ランドローバー・ディフェンダー110 SE(後編)

2020.11.19 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 レーシングドライバー谷口信輝は、新型「ランドローバー・ディフェンダー」には普通のクルマとは違うさまざまな魅力があるという。プロも認めた、その特筆すべき長所とは?
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走りも見た目もプライスも

その大きなボディーサイズからは信じられないくらい軽快な走りを箱根のワインディングロードで見せたランドローバー・ディフェンダー。それまで「働くクルマ」の一種と捉えていた谷口の印象がどのように変化していったかについて、前編に続いて紹介していこう。
「このディフェンダーって、基本はクロカン4WDじゃないですか。最初に乗ったときの印象も、まるで船みたいな動き方で、正直、全然飛ばす気にはなりませんでした。なんか『まあ、ゆっくり走ってくださいよー』とクルマに諭されているような気分だったのです。でもね、誰だって、急いで走る状況もあるわけじゃないですか。そんなとき、アクセルペダルをぐんと踏めば“グォーッ”ていいながら加速していくし、タイヤだってオールシーズン仕様で全然グリップしなさそうに見えるけれど、だからといってコーナリングが全然ダメかといえばそんなことはなく、かなりのペースで走ってもしっかり踏ん張ってくれる。もちろん、どちらかといえばコーナリングは大味で、スポーツカーのようにシャープなわけじゃないんですが、これだけの性能があれば十分じゃないですか」

そんなディフェンダーの豹変(ひょうへん)ぶりに軽く驚きながらも、谷口はこのクルマの本質をしっかりと見抜いていた。
「でもね、そういう走りだけがこのクルマの魅力じゃないんです。このゴツゴツしたルックス。名前をつけるなら“岩石岩男”がぴったりですが、この重厚感がディフェンダーというクルマのキャラクターにとてもよくマッチしている。それに、このドアノブも、どちらかというと高いところに上るための“取っ手”と呼びたくなるくらいガッシリしている。キャビンに乗り込んでもそうですよね。いろんなところがゴツゴツしていて頑丈そうにつくられている。普通のクルマとは違う異質感がプンプンと漂っています」

しかし、ディフェンダーの魅力はそれだけではないと谷口は言う。
「それなのに、ちょっとペースを上げて走っても、クルマがしっかりとついてくる。おまけにエンジンが2リッターターボと聞いて、このクルマに対するポイントがさらに上がりました。で、『さぞかしお高いんでしょう?』と思って値段を聞いたら、このグレードで車両価格は732万円、オプションを付けても950万円ほどだっていうじゃないですか。もちろん、絶対的には安い金額ではありませんが、例えば『メルセデス・ベンツGクラス』と比べたらかなりお買い得ですよね」

 
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