GTをもっと意のままに
フェラーリ初の4ドア4シーター、プロサングエが発表されたのは2022年9月のことだ。従来の跳ね馬とは明らかに異なるスタイルでありながら、あっという間に人気が出た。同年11月には、約2年待ちの受注残を背景に新規注文の受付を一時止めたとさえ報じられている(その後、再開した)。車種別の生産台数や納車台数をフェラーリは開示していないが、2023年にデリバリーが始まり、2024年の出荷台数増をけん引したモデルのひとつにマラネッロはプロサングエの名を挙げている。
単に背の高いフェラーリを望む需要があった、というだけではなさそうだ。マラネッロはプロサングエを、快適性や室内空間、長距離移動も重視する「スポーツカードライバー」に向けたモデルと位置づけている。V12の魅力とスポーツカーらしい操縦性、乗り心地のよさを評価する声が目立つ一方、荷室やタッチ式操作系まで含めた実用性では既存の大型SUV並みではない、とする見方もあった。裏を返せばプロサングエは、実用車にフェラーリのバッジを付けたクルマではなく、フェラーリの走りを日常と長距離へ広げたGTとして正しく受け入れられてきたといっていい。
そのプロサングエにハンドリング スペチアーレ(以下、HS)というモデルが新たに加わった。狙いは、GTとしての快適性や用途の広さを保ったまま、ドライバーが受け取るシャシーの情報をもう少し研ぎ澄ますことにあった。もう少しスポーティーに走らせたいという顧客からの要望も相次いだという。そのことを試すために、イタリアのバロッコにあるステランティスのテストコースへと向かった。
2026年4月に発表された「プロサングエ」の「ハンドリング スペチアーレ仕様(以下、HS)」。フェラーリは「スポーツ性能にさらに重点を置いたセットアップを求めるユーザーに向けた一台」と、そのコンセプトを説明する。
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車内の様子は素の「プロサングエ」と変わらない。「日常ユースのあらゆる状況でユーザーのニーズに応える」というプロサングエ本来の長所を維持している点も、重要なセリングポイントとされている。
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カーボン製のフェンダーシールド(写真中央)やダイヤモンドカット仕上げのホイール(同右)は、数少ないHSの専用装備だ。
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ブラックの跳ね馬エンブレム(リア)やマットブラックのテールパイプも、ノーマルの「プロサングエ」にはない「HS」専用のアイテムである。
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