“PNDだがPND以上”の、新型「カロッツェリア・エアーナビ」
2009.05.18 自動車ニュース“PNDだがPND以上”の、新型「カロッツェリア・エアーナビ」
“通信するPND”として独自の道を歩む「カロッツェリア・エアーナビ」が新型に生まれ変わった。AVIC-T20と称する2009年モデルは、基本的にこれまでのT10をベースに細部をブラッシュアップし、使い勝手の向上に力点を置いたものだ。他社製品にはない独自性と変更点は以下のとおり。価格はオープン、2009年6月下旬から発売の予定だ。
■他のPNDとちがうところ
まずエアーナビの特徴を見直してみよう。2002年発表の第1世代とは方向を異にし、PNDとして新たにリリースされた第2世代エアーナビは、4GBのフラッシュメモリーに地図情報や検索データを格納、5.8型ディスプレイを一体化したハンディなナビとして、2008年5月に登場した。
メーカーではエアーナビを「PND」に属すると言っているが、持てる能力はとてもPNDの範ちゅうにとどまらない。エアーナビが明らかに「PND以上」なのは、まず、液晶がワンランク上の詳細表示が可能なVGAタイプを採用していること。さらに位置精度の高さに対するこだわりだ。内蔵されたジャイロセンサーで、単独使用でもそこそこの精度が約束されるが、加えて高性能を望む人のために別売の電源ケーブル(4200円・税込み)を用意している。これを用いれば、車速パルスも取り込むことができ、通常のナビに負けない位置精度を確保できるとしたあたりも、精度にこだわるパイオニアらしいところだ。
PNDは取り付けのしやすさも人気を得てきた理由のひとつ。従来型のエアーナビT10も取り付けスタンドから簡単に着脱できたが、そのスタンドとボディのコンタクトは、旧来の粘着タイプなのが泣き所ではあった。一度付けたら別のクルマへの付け替えはおろか、きれいにはがすことさえ難しかったからだ。T20ではそこを改善。ダッシュへの装着面に吸盤を採用したことで、スタンドごとクルマからクルマへの付け替えが、容易に可能になった。
■渋滞回避もラクラク
しかしなによりエアーナビを特徴づけるものは、通信機能である。パイオニアのナビで「通信」といえば、先進的なスマートループだが、それを利用することができるのだ。
誰にとっても一番役立つのが渋滞情報だろう。実はPNDで渋滞情報を得られる機種はごくわずかしかなく、しかも情報源はVICS情報だけ。しかしスマートループを使えば情報源が広がるため、VICSの約4.5倍の情報が得られるのだ。具体的には、VICSがカバーする道路延長は全国で約7万km。スマートループではそれが約33万kmに拡大されるので、VICSでは混んでいるのか空いているのかわからない道路でも、混雑度がわかるというわけだ。
■駐車場探しもラクラク
通信で取り込む情報は渋滞だけでなく、駐車場の位置、さらには満空情報も得ることができる。たとえば駐車場のアテのない目的地に行こうとした場合。ルート探索しておけば、所要時間を考慮して、到着約5分前に目的地付近で空いている駐車場を自動検索するという便利な使い方ができる。また、今いる位置に近いガソリンスタンドの中で一番安い価格のスタンドを探すことも可能。もちろんすべての駐車場やガソリンスタンドが対象になっているわけではないが、なにも情報がないよりは、はるかに役に立つリアルタイム情報である。
■情報の呼び出しもラクラク
こうした情報は瞬時に表示できなければ「使える」とはいえないが、操作性の点で改善されたのがウィジェット機能。これは見たい情報の項目を3つまで、画面上にプリセットしておくもの。絶えず通信することによって、該当する施設が瞬時に一覧表示できるのだ。
たとえば「グルメをクチコミ評価の高い順に」と指定しておけば、画面ボタンに件数が表示、それを押すと自車位置から近い順に表示してくれるというわけだ。
これらが実際にどれだけ「使える」機能なのかは、7月1日から『webCG』で公開予定の『カーナビとPNDの達人』にて詳しくご紹介できるだろう。お楽しみに。
(文=『カーナビとPNDの達人』編集長 尾沢英彦)
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