BASF、自動車用の高機能プラスチックを発表
2010.11.08 自動車ニュース金属に代わるプラスチック? BASFが自動車用の高機能樹脂を発表
BASFジャパンは2010年11月8日、都内で説明会を開き、自動車部品用の高機能プラスチックを開発したと発表した。
■プラスチックで省エネを
原油価格の上昇やCO2排出量の増加により、自動車の燃費性能に対する要求が高まるなか、ドイツの総合化学メーカー BASFが、その対応策として新たなプラスチックを開発。同社の日本法人 BASFジャパンが、都内で説明会を開催した。
「プラスチックで燃費がよくなる」と言ってもピンとこないかもしれないが、つまりは、自動車の構成部品として使われている金属を「金属に劣らぬ強度と耐熱性をもつ樹脂」に代えることで、車体を軽量化。移動に要するエネルギーを小さくして燃料の消費量を抑えよう、というセオリーである。
今回同社が開発した新しいプラスチックは、「ガラス繊維強化ポリアミド」と呼ばれる物質で、用途によって4種類の製品が用意される。
強度に優れ、シートの補強材などに用いられるもの(ウルトラミッド・ストラクチャー)もあれば、成型前の流動性が高く、電子回路のプレートなど、精度が要求されるパーツの成型に適したもの(ウルトラミッド・ハイスピード)もある。
リサイクルできる「ウルトラミッド S バランス」は、塩化カルシウムや加水分解に対しての耐性に優れ、除雪剤から車体を守るアンダーパネル、冷却水のタンクや配管、オイルパンに使用可能。
一方、220度の高熱に長時間耐えられる「ウルトラミッド・エンデュアー」は、エンジンの補器類、すなわち吸気パイプや、スロットルバルブ、インタークーラーのキャップなどに使える。この樹脂化により、エンジンの総重量は約4kg軽くなるという。
こうした特性をもつ「高機能プラスチック」はこれまでも存在したものの、金属パーツに比べて大変高価なのが欠点。BASFでは、高度な成型シミュレーションや大量生産により、他社従来品の10分の1程度にまで価格を抑制。元の金属パーツに比べて高いか安いかはモノによりけりとのことだが、価格競争力のある高機能パーツとして、今後、日本を含む世界の自動車メーカーに採用を促していくという。
(webCG 関)
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