フォード・フォーカス 2.0(4AT)【試乗速報】
痛し痒し 2005.09.08 試乗記 フォード・フォーカス 2.0(4AT) ……270万円 欧州でベストセラー、世界で75以上の賞を受け、6年で約400万台を販売した、Cセグメントハッチ「フォード・フォーカス」の2代目に乗った。ベストセラーの2代目
フォード・フォーカスは、欧州ではゴルフ並みにメジャーなコンパクトハッチのひとつ。1998年に初代がデビューして以来、6年で約400万台を売った、フォードいわく「ベストカー」で、99年には欧州カー・オブ・ザ・イヤー、00年には北米でも同賞を受けた。日本では“ゴルフ並み”にピンとくるほどではなく、際だつ華やかさもないけれど、先代は特に、足腰のしっかり感に瞠目するようなクルマである。自動車メーカーが新車開発にあたり、「フォーカスをベンチマークに」したという話を、しばしば聞いた。足腰がイイ、つまり、ボディやらサスペンションなどが「ちゃんとつくられたクルマ」ということだ。
ベストセラーの後継は、「新しいベンチマーク」「すべてにおいて、ひとクラス上の価値を与えた」という。開発コンセプトは「DCD-Q」。「Dependable(信頼できる)」「Contemporary(現代的な)」「Driving−Quality(ドライビング・クオリティ)」である。
「短い時間で、クルマのすべてを説明するのは困難ですから……」と前置きして、プロジェクト・マネージャーのイアン・ティグマン氏が熱心に解説したのは、足まわりだった。ボディとサスペンションの剛性アップ、「フォーカスRS」用に開発されたブッシュを奢るなどして、「安定した信頼のおける足腰と、快適な乗り心地を追求した」と語る。フロントが50mm、リアは55mm拡大されたトレッドや、それを受けて1840mmと幅広になったボディサイズも、そのため。ちなみに、ユーロNCAPで5★の安全性もジマンだ。
大盛り作戦か?
広く大きく頑丈にする、「“大盛り作戦”ですか……」なんて思いつつ、駐車場に並んだ試乗車に乗り込もうとしたら、隣のフォーカスとのクリアランスが狭く、ドアを開けるのに気を遣う。幅については、“てんこ盛り”に近いかもしれない。見切りは悪くなく、走らせるのにことさら緊張するワケでもないが、たとえば、レーンの真ん中にクルマを走らせ、左側のドアミラーを見ると、道路きわの近さにちょっと驚く。
ただ、ワインディングロードに入ると、安心きわまりない足腰の持ち主であることに感心した。ステアリングホイールを切ったぶんだけ曲がり、しかも全然コワくない。2リッター+4ATだけに、動力性能に目立つトコロはないけれど、下り坂はかなり速い! 調子に乗って「……あ、アンダー(ステア)でちゃったかも」と冷や汗かいても、アクセルオフで曲がり、4チャンネルESPが介入するのは本当にアブないときだけ。ドライバーの“いたずら心”も満足させてくれる。電子油圧式パワーステアリングは適度に軽く、フィールも上々。しっかり感がある一方、先代よりしなやかで、乗り心地は格があがった。
でも、大盛りである。乗ってみれば、車幅についてそれほど気にならなかったし、室内が左右に広くなったのも歓迎。とはいえ「気になるヒトも、多かろう」というのが、正直な感想だった。「乗るとイイんだけどなぁ」とも思いながら。
そういえば、装備品もかなり奢られた。2リッターは、運転席6ウェイパワーシートや6連奏CDチェンジャー+8スピーカー、オートランプ&ワイパーなど、快適装備に事欠くことはない。リアハッチゲートに電子スイッチが装着され、インパネのスイッチをいちいち押さずとも、荷室にアクセスできるようになったのも気が利いている。けど、「価格が270万円かぁ」と考えると、また、“大盛り”がアタマをよぎる。
痛し痒しとは、こういうことを言うんでしょうか……。
(文=webCGオオサワ/写真=荒川正幸、高橋信宏(T)/2005年9月)

大澤 俊博
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