トヨタ・ポルテ130i“Cパッケージ”(4AT)【ブリーフテスト(後編)】
トヨタ・ポルテ130i“Cパッケージ”(4AT)(後編) 2004.10.07 試乗記 ……184万4850円 総合評価……★★★★★ 大型ミニバン「アルファード」と同じ室内高を持つ“大口”の持ち主、「トヨタ・ポルテ」。別冊CG編集室の道田宣和が、各所を細かくチェックした。【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
華美なものは何ひとつないが、全体に必要にして充分、なかでも合目的的な装備の充実が好ましい。その典型が電動スライドドアのスイッチで、ドアハンドルそのものをはじめとして、全車標準のリモコンキー、ダッシュボードとBピラー内側に設けられたそれ、そしてCパッケージ以上のグレードに追加されるスマートキーと、いつでもどこでも5通りの方法で開け閉めができるのだ。
小物入れやカップホルダーも数多く用意され、便利である。ダッシュ上面に集積されたクリアなメーターは好印象だが、反面、夜間はステアリングを含めた眼前の景色が真っ暗で、一瞬ライトの点け忘れかと錯覚させるほどだ。
(前席)……★★★★
「ウォークイン・スマート」がキャッチフレーズの「ポルテ」にとって腕の見せどころは入ったその先、つまり“動くラウンジ”としての使い勝手に違いない。したがって、ドライバーは普通に運転できさえすればそれでよしとすべきなのかもしれない。
ところが、これが案外に悪くないのである。全高1720mm、室内高1390mmの余裕と大きなガラス面積がもたらすものか、室内がとにかく明るいこともあって、コックピットの周辺も特異なパッケージングの恩恵を受けており、窮屈さとは無縁なのが有り難い。それだけに着座姿勢はアップライト気味だが、ハイトアジャスターとステアリングチルトを適宜調整すれば好みのポジションが得られる。
ただし、なぜかクッション長だけは短めで、日本車の通例に比べれば表皮が硬めなのも意外だった。
(後席)……★★★★★
★5つは必ずしも完璧を意味しないが、クルマを含む世の中全体にバブル再燃の気配もあるなかで、限られたコンポーネンツと限られたディメンションをユニークな発想とともに最大限活かし切った、その心意気に表したものだ。
もしかしたら、このクルマは左側のスライドドア1枚ですべて事足りるのかもしれない。特に右側のスイングドアに問題があるわけではないが、そのドライバーでさえ、たとえば平面駐車場で両側を囲まれているときは一旦横に移動してでも左側から出た方が楽なくらいだ。
床がまた驚くような低さ。路面との段差は僅かに30cmとかで、サイドシルらしき突起が一切認められないプレーンな“上がり框”は初代「日産プレーリー」と同様だが、それに比べてもさらに15cmは低い。開口部寸法は上下に1265mm。大の大人が背中をやや丸めるだけで正面を向き、ほとんど立ったままの姿勢で乗り降りできるのである。
そうしていざ収まってみると、後席のスペースはあらゆる方向でクラスの水準をはるかに超えていることが判明した。なかでも前述の「フリースペースモード」(前編を参照)では正真正銘、ストレッチリムジン並みの広大なレッグルームが出現する。
エアコンは(フロントだけの)シングル、おまけにリアサイドウィンドウはハメ殺しだが、いささか離れた場所に位置する後席でも不満ないだけの効き味は示した。
惜しむらくは前席同様、シート自体のサイズが小振りなこと。これだけの“新しさ”なのだから、いっそラウンジカフェのような、ゆったりふっかりしたシートにしたらどうだったろうか?
(荷室)……★★★★
短い前後長のなかでメカニズムや居住スペースと場所のせめぎ合いをした割には、充分以上のトランクスペースが確保されている。ここでもフロアが低くフラットで、上下に深いのが強味だ。オープナーはヨーロッパ車並みに集中ドアロックひとつで施錠・解錠できる。ただし、最近はトヨタ車のみならずこの種のクルマでなぜか無視されたも同然のリアシェルフやカバーの類はやはり見当たらない。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
車重が軽い(1090-1110kg)からある程度はやむを得ないのだろうが、全体にノイズレベルが高めなのは事実である。さすがにこの(立体的)ボリュームにして1.3リッターはミニマムとみえ、正直言って動力性能、静粛性ともあまり期待できる種類のクルマではない。
クリープだけはなぜか強めだが、走り出すと6400rpmの許容回転数のうち半分以下の3000rpmから早くもエンジン音が大きく耳につきはじめ、同時にロードノイズも急激に目立つようになり、80km/hを越えたあたりで低速でセットしたオーディオの音がほぼ完全に掻き消されてしまう。
パワーの点でもタウンスピードでこそまずまずの活気を示すものの、高速では主としてトップのギアリングが高すぎることから、加速がガックリと鈍ってなかなか前に進まない。100km/hは直結の3速だと3600rpmだが、オーバードライブの4速にシフトアップされた途端、2500rpmへと一気に1000rpm以上も急降下するからである。
かといって、巡航態勢ですこしでもノイズを抑えるためには致し方ないところだろう。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
意外だったのはリアアクスルのほとんど真上に座る後席でもこれといった路面からの突き上げがすくなく、まずまず良好な乗り心地だったこと。当然、前席ではそれ以上で、今日ではごく標準的な2600mmのホイールベースでも不快なピッチングやバウンシングは見られない。
対して、ハンドリングはやや微妙なところだ。ステアリングそのものは比較的正確で、シンプルなトーションビーム式リアサスペンションも思いのほかロードホールディングが良く、結構なスピードでコーナリングを敢行してもそこそこ足が従いてくるのだが、おそらくは前面投影面積の大きさとボディの縦横比の小ささゆえか、横風を受けたときなど、ちょっとしたきっかけで空力重心が狂うとみえ、いかにも空気の壁に突き当たって右往左往するかのような、操舵と進行方向のズレを感じるときがある。むろん、高速域だけに限った話だ。
ブレーキは特に問題ない。
(写真=峰昌宏/2004年10月)
【テストデータ】
報告者:道田宣和(別冊CG編集室)
テスト日:2004年9月6日-9月8日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2004年型
テスト車の走行距離:1246km
タイヤ:(前)175/70R14 84S(後)同じ(トーヨーJ36)
オプション装備:ディスチャージヘッドランプ(4万2000円)/G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付きワイドマルチAVステーション(6.5型ワイドディスプレイ+CD・MD一体AM/FMマルチ電子チューナー付きラジオ&ガラスアンテナ、音声ガイダンス機能付きバックガイドモニター)(31万1850円)
形態:ロードインプレッション
走行形態:市街地(5):高速道路(4)山岳路(1)
テスト距離:182.6km
使用燃料:17.7リッター
参考燃費:10.3km/リッター
トヨタ・ポルテ130i“Cパッケージ”(4AT)【ブリーフテスト(前編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000015732.html

道田 宣和
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