「第2回 RED BULL BOX CART RACE」の会場から
2012.03.19 画像・写真動力源をもたない手作りのカートを坂道で走らせて、その見た目や走行タイムを競うという、「RED BULL BOX CART RACE(レッドブル・ボックスカートレース)」が、2012年3月17日に東京・江戸川区の葛西臨海公園で開催された。これまで世界中で80回以上開かれてきたこのイベントも、日本で行われるのは、これが2回目。さて、どんなレースが展開されたのか? 印象に残った参加車両の姿とともに、当日の模様を写真で紹介する。(文と写真=webCG関顕也)
前回の「2009年 お台場大会」から3年ぶりに開かれた、レッドブル主催の「ボックスカートレース」。今回の会場となった東京・江戸川区の葛西臨海公園には、応募総数337件のなかから選ばれた56チームが、それぞれ自慢の手作りカートを引き連れて、全国から集結した。
当日の会場は、朝からあいにくの冷たい雨。イベントの進行も30分ほど遅れてしまった。悪天候のなか、どんなレースが展開されるのやら……?
-
前回の「2009年 お台場大会」から3年ぶりに開かれた、レッドブル主催の「ボックスカートレース」。今回の会場となった東京・江戸川区の葛西臨海公園には、応募総数337件のなかから選ばれた56チームが、それぞれ自慢の手作りカートを引き連れて、全国から集結した。 当日の会場は、朝からあいにくの冷たい雨。イベントの進行も30分ほど遅れてしまった。悪天候のなか、どんなレースが展開されるのやら……?
-
12時30分。写真の「風船でバルーン」号(神奈川県)をトップバッターに、いよいよレース開始! 写真左に見える、司会のジョージ・ウィリアムズさんと優木まおみさんが、熱いトークで会場のムードを盛り上げる。 ボックスカートレースは、「動力をもたない箱型の台車を、坂道で走らせる」という、至極単純なレースだ。高さ1.2mのスタート台から押し出されたカートは、全長250m、傾斜3度の坂道をただひたすら下るだけである。ただし競技としては奥が深く、「走行タイム」だけでなく、「手作りカートのオリジナリティーと完成度」「チームによる走行前のパフォーマンス」を加味した、総得点で争われる。今回の審査員は、南明奈(アッキーナ)さんや河北麻友子さんといった女性タレントに、“女装家”として知られるミッツ・マングローブさん、さらに、レーシングドライバーの井出有治さん、フリースタイル・モトクロス・ライダーの佐藤英吾さんら計5名が務めた。
-
このレースの一番の見どころは、何といってもカートそのものの仮装である。ボックスカートは、全長×全幅×全高=4000×1500×2000mmのサイズにおさまれば、どんなデザインでもオーケー。この「アジの塩焼き」(!)のように、一見してクルマと思えないものも多く含まれる。聞けば、リアルな仕上がりのアジはFRP製だそうで、端に載っているやかんからは、ちゃんとピーピー音が出る。 なお、各カートは操縦士のほかに、副操縦士としてもう1名が乗車可能。こちらは、お父さんといっしょに(網の向こうに見える)坊やが乗り込んでいたものの、バリアに突っ込みながらのフィニッシュが怖かったのか、ゴール地点でシクシク(泣)。その様子は会場の要所要所に設置された大型モニターに映しだされ、笑いとともに同情のため息を誘った。
-
カートを押し出すところで、ステーン!と派手な転倒シーンを見せたのは、千葉県から参加の「オートサイクルベル」。太鼓を模したカートに続いて、押し手のふたりもスロープから滑り落ちてきた。雨に足をとられた? 実はこれもパフォーマンス? 肝心のカートは無事完走し、見事、今大会2位の座を獲得した。
-
この妙なデザインのカートは? そう、誰でも一度は遊んだことがある(?)、タカラトミーのロングセラー『人生ゲーム』の“コマ”である。しかし実物大になってしまうと、(ゲームの中で人を表す)ピンクのポールが、ちょっと不気味で……。向かって右が「妻」、左が「愛人」なんだそうな。出走前には『水戸黄門』のテーマ曲(じ〜んせーい、楽あ〜りゃ、苦〜もあーるーさー♪)に合わせてダンスも披露。ボックスカートレースのある人生がどんなものか、インタビューしたかった。
-
とにかく色んなものが走る、このレース。ゴジラ、もとい「スルガザウルス」でコースを行くのは、静岡県から参加の「静岡ものづくり連邦」だ。見た目の迫力は満点だが、戦隊コスチュームで見送るチームメイトは、何だかちょっぴり不安そう……。
-
……と、案の定、序盤で路肩に接触したスルガザウルス。そのまま横転するや、哀れ、バラバラになってしまった! この日はウエットの路面コンディションも災いしてか、クラッシュする車両が続出。それが、パフォーマンスのポイントにつながるケースもあるのですが……残念!
-
こちらの「岩手三陸っ! 北限の海女レーシング」チームは、東日本大震災の被災地からのエントリー。カートのデザインは、久慈伝統の山車(だし)がモチーフになっている。チームリーダーによれば、「津波にめげず、地元の若い人が前向きにがんばってる様子を伝えたかった」とのこと。無事完走を果たした。
-
場所は変わって、出走前のパドックから。『銀河鉄道999』に扮(ふん)するのは、東京都の「チーム☆Voice」。雨にもめげず、3人のメーテル(?)はニッコリ。
-
ふと振り返ると、「魚が陸を歩いてる」!? こんな楽しい仮装も会場にはいっぱいだ。マグロか? それともカツオか? イカを乗せたカートとともに、ヨチヨチとスタート台を登る姿が、何ともコミカル。
-
コースはただの直線ではなく、ゆるいスラロームやジャンプ台も設けられている。こちらの「七福神の宝船」は、惜しくもスラロームの最後でクラッシュしてしまった。沿道から「ワー、なんだか縁起悪そう」なんて声も聞かれたとおり、元が華やかなだけに一段と痛々しい。まぁ、ドライバーにけががなかったのも、ご利益のひとつということで……。
-
大きなお釜が、目の前をゆっくりと通過してゆく。こちらのチームは、第1回大会で完走できなかった雪辱を果たすべく、今回2度目のエントリー。しかし……このあとお釜は、さらにスローダウン。あえなくストップしてしまった。ボックスカートレースは誰でも完走できる競技かと思いきや、なかなかどうして。摩擦抵抗やバランスなども考えないとダメらしい。なお、ドライバーを除いた規定の車重は「80kgまで」となっている。
-
これは、仮装じゃなくてホンモノ。ガチャピンとムックもゲスト参加し、コースを元気に駆け抜けた。ガチャピンが操縦したカートは、特別に用意された「MINIクロスオーバー」を模したもの。写真左に見える実車と見比べても、なかなかの出来栄えでは?
-
ケーキのカートで出走したのは、第1回大会で知り合い結婚した(!)というおめでたいカップル。だが、“ケーキ”はコースを外れ、路肩でぐっちゃり。ゲスト審査員のミッツ・マングローブさんからは「次も出るなら、別の相手にしときなさいよ」と、ブラックなコメントも。
-
ケーキがあれば、すしもある。マグロとしょうゆと玉子(カズノコ?)に見守られながら、回転ずしのカートが快走。ドライバーの女性はゴールするや、湯飲みを差し出し「一丁あがり!」とコール。活きがいいね!
-
大きな手を振り回しながら、豪快な走りを見せるのは、埼玉県から参加の「DOSKOI RACING」。見送るチームメイトの格好もインパクト大である。実は今回、一番多かった仮装のお題は相撲で、全3チームがエントリーした。
-
あわや、前転!?なくらい前のめりになっているのは、神輿(みこし)をモチーフにした「祭りだ!ワッショイ」号。本物の神輿さながら、車体を前後に激しく揺すりながらコースを駆け下りていった。
-
プロレスもあり。何でもありなのが、ボックスカートレースなのダー! このあと左のレッドブル・マスク(?)は、大きな対戦相手(カート)ともみ合い、おもむろにまたがり、意気揚々と走り出した。無事完走!
-
こちらのチームは、ベネチア名物のゴンドラでさっそうと漕(こ)ぎ出した……が!? スロープを降りるや、いきなりストップ。大会中、最短距離でのリタイアとなってしまった。沿道からも、残念そうなため息が……ぜひ再挑戦を。
-
最初の出走から4時間後、日も暮れたところで表彰式。優勝は、スタート台で車両を組み立ててから発車したパフォーマンスとタイムでポイントを稼いだ、チーム「最速忍者牛」(写真中央)。2位が和太鼓デザインの「オートサイクルベル」(写真左)で、3位はプラグとコンセントのデザインを採用した「TEAM TAMADASHI」(写真右)だった。優勝賞品は、太っ腹の「F1観戦ツアー招待(チーム全員!)または賞金100万円」。2位は「サーキットの同乗走行または賞金50万円」で、3位は「オーダーメイド自転車または賞金30万円」。次回の開催時期は未定とのことだが……読者のみなさまも、次はいっちょ、楽しい仮装で参加してみるとしますか!?