フォルクスワーゲン・ポロ4ドア(4AT)【ブリーフテスト】
フォルクスワーゲン・ポロ4ドア(4AT) 2001.05.10 試乗記 ……195.0万円 総合評価……★★★イイ子なんだけど
ポロに限らず、このクラスの輸入車が盛んに女性誌に登場するようになった。そういう時代だ。可愛らしい新色が用意され、高級そうに見えるニューポロは、フォルクスワーゲンのネームバリューと販売力もあって、間違いなくマーケットリーダーの1台といえる。実際、小型車で一番重要なパッケージングの優秀さは定評のあるところ。実力があるうえに小じゃれた雰囲気も出てきたのだから、彼女たちの要求にはピッタリだ。しかし、いささか“過激なオジサン”をもって任じる筆者の意見はすこし違う。たしかに「イイ子」なのだが、なにかこうワクワクさせてくれるようなところがない。それがとっても惜しいと思う。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
日本への導入は1996年から。コンパクトで価格も手頃なため、今やすっかり輸入エントリーカーの代表となった感がある。パッケージング重視のFFハッチバックデザインは、ほぼ正確に兄貴分ゴルフの縮小版。市場では、「ドイツ民族系」メーカーに対する信頼と憧れも大きな武器だ。2000年5月にビッグマイナーチェンジを受け、商品性の大幅向上を果たした。
ラインナップの主力は、1.4リッターモデル。単に「ポロ2ドア」「ポロ4ドア」と呼ばれるモデルのほかに、4ドアのキャンバストップ版「オープンエア」がある。スポーツモデルにして唯一5段MTが選べる「GTI」は、1.6リッターを積む。鮮やかなシグナルカラー(テスト車は「エバーグリーン」。ほかに「フラッシュレッド」「イエロー」など)を含むエクステリア8色とインテリア5色が用意され、メインターゲットの若い街乗りユーザーへのアピールを狙う。
(グレード概要)
機構的にビッグマイナーの前と後で最も変わったのがエンジン。SOHC1.6リッターからDOHC1.4リッターにスケールダウンしたが、75psのパワーは数字の上で変わらない。ギアボックスは4ATのみで、旧型にあったマニュアルは、今回GTIに任せた形で用意されない。装備は最初から豊富で、4ドアにはさらにリモコンドアロックや同じAM/FM+MDデッキでも8スピーカー式のオーディオが加わる。新型はボディの強化など基本部分の改良もあるが、その分価格は上昇して、4ドアの場合、今や200万円にあと一歩と迫る195.0万円。2ドアは175.0万円である。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
新型で一番変わったのがインテリアだろう。ドイツ的なカッチリ感のなかにも明るさと華やかさが感じられ、格段に良くなった。同じ黒のダッシュボードでも、シボを凝り、テリを与えた樹脂は質感がはるかに高級になり、下半分にはシートやトリムと同じ内装色(この場合はクリーム)をコーディネート。見た目の広がりとイメージの刷新に成功した。
(前席)……★★★★
一見ソフト路線に転換したように見えるが、座ってみるとドイツ車そのもの。固いシートはあくまで長距離高速走行を想定したものとわかるし、縦方向に深いボディは囲まれ感と安心感がある。それでいて視界は悪くない。足もとは広い。せっかくのフットレストはもうすこし右寄りにしたい。
(後席)……★★★★★
ポロはとにかく広い。パッケージングの巧妙さではクラス随一だ。このサイズで大人が充分にくつろげるリアシートは珍しい。開放感もある。
(荷室)…★★★
絶対的なボリュームは水準以上。限られたスペースのなかで、荷室と後席の居住性(それもかなり優れた)との両立を果たした点がスゴイ。使い勝手もいい。分割可倒式のリアシートを倒せば最大975リッター(ISO式)の荷物が収容できる。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
エンジンはそれなりによく回るが、オートマチックのセッティングがいまひとつ。音質は旧来のVWそのもので、ややガサついている。キックダウンが鈍く、手動で下のギアを選択しても、実際のエンゲージは2速、3速とも本来の上限より15km/h〜20km/h低下してから行われるため、もどかしさともったいなさが募る。Dレンジで素直に平和に走るぶんにはまずまずだが、トルクの線が細いのか加速自体はやはりトロい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
実用車としてはおおむね順当なところ。乗り心地は若干ストロークが不足気味なことを除けば、高速でもフワつきが少なく、まずは合格点といえる。しかし、多少なりともスポーティさを求めると期待外れに終わるだろう。ステアリングがその典型で、反応が鈍く、はじめに強めのアンダーステアを示した後、途中から効きが速くなり、段があるようにも感じる。運転していてあまり面白くないというのが正直なところだ。
(写真=河野敦樹)
【テストデータ】
報告者: 二玄社別冊単行本編集室 道田宣和
テスト日:2001年4月12日から13日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:5100km
タイヤ:前)185/55R14/(後)同じ
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:194.3km
使用燃料:19.7リッター
参考燃費: 9.9km/リッター

道田 宣和
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