トヨタ・モータースポーツ、05年はF1、インディ、スーパーGTで“挽回”
2005.02.28 自動車ニューストヨタ・モータースポーツ、05年はF1、インディ、スーパーGTで“挽回”
トヨタ自動車は、2005年のモータースポーツ活動計画を2月25日に発表した。優勝経験ドライバーを揃えたF1に加え、ロードコースを新たに取り入れたIRLインディカーシリーズ、そして名をスーパーGTと改めたGT選手権を柱に、国内外の幅広いカテゴリーに参戦する。
■まずは得点、初表彰台を――F1
トヨタF1チームを率いるトヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)の冨田務会長兼チーム代表を含め、トヨタ首脳は2004年の「パナソニック・トヨタ・レーシング」の戦績に満足していない。
コンスタントなポイント獲得、初表彰台という目標を達成することなく、コンストラクターズ選手権を10チーム中8位(9点)で終えた彼らは、2005年、シャシー部門のテクニカルディレクター、マイク・ガスコインを中心に開発した新型「TF105」を投入。GP通算6勝のラルフ・シューマッハー、そして昨年のモナコで初優勝を飾ったヤルノ・トゥルーリという優勝経験ドライバーを乗せ、待望の初ポディウムとポイントスコアを狙う。
レギュレーション変更により、今年からエンジンとタイヤのロングライフ化(エンジンは1基で2GPウィークをフルに戦える寿命、タイヤは予選・決勝で1セットのみ)、ダウンフォース削減を狙った前後ウィング、ディフュ―ザーの変更などが義務付けられる。冨田会長兼チーム代表は、「(変更がマシンに与える)影響は出ているが、イコールコンディションだからいたしかたない」とした上で、ニューマシンを「力作」と称し、特に大幅に減った空力面を回復、向上させたと語った。
発表記者会見には、ドライバーを代表してラルフ・シューマッハーが出席した。
名門ウィリアムズ・チームで6回の勝利を手に入れたGP歴9年となる“ベテラン”は、テストを経てマシンは進歩しているとしながらも、「一朝一夕で勝てないのはわかっている」と、優勝までには時間がかかることを示唆。まずは得点と初表彰台を目指すチームの“第一目標”を追い越し、ポディウムの頂点について言及するところは、さすがウィナーといったところか。
なお、パワー、トルク、ドライバビリティといった性能に加え、より高い信頼性が求められる3リッターV10エンジン「RVX-05」は、今年からジョーダン・チームにも供給される。
F1新シーズンは、3月6日、オーストラリアはメルボルンで開幕。史上最多の全19戦が予定される。
■挽回の年――IRL
2004年、ライバルのホンダにお株を奪われてしまったのは、F1のみならずIRLインディカーシリーズでも同じだった。
エンジンサプライヤーとして2003年から参戦するインディカーシリーズでは、初年度こそインディアナポリス500制覇、タイトル獲得という成功を収めたが、2004年はインディ500、タイトル、そして日本ラウンドのツインリンクもてぎとホンダが勝利を総嘗めにした。
挽回を図るべく、2005年には6チーム10台にレーシングエンジンを供給。昨年のインディ500から3.5リッターから3リッターにルール変更されたV8ユニットをもって、チーム・ペンスキーのエリオ・カストロネベス&サム・ホーニッシュJr.、チップ・ガナッシのスコット・ディクソンら強豪ドライバーが覇を競い合う。
今年の開幕戦は3月6日のホームステッド・マイアミ。オーヴァル・オンリーだったIRLインディカーは、伝統のコース、ワトキンズ・グレンを含む2つのトラックと1つの市街地コースを加え、全17戦が予定される。
ちなみに2004年から、同じ米国ベースの人気シリーズNASCARのクラフツマンシップ・トラックシリーズにも、トヨタはピックアップトラック「タンドラ」で出場している。5.8リッターV8を唸らせ、世界最大の自動車市場でプレゼンスをアピール。今年の初戦は3位と好調な滑り出しをみせている。
■新生GTでタイトル奪還を――スーパーGT
1994年に始まったJGTCこと全日本GT選手権は、2005年、FIA公認の国際シリーズ、スーパーGTとして再スタートを切る。
「スープラ」(4.5リッターV8)をGT500クラスに、そして「セリカ」「MR-S」(2リッターターボ)をGT300クラスに投入するトヨタだが、トップカテゴリーのGT500では、2003、04年と(こちらは)日産にタイトルを奪われている。
脇阪寿一、高木虎之介らがステアリングを握るスープラは6チームから、MR-S、セリカはそれぞれ2チームからエントリー。フォーミュラ・ニッポンが斜陽の一途を辿るなか、国内でもっとも人気あるカテゴリーGTでも、トヨタはタイトル奪還を目指す。
(webCG 有吉)
トヨタ自動車:
http://www.toyota.co.jp/
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