メルセデス・ベンツCLA220シューティングブレーク(FF/8AT)

新時代の幕開け 2026.09.21 試乗記 佐野 弘宗 メルセデス・ベンツの「CLA」がフルモデルチェンジ。シャシーやパワーユニット、さらにインフォテインメントシステムなど、すべての要素を刷新したとされる、メルセデスの次世代を切り開くモデルだ。1.5リッターハイブリッドの「シューティングブレーク」を試す。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

BEV専用からの方針転換

ご承知のように、新しいCLAには電気自動車(BEV)とハイブリッド車(HEV)が用意される。これまでのCLAは、ダイムラークライスラー(と三菱)時代にまでさかのぼる「GSプラットフォーム」の発展型を土台としていたが、今回は全身が完全新開発という。

ところで、メルセデスは2021年7月に「(市場が許せば)2030年までに全車BEV化する」と明言していたものの、2024年2月にその方針を撤回した。ちなみに、新型CLAのワールドプレミアは昨2025年3月。こうした時系列から見ると、このクルマの企画開発がスタートしたのは、ちょうどメルセデスが全車BEV化にまい進していた時期と推察される。

まして、CLAは「GLA」「GLB」「Aクラス」「Bクラス」などと基本骨格を共有してきたコンパクトなエントリーメルセデスだ。一般論としては、コンパクトモデルこそBEV化には適している。当時のメルセデスの勢いから考えても、新型CLAというか、その基礎となる「MMA」プラットフォームはBEV専用であるほうが、筋としては納得しやすい。しかも、新型CLAの超ショートノーズのプロポーションは、見るからにBEVっぽい。

……なんてことを思っていたら、webCGでもおなじみの渡辺慎太郎さんが、雑誌の『CAR GRAPHIC』の2026年10月号で、新型CLAの背景についての記事を書かれていた。それによると、案の定、新型CLAは当初BEV専用としてスタートしたが、開発の最終盤になって、BEVだけではビジネス的に厳しいと「HEVも用意する」という軌道修正が入ったとか。この時点でパッケージレイアウトやスタイリングを変更できるフェーズはとうにすぎていたのだろう。メルセデスは開発を巻き戻すのではなく、そのままのデザインで搭載できるパワーユニットを新開発することにしたというのだ! 通常のクルマ開発とは、順序が逆である。

新型「メルセデス・ベンツCLA」は3代目。前の2世代と同様に4ドアクーペとワゴンの「シューティングブレーク」(今回の試乗車)がラインナップされる。
新型「メルセデス・ベンツCLA」は3代目。前の2世代と同様に4ドアクーペとワゴンの「シューティングブレーク」(今回の試乗車)がラインナップされる。拡大
全長×全幅=4730×1835mmというフットプリントはクーペとまったく同じ。1470mmの全高も同寸ながら、この試乗車はオプションの「AMGラインパッケージ」装着のため1455mmに低められている。
全長×全幅=4730×1835mmというフットプリントはクーペとまったく同じ。1470mmの全高も同寸ながら、この試乗車はオプションの「AMGラインパッケージ」装着のため1455mmに低められている。拡大
左右がひとつながりのヘッドランプはどこかファニーではあるものの、低く構えた姿はなかなか立派だ。スポーティーな形状のバンパーは「AMGラインパッケージ」に由来。
左右がひとつながりのヘッドランプはどこかファニーではあるものの、低く構えた姿はなかなか立派だ。スポーティーな形状のバンパーは「AMGラインパッケージ」に由来。拡大
タイヤ&ホイールは標準が18インチで「AMGラインパッケージ」装着車は19インチだ。
タイヤ&ホイールは標準が18インチで「AMGラインパッケージ」装着車は19インチだ。拡大