V12エンジンと6段MTで操る喜びを追求 アストンマーティンが限定車「ヴァラー」を発表
2023.07.12 自動車ニュース![]() |
英アストンマーティンは2023年7月11日(現地時間)、自社の創立110周年を記念したスペシャルモデル「Valour(ヴァラー)」を発表した。
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歴代のFRスポーツカーを思わせる意匠にも注目
アストンマーティン・ヴァラーは、5.2リッターV12ツインターボエンジンと6段マニュアルトランスミッションを組み合わせたFR(フロントエンジン・リアドライブ)のスポーツモデルであり、アストンマーティンは「内燃エンジン時代の最後を飾る」モデルとしている。生産台数は、アストンマーティンの創立110周年に合わせて110台とされている。
エクステリアデザインは、1977年に登場した「V8ヴァンテージ」、および同車をベースとしたルマン24時間レースのレースカー「RHAM/1」通称“Muncher(マンチャー)”にインスピレーションを得たものとされており、同時にアストンマーティンでは、歴代のFRスーパースポーツを例にとり、「『ヴァンテージV600』もほうふつとさせる」「『One-77』のコンセプトを受け継いでいる」とも説明している。
エンジンは既述のとおり5.2リッターV12ツインターボで、最高出力715PS、最大トルク753N・mを発生。専用のキャリブレーションを施したことで、6段MTのあらゆるギアと回転域で圧倒的なパワーを発揮するとされる。一方ドライブトレインには、トラクションコントロールやスタビリティーコントロールと協調して作動する、機械式リミテッドスリップディファレンシャルを装備。アナログ的なドライビングの楽しさを追求しているという。ドライブモードは「Sport」「Sport+」「Track」の3種類で、スロットルレスポンスやトルク特性、エンジンサウンドなどが変化する。
一方、足まわりには同車専用設計のアダプティブダンパーやスプリング、アンチロールバーを装備。ロードカーであることを第一にして開発した結果、スポーティーで引き締まったバランスを追求しつつ、路上における優れた快適性も実現しているという。
制動性能も高められており、フロントには410×38mmのカーボンセラミックブレーキ(CCB)ローターと6ピストンキャリパーを、リアには360×32mmのディスクローターと4ピストンキャリパーを採用。このブレーキシステムは最大800℃の高温でもフェードしないよう設計されているほか、通常のスチール製ブレーキより23kgのバネ下重量低減を実現しているとされる。タイヤサイズは前:275/35R21、後ろ:325/30R21で、ミシュランのスポーツタイヤ「パイロットスポーツS 5」が装着される。
一方、2人乗りのインテリアの仕立てもユニークで、センターコンソールにはメカニカルな機能を強調するため、シフトメカニズムを露出させたスケルトンタイプのシフトセレクターを採用。ノブの素材は機械加工されたアルミニウム、チタニウム、カーボンファイバー、ウオールナットから選択可能となっている。
ヴァラーの生産は、2023年第3四半期よりアストンマーティンのゲイドン本社で行われる予定で、デリバリーは2023年第4四半期に開始されるという。
(webCG)
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