古くて小さなクルマが大集合! 「U1000 in しらこばと公園」の会場から
2022.03.02 画像・写真2022年2月27日、埼玉県越谷市のしらこばと公園で旧車イベント「U1000 in しらこばと公園」が開かれた。2021年は新型コロナ禍により休止されたため、2年ぶり9回目の開催となるが、イベント名のU1000とは「アンダー1000」の略。すなわち参加資格は原則として排気量1000cc未満の、1988年(昭和時代)までに生産された車両。だが少々のオーバーエイジやオーバースケールはOKという、古くて小さいクルマのミーティングというわけだ。
今回の参加車両は、通称サブロクこと360cc規格の軽自動車を中心におよそ80台。以前に比べると輸入車が少なく、ややバリエーションが減った感はあったものの、キャラクターの強いモデルが多いだけに会場には楽しげな雰囲気が漂っていた。好天に恵まれ盛況だったそんな会場から、リポーターの印象に残った参加車両を紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)
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1/40会場に集まった約80台の参加車両。
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2/401966年に登場したスバル初の小型乗用車であり、その後のスバルのアイデンティティーとなる水冷水平対向エンジンと前輪駆動を採用した「スバル1000」シリーズ。右端から2台は1967年に追加されたツインキャブエンジン搭載の「1000スポーツ」。
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3/401967年に登場した、ホンダ初の軽乗用車だった「ホンダN360」シリーズ。通称“NI(エヌワン)”こと初期型から最終型の「N III 360」までがそろった。
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4/40歴代「N」のなかでも人気の高い、通称“N II”の「N360ツーリングS」。ツインキャブエンジンを積んだ「ツーリング(T)」シリーズのSグレードで、エクステリアはフォグランプ付きの黒塗りグリルなどで差別化されている。
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5/40「ホンダZハードトップGT」。1970年に軽初のスペシャルティーカーとして誕生した初代Zの最終型。Bピラーを廃したテールゲート付きボディーにツインキャブ仕様の356cc水冷並列2気筒SOHCエンジンを積む。
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6/40ローダウンしてシックなグレーに塗られ、メッキグリル&バンパー、ホワイトウォールタイヤなどでカスタムされた「ホンダ・ライフ ピックアップ」。軽乗用車である初代「ライフ」をベースにした商用バン「ライフ ステップバン」の兄弟車。
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7/40「ホンダ・アクティ クローラ」。初の市販四輪車である「T360」から軽トラックに雪上走行キットをオプション設定していたホンダ。これは2代目アクティがベースの雪上仕様で、しかも荷台はダンプ。雪上走行の際は、後ろ2軸にクローラ(キャタピラー)を掛ける。
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8/40「ホンダTN360」の荷台に積まれているのは、1960年代にアメリカで販売された純正カスタムパーツを装着した北米仕様の「ハンターカブ」。ホンダやスズキの軽トラにそれらの小型バイクというのは、旧車イベントにおける定番演出のひとつである。
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9/40「スバル・ヴィヴィオGX」。1992年に登場したヴィヴィオの、スーパーチャージャー付き660cc直4 SOHCエンジン搭載車。
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10/40「ダイハツ・ミラViVianホワイト」。1985年に2代目ミラに設定された、当時の軽に数多く存在した主として女性向けの特別仕様車。ホワイトのボディーにアルミホイール、ブロンズガラス、フルファブリックシートなどを標準装備。
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11/401971年に軽初のハードトップとしてデビューした「ダイハツ・フェローMAXハードトップ」。Bピラーレスのハードトップボディーに水冷2ストローク2気筒エンジンを搭載する。
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12/401960年「ダイハツ・ミゼットDKA」。前年に2灯式で丸ハンドル仕様の「ミゼットMP2」も発売されていたが、廉価版として併売されていたバーハンドル仕様の“ひとつ目小僧”。249cc空冷2ストローク単気筒エンジンで後輪を駆動する。
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13/40「ダイハツ・ミゼットDKA」の運転席。バーハンドルでアクセルは右グリップ、右前方のペダルはブレーキ、右後方に見えるのはエンジン始動用キックペダル。クラッチペダルは左前方にあり、ギアボックスは3段MT。
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14/40「やっぱ2スト!!」というボードを掲げた2台の「スズキ・キャリイ」は1979年に登場した7代目。539cc 3気筒水冷2ストロークエンジンを搭載していたが、1981年に4ストロークエンジンに換装されたため、最後の2スト搭載モデルとなった。
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15/40年季が入りすぎた「マツダB360ライトバン」。1965年にマイナーチェンジして角形ヘッドライトを備えた、「ポーター」の前身となるモデル。
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16/40「マツダB360ライトバン」は、初代「キャロル」と同じ総アルミ製でOHVながらクロスフローのヘミヘッド、クランクシャフトは5ベアリング支持という高級なスペックの358cc直4水冷4ストロークエンジンを搭載。「ボロは着てても……」である。
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17/40「日野コンテッサ900デラックス」。「ルノー4CV」のライセンス生産の経験から開発され、1961年に登場した日野初のオリジナル乗用車。中身は4CVの拡大版で、893cc直4 OHVエンジンをボディー後端に積む。リアエンジン車ながら3段MTはコラムシフトを採用、電磁クラッチによる2ペダル仕様も用意されていた。
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18/40「練 5」のシングルナンバーが付いた希少な初期型である「日野コンテッサ900デラックス」のリアビュー。時代を反映してテールフィンを生やしている。
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19/40非常に珍しい「Lomax(ロマックス)」。「シトロエン2CV」のメカニカルコンポーネンツを流用したイギリス製のキットカーである。この個体は1972年製という三輪モデルだが、四輪バージョンもあり、同社の公式サイトによれば現在もキットは入手可能のようだ。
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20/40イギリスでは三輪は税金や免許制度での優遇措置があったため、スリーホイーラーが用意されていたのだろう。オーナーの話では、三輪でも安定性は悪くないという。
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21/40フロントカウルを外した「ロマックス」。空冷フラットツインなどパワートレインはもちろん、サスペンションアームも「シトロエン2CV」用であることが分かる。フロントブレーキはインボード式のドラムだったが、利きが悪いためオーナーがディスクに改めたそうだ。
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22/40「ロマックス」のコックピット。
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23/40会場に向かう「ピアッジオ・アペ50」。オーナーの表情から楽しさが伝わってくる。
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24/40会場内を進む「バモスホンダ4」。1970年に登場した、軽トラック「TN360」がベースの商用登録の多用途車である。
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25/40「スバル・サンバー トライ4WDハイルーフ」。1982年に登場した4代目サンバーバン、ハイルーフの4WD仕様。
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26/40「シトロエン2CV」。最終モデルとなるポルトガル生産の1990年式だそうだが、珍しい英国仕様の右ハンドル車だった。
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27/40イベント終了後、退場すべく会場内を進む「スバルR-2デラックス」。1969年にデビューしたR-2(リアエンジンの2代目という意味)の初期型。装飾の少ないシンプルな姿が好ましく、愛らしい。
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28/40「スズキ・フロンテ360デラックス」。国産FFのパイオニアだった「スズライト・フロンテ」から、時流に逆らうようにRRに転換して1967年に登場。356cc 3気筒空冷2ストロークエンジンを積む。
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29/401963年に登場した、ホンダ初の乗用車である「S500」(および厳密に言えば最初期型「S600」)用のグリルを装着し、バンパーを外すなどしてレーシング風に装ったホンダS600。
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30/40新車以来の「品川 5」ナンバーを付けた通称“ヨタハチ”こと「トヨタ・スポーツ800」。安全基準の変更に伴いサイドマーカーランプなどが装着された、最終型となる1969年式。
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31/401968年「トヨタ・パブリカ コンバーチブル」。先に紹介した“ヨタハチ”と共通のツインキャブ仕様の790cc 2気筒空冷水平対向OHVエンジンを積んだ、パブリカ コンバーチブルの最終型。
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32/40軽規格が360ccから550ccに改定されたことを受けて1977年に登場した初代「スズキ・セルボ」。360cc時代の「フロンテクーペ」のボディーを拡大し、539cc 3気筒水冷2ストロークエンジンを積む。
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33/401988年「スズキ・アルトワークスRS/R」。この年にフルモデルチェンジした2代目アルトワークスの、547ccの直3 DOHC 12バルブのターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせたホッテストモデル。
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34/401977年に登場した「マツダ・ニューポーターキャブ」。軽規格の改定に合わせて車体を拡大し、三菱製の546cc直2水冷4ストロークSOHCエンジンを搭載。
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35/40「スバル営農サンバー4WD」。1980年に3代目「サンバー トラック」に加えられた軽トラ初となる4WD仕様の、農協専売グレード。
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36/40「スバル360ヤングS」と「スバル1000デラックス」。後方の「埼 5」ナンバー付きのスバル1000は1967年に新車で購入以来のワンオーナー車で、運転しているのはオーナーの息子さん。前のヤングSのハンドルを握っているのはスバル1000のオーナーで、助手席はお孫さん。つまり紅白の親子スバルに乗る親子3世代! というわけだ。
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37/40参加車両中、唯一の戦前車だった1933年「モーガン3ホイーラー」。ノーズにむき出しで積まれたマチレス製の500ccサイドバルブの水冷Vツインエンジンで、後ろの1輪を駆動する。
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38/40黄色ナンバーだが「ケータハム・セブン160」ではなく、「フレイザー・クラブマンFC4」。ニュージーランドの「ロータス・セブン」のレプリカメーカーであるフレイザーの車体に、スズキ製660cc直3ターボエンジンを積んだモデル。
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39/40アバルト風の2代目「フィアット500」。過去の開催時は10台前後が参加したこともある「フィアット500/600」系だが、今回は1台だけだった。
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40/40連なって会場を出ていこうという参加車両。