第18回:『ハーレーダビッドソンなら逃げられる!?』
2007.09.01 広告のススメ第18回:『ハーレーダビッドソンなら逃げられる!?』
“できちゃった結婚”から逃れる方法
広告代理店で数々の有名広告を手がけた金子秀之が、世界各国のおもしろ広告を紹介。今回は、アメリカンバイクの代名詞、ハーレーダビッドソンの広告。ふと出会った女性と、一夜の恋いに落ちたらできちゃった!? ショットガンを持ち出し、娘との結婚を迫る父親! さて、あなたなら潔く結婚する? それとも……。
キャッチコピーを読んでいただきたい。
「娘を持つ農場主は、ショットガンを持っている。なぜ?」
なにやら恐ろしげなコピーだが、どういう意味なのだろう?
アメリカの友人によると、巡回セールスマンなどが田舎を訪れた場合、国土が広いのでモーテルすらない地域もある。そんなときは、行く先々の農家に泊めてもらうそうだ。おじゃました家に可愛い娘さんがいると、時にはセールスマンとの間に恋が芽生え、たまたま(?)妊娠してしまった、なんてこともある。すると父親はショットガンを持ち出し、娘との結婚をオトコに迫る、ということだそうだ。開拓時代のような、前時代的な話に思えるが、辞書にも「Shotgun- marriage」というコトバが載っており、“できちゃった結婚”の意味とある。
さて、普通こういったセールスマンは、クルマに乗って移動するはずである。しかしこの家の前に停めてあるのは、カッコイイ「ハーレーダビッドソン」。乗っている男もハーレーが似合う、マッチョでカッコイイ男なのだろう、と見る人に想像させる。それではますます、娘のいる家主はショットガンを手放すことができないワケだが……。そしてコピーの最後には、「イザという時、さっさと逃げ失せるだけのトルクはしっかりあります」と、しっかりオチもつけられているのだ。
カッコ良さもさることながら、性能も重要なオートバイという商品。機能をストレートに述べ立てるのではなく、ひねりのある面白い話しに仕立ててある。なんとも“粋”な広告だ。
Harley-Davidson “Shotgun”/USA
クリエイティブディレクター:Jim Nelson
コピーライター:Jim Nelson
アートディレクター:Paul Asao
フォトグラファー:Chris Wimpey
エージェンシー:Carmichael Lynch/Minneapolis
(2001年カンヌ国際広告祭 銅賞)
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金子 秀之
早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。
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