ベントレー・コンチネンタルGTCスピード(前編)

2025.07.17 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 W12エンジンに別れを告げ、高出力のプラグインハイブリッドシステムを開発したベントレー。その搭載モデルである新型「コンチネンタルGTCスピード」の走りを、谷口信輝はどう評価する?
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モンスター級のスペックだが……

「うわー、乗り味がまるで豪華客船。とろけるわー!」

新型のベントレー・コンチネンタルGTCスピードに乗り始めた谷口信輝が、最初に発した言葉がこれだった。

2024年、ベントレーは「コンチネンタルGT」とコンチネンタルGTCを同時にフルモデルチェンジ。数えて4代目となる新型は、いずれもポルシェが中心となって開発したアーキテクチャー「MSB」を用いているものの、サスペンションは従来の「3チャンバーエアスプリング+シングルバルブダンパー」から「2チャンバーエアスプリング+2バルブダンパー」に改められたほか、引き続き電子制御式4WD、電子制御式リミテッドスリップデフ、4輪操舵、トルクベクタリング、アクティブアンチロールバーなどのテクノロジーを満載。さらにハイパフォーマンスモデルのコンチネンタルGTCスピードであれば4リッターV8ツインターボエンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせ、システム最高出力は782PS、システム最大トルクは1000N・mを発生するというモンスターモデルに仕立てられている。

ちなみにエアスプリングが3チャンバーから2チャンバーに変わったと聞くとダウングレードのようにも思えるが、実際に可変できる空気量は新しい2チャンバー式のほうが大きいというので、新型はすべての面でアップグレードされたと言っても過言ではなかろう。
「まあ、ベントレーもロールス・ロイスも、あとはメルセデス・ベンツの『Sクラス』も、重量級のクルマが穏やかに走っている印象という面では基本的に共通していますよね。穏やかな海原に浮かんでいて、『まあ、小さいことは気にするな』って感じがします」

「豪華客船的な乗り味」について、谷口は説明を続けた。
「でもね、このベントレーについて言えば、例えばステアリングがダルというようなことはまったくない。タイヤが路面を捉えている感じはハッキリと伝わってくるし、ステアリングを切ればグイグイ曲がってくれるうえに、トラクションだって文句なしに素晴らしい。今日はかなり強い雨が降っていますが、そんななかでもトラクション不足はまるで感じません」

 
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