ・ラッセルが予選19位から14位、ニコラス・ラティフィは20番グリッドから入賞まであと一歩の11位。2人のドライバーからも、ウィリアムズ・ファミリーへの感謝のメッセージが無線を通じて送られていた。(Photo=Williams)
ウィリアムズは、イタリアGPを最後にチーム創設者フランク・ウィリアムズ代表と、実娘クレア・ウィリアムズ副代表(写真右)が退任することを発表。歴代3位の114勝、世界タイトル計16回という輝かしい戦績を残した名門ウィリアムズにとって大きな転換期となることは間違いない。レース前、18年間苦楽をともにしてきたクレアに、チームメンバーから寄せ書き入りのフロントノーズが贈られた。惜別のイタリアGPでは、ジョージ・ラッセルが予選19位から14位、ニコラス・ラティフィは20番グリッドから入賞まであと一歩の11位。2人のドライバーからも、ウィリアムズ・ファミリーへの感謝のメッセージが無線を通じて送られていた。(Photo=Williams)拡大

ガスリー対サインツJr. 初優勝をかけた手に汗握る攻防戦

約25分の中断を終え、フォーメーションラップから通常のスタンディングスタートで28周目からレース再開。劇的フィナーレを迎えることになる、後半戦の始まりである。

ハミルトンに次いでガスリーが2位に躍進。中断中にタイヤ交換を済ませることができたストロールは6位に落ち、3位ライコネン、4位ジョビナッツィ、5位サインツJr.というオーダーとなった。ハミルトンは翌周ピットに入りペナルティーを受け、トップから30秒遅れの最後尾まで脱落。その後は猛追を仕掛けるも、さすがのメルセデスでも挽回するには差が大きすぎた。ハミルトンは最終的に7位でゴールすることとなる。

一方、もうひとつの強豪チームも苦しい戦いを強いられていた。14位と後方に埋もれていたフェルスタッペンはパワーユニットの異常に見舞われ、31周目にピットに入りリタイア。アルボンは、レース早々に接触、他車を締め出すドライビングで5秒ペナルティーを受けるなどし15位完走と、レッドブルは散々な結果でイタリアGPを終えることとなった。

値千金のトップに躍り出たガスリーは4秒のリードを築くことに成功。その後ろのライコネンにはスピードがなく、サインツJr.が2位に上がると、マクラーレンがアルファタウリを追撃することになる。残り10周、1位ガスリーと2位サインツJr.の差は2秒前半まで接近。残り5周になると1.1秒と見る見る差は縮まっていった。ガスリー対サインツJr.、初優勝をかけた手に汗握る攻防戦は、ガスリーが0.415秒という僅差で逃げ切ったのだった。

2017年のシーズン途中にトロロッソでF1デビューを飾ったガスリー。2018年の活躍が認められ、昨季はトップチームのレッドブルに昇格するも、成績不振でシーズン半ばにトロロッソに戻されたという苦い経験があった。それでも、昨年のブラジルGPでは2位に入り初の表彰台を獲得。そしてアルファタウリと名を変えたチームで、今年悲願の初優勝を遂げ、史上109人目のウィナーとなった。

「このチームは僕にさまざまなことをしてくれた。F1デビューの機会も、初の表彰台も、そして今日の初優勝も、このチームが与えてくれたんだ。感謝してもしきれないよ」とチームへの思いを語るガスリー。くしくもホンダとタッグを組んでからの50戦目、2008年にセバスチャン・ベッテルのドライブでチーム初優勝を飾った地元イタリアで、アルファタウリは再び奇跡を起こした。

惜しくも勝利を逃した2位サインツJr.、自身2度目のポディウムにのぼった3位ストロールとフレッシュな顔ぶれとなった表彰台。2014年から始まったターボハイブリッド規定化で、メルセデス、フェラーリ、レッドブルのいずれもトップ3に入れなかったのは、これが初めてである。

高速コース3連戦の最後は、初のF1開催となるムジェッロでのトスカーナGP。決勝は9月13日に行われる。

(文=bg) 

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