メルセデス・ベンツが新型「Eクラス」を発表 ラインナップの半数をPHEVに
2023.04.27 自動車ニュース![]() |
メルセデス・ベンツは2023年4月25日(現地時間)、Eセグメントモデルの新型「Eクラス」を発表した。
マイルドハイブリッド車の性能も向上
メルセデス・ベンツEクラスは、1936年登場の「W136」や1953年登場の「W120」などを起源とする、メルセデス・ベンツの基幹モデルである。「214シリーズ」と称される新型は、初めてEクラスを名乗った「W124」から数えて6代目のモデルにあたり、欧州では2023年夏に発売される。
現時点で発表されている欧州仕様のラインナップは、「E200」「E220d」「E220d 4MATIC」「E300e」「E300e 4MATIC」「E400e 4MATIC」の6種類で、全車がハイブリッド機構を備えた電動モデルとなる。このうち、E200は2リッター直4ターボのガソリン車、E220d/E220d 4MATICは同ディーゼル車で、いずれもISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)式のマイルドハイブリッド機構を搭載。新バッテリーの採用により、モーターの出力は15kW(約20PS)から17kW(約23PS)に向上しており、ブーストトルクは205N・mとなっている。
一方、E300eとE300e 4MATIC、E400e 4MATICは、いずれも容量25.4kWhの駆動用バッテリーを搭載したプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。E300eとE300e 4MATICは最高出力150kW(204PS)のエンジンに同95kW(129PS)のモーターを組み合わせており、システム全体では230kW(約313PS)の最高出力を発生。一方、E400e 4MATICにはよりパワフルな最高出力180kW(252PS)のエンジンが搭載されており、システム全体では280kW(381PS)の最高出力を発生する。フル充電状態からの電動走行距離は、E300eが97~115km、E300e 4MATICとE400e 4MATICが95~109kmと公称されている(WLTPモード)。
足まわりの仕様もパワートレインによって異なり、マイルドハイブリッド車には減衰力調整機構付きのサスペンションを標準装備。また各モデルにオプションで、減衰力調整機構付きのエアサスペンションや最大4.5°の後輪操舵角を持つリアアクスルステアを設定。リアアクスルステアを装備すると、最大で90mm最小回転半径が小さくなるという。
インフォテインメントシステムの進化にも注目
ボディーサイズは全長×全幅×全高=4949×1880×1468mm、ホイールベース=2961mmと、現行型よりわずかに拡大している。これに伴い車内空間も広がっており、前席のヘッドルームは5mm、後席の二―ルームは10mm、同最大レッグルームは17mm拡大。後席の室内幅(エルボー部)は25mm広い1519mmと、「Sクラス」とほぼ同等の寸法を実現した。一方、荷室容量は540リッターとアナウンスされている。
また、インテリアでは大幅にデジタル化が進んだ点も新型Eクラスの特徴で、例えばダッシュボードには、オプションで助手席用ディスプレイを設定。移動の最中にも助手席の乗員はテレビ番組や動画コンテンツの視聴が可能となった。加えて、ディスプレイとインフォテインメントシステムの制御をひとつのプロセッサーにまとめるなどして、システムの高性能化も図っている。
さらにインフォテインメントシステムには、サードパーティー製のアプリをインストール可能にする、新しい互換性レイヤーを採用。発売時点で利用可能な「TikTok」「Angry Birds」「Webex」「Zoom」などのアプリや、ブラウザーの「Vivaldi」に加え、さまざまなアプリをひとつのユーザーインターフェイスで利用可能となった。
操作インターフェイスのMBUXも進化しており、「Hey Mercedes」というキーワードを発さなくても音声操作の利用が可能に。また乗員が空調などの快適システムをどう使っているかを学習し、乗員ごとに好適な車内環境を自動で提供する新機能「ルーティン」も用意されるという。
このほかにも、インテリアでは各所に再生素材や再生可能素材を積極的に採用。標準仕様のシートに未染色のアルパカウールとリサイクル原料を組み合わせた生地を用いるなどして、環境負荷の低減を図っている。
(webCG)