三菱コルト カジュアルバージョン(CVT)【ブリーフテスト】
三菱コルト カジュアルバージョン(CVT) 2003.09.10 試乗記 ……140.8万円 総合評価……★★★ 三菱自動車の再建計画「ターンアラウンド」の第1弾「コルト」。日独まじめなコンパクトに、ラテンなコンパクトカーをマイカーにもつ、自動車ジャーナリストの森口将之が試乗した。
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「まじめ」というより「おっとり」
前が長い。久しぶりにコルトに乗って再発見したことのひとつがこれだった。ダッシュボードの奥行きがミニバン並みに長いこともあるが、それ以上に、自分と前輪との距離を感じる。ステアリングを切っても、コンパクトカーらしいキビキビ感がほとんどないのは、この位置関係によるところも大きい。キャビンのクオリティはけっこう高く、緻密な雰囲気を感じさせておきながら、走り出せばひたすらおっとりモード。一方、そのぶんイタズラをしようという気は起きない。「これが日本とドイツが考える“まじめ”なのか」と、ほかの国のクルマを愛する自分は傍観者のように見てしまった。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
ミラージュの生産中止以来空席となっていた三菱の1.3〜1.5リッタークラスに、かつてのペットネームをリバイバル。2002年にデビューしたコンパクトカーが「コルト」である。
プラットフォームは今後、親会社ダイムラー・クライスラーの同クラス車に流用される予定だという。2ボックスというより“モノボックス”に近いボディは5ドアハッチバックのみ。直列4気筒エンジンは1.3リッターと1.5リッターで、トランスミッションはCVTのみとなる。駆動方式は2WD(前輪駆動)と4WDの2種類。
(グレード概要)
コルトのグレード構成は、普通のクルマとすこし違う。「カスタマーフリーチョイス」と名づけられたセミオーダーシステムにより、エンジン(1.3リッターor1.5リッター)、内装色(クールorウォーム)、シート形状(セパレートorベンチ)などが自由に選べるのだ。ちなみに、「エレガンスバージョン」「カジュアルバージョン」「スポーツXバージョン」という、3つの推奨グレードが用意される。試乗車はカジュアルバージョン。グレー基調のクール内装をもつ、1.3リッターの2WDモデルだった。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
まず気づくのは仕上げのよさ。国産コンパクトカーではトップレベルだろう。無駄な凹凸がない滑らかなダッシュボードのデザインも、その印象を盛り上げる。それに対して、ステアリングやコラムシフトのレバーは武骨。ドイツ資本が入った影響を思わせるが、操作感はいい。スイッチの位置や角度はよく考え抜かれていて、感動的に(!)扱いやすかった。
(前席)……★★★
このクラスの国産車としてはサイズが大きめ。座り心地は最近のクルマとしてはソフトで優しい。ただし座面はクッションが薄いので、快適性は今ひとつだった。形状は平板で、サポート性もほどほどというレベル。背もたれについては不満はなかった。
(後席)……★★★★
ヒップポイントが高めで、足を下に伸ばした疲れにくい姿勢がとれるし、見晴らしもいい。背もたれの角度が立ちぎみなのも好印象。ただし、座面の厚みはそれほどではない。スペースは、身長176cmのドライバーの後ろに、170cmの人間が座った状態で、ひざ前に10cm、頭上に5cmほど余裕が残る。
(荷室)……★★★★★
国産コンパクトカーとしてはフロアが低く、サスペンションの出っ張りは小さい。リアゲートの開口部も大きいなど、なかなか使いやすそうだ。リアシートは背もたれを前に倒したあと、全体を持ち上げて折り畳むことができる。ライトバンのようなシートアレンジだが、おかげで低いフロアをそのまま活かせる。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
エンジンは特徴のない、ごく普通のユニット。ことさら吹け上がりが鋭くもなく、音が心地よくもない。しかし、必要な仕事はこなすし、クラスを考えれば静かだといえる。動力性能は、1.3リッターで十分と感じた。CVTはアクセルを大きく踏み込んだとき、回転の上がりが多めだが、発進停止はスムーズにこなす。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
ひとことでいって、とても“おっとり”している。乗り心地は段差などのショックを伝えがちだが、それ以外はマイルドだ。最近のコンパクトカーのなかでは、ソフトなほうだといえる。後席はさらにショックが目立つが、基本的に似たフィーリングだった。コーナーでのロールは思ったほどではない。挙動変化もすくないが、ステアリングの反応は、サイズを考えればかなりゆったりしている。コンパクトカーらしいキビキビ感を望むと裏切られるが、のんびりと長距離をこなすときにはいい相棒になってくれそうだ。
(写真=峰昌宏)
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【テストデータ】
報告者:森口将之
テスト日:2003年8月7日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:8128km
タイヤ:(前)175/65R14 82S(後)同じ(いずれもヨコハマ ASPEC)
オプション装備:14インチアルミホイール7本スポークタ(5.0万円)/ACパワーサプライ(1.5万円)/タコメーター(1.0万円)/DVDナビゲーションシステム(18.8万円)
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(3):山岳路(4)
テスト距離:297km
使用燃料:27.0リッター
参考燃費:11.0km/リッター

森口 将之
モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。ヒストリックカーから自動運転車まで、さらにはモーターサイクルに自転車、公共交通、そして道路と、モビリティーにまつわる全般を分け隔てなく取材し、さまざまなメディアを通して発信する。グッドデザイン賞の審査委員を長年務めている関係もあり、デザインへの造詣も深い。プライベートではフランスおよびフランス車をこよなく愛しており、現在の所有車はルノーの「アヴァンタイム」と「トゥインゴ」。
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