ホンダコレクションホール所蔵車両 走行確認テストの会場から
2014.09.20 画像・写真2014年9月17日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎ南コースで、ホンダコレクションホールに収蔵される車両の走行確認テストが行われた。
ツインリンクもてぎ内にあるホンダコレクションホールはホンダ製品を中心に、二輪、四輪、汎用(はんよう)製品などを約300台展示している。
このミュージアムの特徴は、収蔵する車両の動態保存に力を入れているところで、歴史的に貴重なレーシングマシンなどを走行可能な状態に整備し、保存している。
走行確認テストは、この動態保存の一環として定期的に行われているもので、一般にも公開された。
平日にもかかわらず集まった数百人の熱心なファンが見守る中で行われたテスト走行の様子を写真で紹介する。(文と写真=工藤考浩)

今回テスト走行するのは、四輪が「ウィリアムズ・ホンダFW11」「マクラーレン・ホンダMP4/4」「マクラーレン・ホンダMP4/5」のいずれもF1マシン3台、二輪が「RC142」「CB750レーサー」「NS500」「RVF750」「NSR500」「NSR250」の6台。それにしてもこの光景、1980年代後半に青春時代を過ごしたアラフォー男子としては、夢のようである。
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今回テスト走行するのは、四輪が「ウィリアムズ・ホンダFW11」「マクラーレン・ホンダMP4/4」「マクラーレン・ホンダMP4/5」のいずれもF1マシン3台、二輪が「RC142」「CB750レーサー」「NS500」「RVF750」「NSR500」「NSR250」の6台。それにしてもこの光景、1980年代後半に青春時代を過ごしたアラフォー男子としては、夢のようである。
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走行前の準備が行われている「マクラーレン・ホンダMP4/5」。
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「ウィリアムズ・ホンダFW11」
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ノーズにレッドファイブが輝くこのマシンは、ナイジェル・マンセルがステアリングを握ったものだ。
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ナイジェル・マンセルは1986年、この「FW11」で5度の優勝を手にしている。
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1.5リッターV6ターボエンジン「RA166E」を搭載する「FW11」。過給圧制限がなかったこの時代、最高出力は1050ps以上を発生したといわれる。
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「FW11」のコックピット。当時はまだ、アナログ式のタコメーターだったというのに驚かされた。
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「FW11」は1986年、16戦9勝という成績を収め、ホンダは初のコンストラクターズチャンピオンとなった。
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カーナンバー2を掲げる「マクラーレン・ホンダMP4/5」は、アラン・プロストが駆ったマシン。
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ターボエンジンが禁止され、3.5リッター自然吸気エンジンへとレギュレーションが変更された1989年、ホンダはV型10気筒の「RA109E」でシーズンに挑み、16戦10勝という成績で、ドライバー、コンストラクターズのダブルタイトルを手に入れている。
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「RA109E」。20年以上前のエンジンとは思えないほどピカピカで、その美しさにすっかり見とれてしまった。
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そして最強のF1マシン(だと個人的には思っている)「マクラーレン・ホンダMP4/4」。1988年のシーズン、全16戦中15勝という驚異的な記録を打ち立てたマシンである。
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展示用のタイヤから走行用のものへと交換作業中の様子。10代の頃、この部分をプラモデルで組み立てた思い出がよみがえった。
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ターボエンジンに対する規制が強まっていたこのシーズンにおいても、1.5リッターV6ターボエンジン「RA168E」は破竹の勢いを見せた。2015年に復活する「マクラーレン・ホンダ」にも、「MP4/4」が見せてくれたような活躍を期待している。
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カーナンバー12はアイルトン・セナがステアリングを握ったマシン。セナが初めてのドライバーズタイトルを獲得したのがこの「MP4/4」である。
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「MP4/4」のコックピット。左に見えるのはスタビライザー調整用のレバー。
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「MP4/4」のリアサスペンションとトランスミッション。このような超ハイパフォーマンスマシンに搭載されているのが6段MTだということに、時代の流れを感じる。
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テスト走行する「RC142」。1959年、ホンダがロードレース世界選手権に初めて出場したマシンである。
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「CB750レーサー」は1970年、デイトナ200マイルレースで隅谷守男が6位入賞を果たしたマシン。
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1984年型「NS500」。この年にデビューした「NSR500」がうまく成績を残せない中、NS500はスーパーサブマシンとして活躍した。
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1991年の鈴鹿8時間耐久ロードレースでワイン・ガードナー/マイケル・ドゥーハンが駆った「RVF750」。
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こちらの「NSR500」は1997年のロードレース世界選手権において、マイケル・ドゥーハンが15戦中12勝という好成績で、4年連続優勝を果たしたマシン。
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2001年モデルの「NSR250」。ロードレース世界選手権GP250クラスで加藤大治郎が自身初となる個人タイトルを獲得したマシン。
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走行前にF1マシンのエンジン始動確認が行われた。
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二輪、四輪全てのマシンをテストしたのは、元ホンダワークスライダーの宮城 光氏。
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いよいよ走行準備にとりかかる「マクラーレン・ホンダMP4/4」。
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決して広いとはいえないコース内を、そのパワーを持てあますように疾走する「MP4/4」。
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「ウィリアムズ・ホンダFW11」
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自然吸気エンジンならではの排気音を奏でていた「マクラーレン・ホンダMP4/5」。
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走行確認テスト終了後は、きれいに磨きなおされ記念撮影。観客からは拍手が巻き起こっていた。