【F1 2025】ホンダがF1 2025年シーズンへの決意を表明 “F1パーツ販売”など新事業の説明も
2025.03.04 自動車ニュース![]() |
2025年3月4日、ホンダのF1活動に携わる本田技研工業と、そのレース運営子会社であるホンダ・レーシング(HRC)、鈴鹿サーキットの運営子会社であるホンダモビリティランドは、3月14日にオーストラリアで開幕するF1の新シーズンを前に説明会を開催。レッドブルとの最終年にあたる今季に向けた意気込みを示すとともに、過去のF1マシンのパーツを販売する「メモラビリア事業」など新たな取り組みについて説明した。
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F1初優勝から60年、レッドブルとの最後の年
2025年は、1965年メキシコGPでホンダがF1初優勝を飾ってから60年という節目の年。そして2018年にトロロッソへのパワーユニット供給を開始してから8年続いたレッドブル・グループとのパートナーシップの最後の年にあたる。
F1活動の担い手であるHRCを率いる渡辺康治 代表取締役社長は、1964年のF1初参戦から60年以上たった現代のF1の状況を説明。2008年から2016年の8年間で、最高出力は200PS以上アップした一方、最高出力を得るのに必要とされる燃料の量は3分の2にまで抑えられるようになったことなどに触れ、F1の技術開発がハードウエアとソフトウエアの両面で世界最高レベルにあることを語った。そして熾烈(しれつ)な競争下で鍛えられた技術者が量産車部門でも力を発揮し、ホンダとしての新たな価値を生み出す原動力になっていると、自動車メーカーであるホンダがF1に参戦する意義を説いた。
2024年はコンストラクターズチャンピオンこそマクラーレン・メルセデスに奪われたものの、レッドブルのエースであるマックス・フェルスタッペンが4年連続でチャンピオンを獲得。2025年もレッドブルとレーシングブルズの4台体制で、マクラーレン、メルセデス、フェラーリら強敵を相手に戦うことになるが、渡辺社長は「有終の美を飾るべく、チャンピオン獲得を目指し最後まで全力で戦う」と誓った。
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2026年の新規定、アストンマーティンとの関係
2025年は現行パワーユニット規定の最後の年でもあり、来る2026年からは、パワーユニットとマシンのいずれも新レギュレーション下で争われる。ホンダとしても、新たにアストンマーティンと手を組み、新型パワーユニットを開発中という段階にある。
HRCの角田哲史F1パワーユニット開発総責任者は、「F1マシンにおいて、パワーユニットは非常に大きな“面積”を占めるので、車体との連携が重要。チームと定期的にミーティングを行っており、パワーユニットの搭載方法など、どういうマシンをつくっていくかを議論している」と進捗(しんちょく)について明かした。
新規定では内燃機関(ICE)とモーターのパワー比率が、これまでの8:2から5:5、つまりイーブンに扱われることになる。また燃料も100%カーボンニュートラルとすることが義務づけられるほか、コスト制限にも配慮し開発しなければならない。その成果を目にすることができるのは2026年シーズンだが、開発は着々と進んでいるようである。
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セナのドライブしたエンジンパーツなどが買える「メモラビリア事業」
ホンダのF1活動はサーキット内にとどまらない。その筆頭は、新しい取り組みとして発表された「メモラビリア事業」だ。ホンダは過去のレーシングマシンやエンジンなどを動態保存しているが、これらのエンジンや部品のうち、動態保存に影響のないものの販売を検討中というのだ。
詳細は4月上旬の日本GPに合わせて発表されるものの、1990年にアイルトン・セナがドライブした「マクラーレンMP4/5B」に搭載されたホンダV10「RA100E」のパーツが証明書付きで販売される予定だというのだから、ファンにとっては朗報であろう。
さらに、4月4日に開幕する日本GPを盛り上げようと、「F1 TOKYO FAN FESTIVAL 2025」が、4月2日(プレイベント)と4月4日~6日の計4日間、東京都江東区青海のお台場特設会場で開催される。F1マシン展示や体験型のF1イベント、音楽ライブなど、鈴鹿サーキットに行かずとも、またファンのみならず家族連れでも楽しめる催しが予定されている。
F1の2025年シーズンは、昨季同様に史上最多タイの24戦で争われる。いまから待ち遠しい開幕戦オーストラリアGP決勝は、3月16日に行われる。
(文=bg)