「BMW M3」にツインクラッチ式トランスミッション搭載
2008.06.17 自動車ニュース「BMW M3」にツインクラッチ式トランスミッション搭載
BMWジャパンは、「M3」のクーペとセダンに、それぞれ新開発トランスミッション「M DCT ドライブロジック」を採用し、2008年6月16日に販売を開始した。
■SMGの進化版、ツインクラッチ式
「BMW M3」には、これまでもマニュアルトランスミッションをベースとするセミオートマチック・トランスミッション「SMG」が設定されていた(E36型〜E46型のM3に採用)。ただし、従来のSMGがシングルクラッチ式であったのと比較して、新設計の「M DCT ドライブロジック」はツインクラッチ式を採用。この点が、従来のトランスミッションと大きく異なる。
ツインクラッチ化による最大のメリットは、ギアのつながりが早くなり絶対的な加速性能がよくなることと、運転にダイレクト感が増し気持ちの良いギアチェンジを実現できることだろう。
もうひとつ、SMGより進化した点は、ギアの数が6段から7段に増えたこと。従来モデルのM3は6気筒エンジンで出力は343ps。これに対し、V8搭載のE92型M3は420psを発生。大幅にアップしたパワー&トルクを効率よく後輪に伝えられるトランスミッションに進化したのだ。
M DCT ドライブロジックの基本的な仕組みは、アウディ/フォルクスワーゲン系のDSGと同じ(BMWのは縦置きエンジン用だが)で、1、3、5、7速を受け持つクラッチと、2、4、6速用のクラッチを瞬時に切り替え、パワーの途切れない加速&減速を実現する。
一般的にツインクラッチ式の2ペダルMTは、マニュアルトランスミッションと同等かそれより早いギアチェンジが可能になり、トルクコンバーターを使った変速システムと比べて、燃費性能に優れるのも特徴である。つまり環境性能の観点からみても時代にあっているといえる。
ギアチェンジの操作は、ステアリングホイール上のパドルと、センターコンソール上のシフトレバーの両方で行える。自動変速モード付きなので、イージードライブも可能。オートマチック限定免許でも運転できる。
M DCT ドライブロジック搭載モデルの価格は、M3セダンが1020万円、M3クーペは1050万円。MT仕様と比べると、47万円高の設定となる。なお、6段MT仕様もこれまでどおり販売される。
(webCG 曽宮)
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