第17戦中国GP「7点差で最終決戦へ」【F1 08 続報】
2008.10.20 自動車ニュース【F1 08 続報】第17戦中国GP「7点差で最終決戦へ」
2008年10月19日に上海インターナショナル・サーキットで行われたF1第17戦中国GP。チャンピオン決定がかかった1戦、ポイントリーダーのルイス・ハミルトンが独走で5勝目をあげ、ランキング2位のフェリッペ・マッサがチームプレイで2位に入ったことで、雌雄は最終戦ブラジルGPで決することとなった。
■ハミルトンの完璧な週末
レーシングドライバーとしての本能が、ワールドチャンピオンシップを勝ち抜くための理性に勝り、日本GPで大きなミスをしでかしたハミルトン。彼に対する非難はメディア、そしてドライバー仲間からもあがり、若きポイントリーダーへの風当たりは強くなっていた。
マッサに5点差までつめよられたハミルトンは、ここ中国で、最速のマシンで完璧なレースをこなし、疑問を投げかけるものたちを黙らせた。
その完璧さは、ひとつを除く全セッションでトップタイムをマークしたことからもわかる。最速タイムを逃した土曜フリー走行でさえ、1位ニック・ハイドフェルドが軽いマシンでアタックしたのに対し、ルイスはQ3向けに重めのセッティング調整をしていたに過ぎない。
今年7回目のポールポジションから飛び出したハミルトンは、予選2位のライコネン、3位マッサをおさえトップに立つと、後続を突き放しにかかり、10周で2位ライコネンとの間に4秒、3位マッサには8秒ものギャップを築いた。
タイトル獲得には、何としてもハミルトンの前でゴールしなければならないマッサだったが、ハミルトンはおろかチームメイトのライコネンにも勝負が挑めない。
トップ3台はレース終盤までそのオーダーのまま周回を重ねたが、残り7周という時点で2位ライコネンが3位マッサと順位を“交換”。チームオーダーはご法度であるが、これがチャンピオンシップを考えてであることは誰の目にも明らかだ。
勝利を確信したハミルトンは、最終決戦に向けてエンジンをセーブしクルージング。ポール・トゥ・ウィンに加え、今年初のファステストラップを記録し、チェッカードフラッグをくぐりぬけた。
なお、かろうじてチャンピオンの可能性があったBMWザウバーのロバート・クビサは、6位で終わったことでこの争いから脱落。栄冠への切符は、ハミルトンとマッサのいずれかにわたることとなった。
■7点の差
ファイナルラウンド、ブラジルGPを前に、ハミルトンとマッサのポイント差は7点である。
ここで昨2007年の最終戦を振り返ってみたい。タイトルは、
1位ハミルトン 107点
2位アロンソ 103点(+4点)
3位ライコネン 100点(+7点)
の3人で争われ、結果、ライコネンがレースを制しワールドチャンピオンとなった。7点は、逆転可能なギャップである。
しかし、昨年とは大きく状況が異なる。まずはハミルトンの宿敵だった最大のライバル、アロンソがチーム内にいないこと。ハミルトンはマクラーレンのリソースをすべてつかい、タイトル獲得に集中できるのだ。そして今年のマクラーレンが好調さをキープしており、フェラーリに対しアドバンテージを示している点も大きい。
いっぽうのマッサは、母国の声援を受けてモチベーションは最高潮に達するはず。同時にプレッシャーもとてつもなく大きいだろう。
ブラジルでマッサが優勝しようが何位になろうが、ハミルトンは5位以上でフィニッシュすれば初タイトルを手中に収めることができる。
コンストラクターズ選手権では、フェラーリが首位をキープ。2位マクラーレンとの間には11点のクッションがある。
マクラーレンのボス、ロン・デニスは、ハミルトンのタイトルが決まれば、ブラジルでフェラーリが1-2をとってもかまわないと発言している。
すべては11月2日のブラジルGPで決まる。
(文=bg)
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