トヨタがビッグデータを活用した新サービス開始
2013.05.30 自動車ニュース ![]() |
トヨタ、G-BOOKのプローブ情報を活用した新サービスを開始
トヨタ自動車は2013年5月29日、同社が運営するテレマティクスサービスを通じて得た大量のデータを活用した、2つの新サービスの提供を6月3日より開始することを発表。東京ビッグサイトで開催中の次世代エネルギー総合展「スマートコミュニティJAPAN2013」(開催期間:2013年5月29日~31日)の会場で、サービスのデモなどを披露した。
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■DCMで収集した交通情報データを提供
発表会ではまずトヨタの友山茂樹常務役員が登壇。同社のテレマティクスサービスは2002年に開始した「G-BOOK」から進化を続け、現在では登録台数は国内累計330万台、その内70万台は常時接続が可能な独自のDCM(通信モジュール)を搭載していると、ユーザーの状況について説明が行われた。
また2005年にレクサス向けのサービスとしてスタートし、標準付帯される「G-link」においては、69%がテレマティクスを購入動機の一つに、その内の22%が次の代替車の必至条件に掲げているとのこと。サービスが有償化される4年目以降も継続率は79%と高いなど、そのサービスが高く支持されていることをアピールした。
今回の新サービスでは、これまでテレマティクス搭載車両からアップロードされた自車位置や速度、走行状況といった膨大な量(年間地球83万周分)のプローブ情報(=ビッグデータ)を、独自の「Tプローブ交通情報」や通行実績マップ(通れた道マップ)として加工。交通・流通システムに活用できる形で提供する「ビッグデータ交通情報システム」を開発した。
これは自治体や一般企業などの法人向けサービスで、ビジネスでは物流車両がより効率よく動けるルートの提供や、トラッキング(追跡管理)などへの適用が可能。また災害時には、避難所などの施設情報、緊急・災害支援車両の位置・活動状況などを表示するほか、スマホと連携して地域住民からの投稿や一般個人への情報提供なども行うことで、復旧支援に役立てることができる。
価格は月額20万円で上限50までのID利用が可能。法人向けサービスということで各種カスタマイズの費用は別途発生する。
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■スマホがテレマティクスサービス対応ナビに大変身
もうひとつの注目はスマートフォン向けサービス、新「Smart G-BOOK」である。今回前述した「Tプローブ交通情報」をトヨタ純正カーナビ以外では初採用することで、クルマだけでなく徒歩移動までもトータルサポートするナビゲーションサービスを実現した。
具体的には連携するカーナビアプリをフルモデルチェンジすることで、きめ細かい音声案内や3Dポリゴンによる詳細地図表示、もちろん渋滞回避ルートの“質”も向上しているという。
また新機能として搭載されるのがセンター型音声認識「エージェント」と「交通情報SNS」である。前者は自社開発による音声認識システムを使ったもので、目的や行き先などのユーザーニーズに対し、トヨタスマートセンター側に配置された「バーチャルエージェント」がビッグデータの中から回答を提示。目的地設定などを行ってくれる。またエージェントが万が一回答不可の場合でも、有人オペレーターへ引き継ぐハイブリッド型サービスになっている。
もうひとつの「交通情報SNS」は道路上に障害物や渋滞等を発見した場合、ワンタッチでその内容にあった各種のスタンプを投稿できるサービス。この情報を他ユーザーのカーナビアプリ上で確認・共有することでドライブにおける利便性向上が図れる。またこれらの情報は自治体・企業向けの「ビッグデータ交通情報サービス」でも閲覧することができる。
対応スマホはAndroid、iPhoneだが、サービス提供はAndroidが6月3日、iPhoneは6月中旬を予定。「Smart G-BOOK」への会員登録で災害対策サービス・ルートチェックは無料で行えるが、ナビゲーションやエージェント機能は年間2500円。この他にもオプションでVICS渋滞情報を年間1000円で付与することもできる。
またサービス開始から先着2万人(Android、iPhone各1万人)は、1年間1000円という特別価格で使えるキャンペーンを実施予定だ。
(文=高山正寛/写真=webCG、トヨタ)
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