LAオートショー開幕! 会場の様子は?【LAショー2010】
2010.11.18 自動車ニュース【LAショー2010】ロサンゼルスオートショー開幕! 会場の様子は……?
2010年11月17日、ロサンゼルスオートショー(以下、LAショー)が、アメリカはカリフォルニア州にあるロサンゼルス・コンベンションセンターで開幕した。
LAショーが初めて開催されたのは1907年。歴史が最も長いパリサロンには及ばないものの、すでに100年以上続いた伝統あるモーターショーである。ちなみに、北米最大のデトロイトショーが始まったのも1907年。もちろん、長くやっていればいいというわけではないが、長い歴史を持つモーターショーが2つも開催されているということは、自動車がいかに古くから北米に根付いていたかの証である。
■“普通の”モーターショーになった
2カ月後にデトロイトショーが開催されることもあり、LAショーはマイナーイベントというか、今ひとつ、メジャーになりきれていない部分があった。だからこそ、デザインやエコを強く押し出したり、エコカー試乗会を開催したりするなど特徴的なイベントを催し、独自の立ち位置を築く努力が払われていた。
その努力はようやく実を結んだようで、今年は以前よりも活気が出てきた。緩やかながらも北米の景気が回復してきたというのも、その背景にはあるだろう。会場でのプレスの数も増えたし、感想をメーカー関係者に聞くと「出展する価値は上がっている」と答えたところも1つだけではなかったのである。
これまでは、デザインとエコの特別展示が行われる地元密着型モーターショーといった感じだったが、いい意味で普通のモーターショーになってきた。
■もちろんエコは主役だが……。
近年のモーターショーの主軸はなんといってもエコである。もはや、エコなしのモーターショーなどあり得ないという状況だ。しかも、ロサンゼルスオートショーはカリフォルニア州という土地柄もあって、その色合いがさらに濃い。今年も、いよいよ公道を走り始めた「シボレー・ボルト」のほか、トヨタがテスラと共同で開発した「RAV4 EV」、またホンダが2012年から発売する「フィット」ベースのEVなど、注目のエコカーがいくつも出展されていた。「今回の主役は?」と聞かれたら、もちろん「EVやハイブリッドなどのエコカー」と答えるだろう。
しかしプレスデイにおける取材陣の動きを見ると、主役=最大の関心事ではないように感じた。もちろんプレスコンファレンス直後には、黒山の人だかりができる。しかし、引けるのも早く、意外とあっさりとした対応だったのだ。RAV4 EVやフィットEVがあまりに現実味あふれるクルマだったことも影響していると思う。しかし、「これからの自動車社会にEVやハイブリッドは必須。でもね……」という心の声が聞こえたように感じたのも事実である。それは決して気のせいではなかったはずだ。
実際に、プレスデイで大きな注目を集めていたのはエコカーばかりではなかった。スバルが出展した「インプレッサ コンセプト」や、「マツダ・シナリ」、「ポルシェ・ケイマンR」、「フィアット500」などといったエコを前面に押し出していないクルマたちにも、大勢のプレスが群がっていた。
エコカーが今も、そしてこれからも必要不可欠なものであることは間違いない。しかし、すでに自動車社会の中に取り込まれつつあり、「ウチのクルマはエコです。すごいでしょ?」と自慢できる時代は過ぎ去っている。未来を示すモーターショーでは、エコカーをポンと出しても、「だから何?」と問われるような時代に突入したことを実感するショーだった。
■もうひとつの主役は日本メーカー
今年の日本メーカーの新車攻勢は目を見張るものがある。「トヨタRAV4 EV」、「ホンダ・フィットEVコンセプト」、日産は「ムラーノ クロスカブリオレ」をはじめ3台の新型車を出展するなど、日本メーカーの新型車がワールドプレミアの半分近くを占めたのだ。
EVに及び腰だったトヨタとホンダがそろって、普及を前提とするEVを発表したのもトピックだが、日本のクルマ好きとしては、スバルがお披露目した次期「インプレッサ」のデザインスタディが気になるところではないだろうか。写真同様、実物もカッコいいです。
(文と写真=新井一樹)
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