トヨタ、スマートグリッド事業に着手
2010.10.05 自動車ニューストヨタ、スマートグリッド事業をスタート
トヨタ自動車は2010年10月5日、独自のスマートグリッドシステム「トヨタ スマートセンター」を開発したと発表した。
■電力需要のピークをなくせ!
自動車メーカーであるトヨタが、電力供給を最適化するための“電力網”スマートグリッドを手がけることになった。
これまでトヨタは、「プリウス」などのハイブリッド車を開発、2012年には、家庭用のコンセントからも電力を補給できるプラグインハイブリッド車(PHV)を数万台規模で販売するとアナウンスしている。
しかし、実際にPHVやEVが普及すると、クルマの電力消費量が社会全体の30%を占め、しかも、特定の時間帯(8時ごろと18時ごろ)にクルマの“充電ラッシュ”が発生。社会のエネルギー需要に偏りが生ずることが予想される。そこで、需要側と供給側、双方から家庭の電力消費を平準化し、社会的なコストを減らしたいというのが、今回の「トヨタ スマートセンター」構想の出発点である。
■ヒト・クルマ・家をひとつながりに
このスマートグリッドの鍵を握るのは、PHVと、太陽光発電パネルや家庭用蓄電池を備えるエコ住宅「スマートハウス」、そしてトヨタ独自の情報サービス網「G-BOOK」だ。
まずはPHVとスマートハウスがあり、それらのバッテリー残量や電力消費量、さらに、気象予測データや電力会社の時間帯別料金情報など、電力に関するあらゆる情報が総合的に判断され、ユーザーの費用負担を最小化するように、電力消費が調節される。
トヨタが算出したところでは、PHVとスマートハウスが社会全体に普及した場合、いままでのクルマと家の組み合わせに比べ、CO2排出量は75%削減されるという。
同社はすでに、2年にわたり青森県の六ヶ所村で実証実験を行っており、今後もさらに他メーカーや政府、自治体と連携して開発を進めていくとのこと。このスマートセンターが現実に稼動するのは2012年。PHVの発売と同時に、社会に普及していくことになる。
(webCG 関)
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