ポルシェ・マカン4(前編)
2025.08.14 谷口信輝の新車試乗 フルモデルチェンジを機に脱エンジンを図り、電気自動車(EV)へと転身した「ポルシェ・マカン」。売れ筋モデルとして知られたSUVの新型は、どんな走りを見せるのか? レーシングドライバー谷口信輝がリポートする。ドカンとこない速さ
「これってハイブリッド? それともEV?」
「ポルシェ・マカン4」で箱根のワインディングロードを走り始めると、谷口信輝がすぐに尋ねてきた。
モーターのチカラだけで音もなく走りだしたからといって、必ずしもEVとは限らない。おまけに、親しみ深いマカンの名を受け継いでいるのだから、エンジンを持たない純粋なEVとはなおさら信じがたかったのだろう。考えてみれば、“e”や“i”といった文字を付け加えることなく、従来のモデル名をそのまま用いたEVは、この2代目マカンが初めてかもしれない。そんなことを考えながら私が「EVです」と答えると、谷口はただ「ほー」と答えたのみだった。
前後の車軸に計2基のモーターを搭載したマカン4は最高出力387PS、ローンチコントロールを使うと最大408PSを発生するハイパフォーマンスSUVで、0-100km/h加速は5.2秒でクリアする。ただし、「ドカーン!」と発進してEVらしさを強調する一部のモデルとは異なり、マカン4の加速はスムーズかつリニアリティーが高いタイプ。そのせいか、谷口は「特別速い感じはしませんね。モーターで走るクルマとしては、まあまあ標準的なレベルじゃありませんか?」と印象を語った。
やがて最初のコーナーが近づいてきたとき、谷口は「あれ、このクルマ、ステアリングの裏に何も付いていない」と口にした。「いま回生ブレーキの利きを強くしようとしてパドルを探したんですが、どうやらこのクルマには付いていないようですね」 そう語る谷口に、「回生ブレーキの強弱はセンターディスプレイの中で操作するのかもしれませんね」と返すと、彼は自分の考えをこんな風に述べたのである。
「いやいや、回生ブレーキって、コーナーの進入とか下り坂とかで使いたくなるいっぽうで、あまり強く利き過ぎるとわずらわしく思うこともあるじゃないですか。だから、手元ですぐに操作できたほうが便利だと思うんですよね」
なるほど、そう考えるドライバーであればパドルシフトで回生ブレーキをコントロールしたくなるのは当然かもしれない。
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