「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」の会場から(後編)
2015.05.28 画像・写真2015年5月23-24日、モータースポーツで活躍したマシンが集う自動車イベント「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」が、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。当日は、往年のレーシングマシンのみならず、それらに関わりの深いドライバーやライダーも来場。ファンとともに熱気に満ちたひとときを過ごした。そんな会場で見られたマシンと印象的なシーンを写真で紹介する。(文と写真=webCG 関 顕也)
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さまざまな競技車両が集う「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」では、超高性能を誇る市販モデルの姿も見られた。その一台が、写真の「ケーニグセグ One:1(ワンワン)」。1360ps(1000kW)を発生する5リッターV8ツインターボエンジンをミドシップする、スウェーデン生まれのスーパーカーである。日本での正式デビュー(2015年10月を予定)に先駆けて、このイベント内でデモランが実施された。
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さまざまな競技車両が集う「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」では、超高性能を誇る市販モデルの姿も見られた。その一台が、写真の「ケーニグセグ One:1(ワンワン)」。1360ps(1000kW)を発生する5リッターV8ツインターボエンジンをミドシップする、スウェーデン生まれのスーパーカーである。日本での正式デビュー(2015年10月を予定)に先駆けて、このイベント内でデモランが実施された。
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超ド級のパフォーマンスを有する「ケーニグセグ One:1」は、ドアの作りも個性的。「ラプタードア」と名付けられたそれは、写真のように前方に回転しながらスライド開閉する。当日は、ケーニグセグの代表であり創設者でもあるクリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏(写真中央、車両向こう側)の姿も見られた。
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フル加速でのスタートに向けて身構える、「ケーニグセグ One:1」。ストレートには、すでに無数のブラックマークが……。全てこのイベントで生じたものかどうか、定かではないが。
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イタリアのスーパーカーメーカーであるパガーニも自慢の高性能車を持ち込んだ。写真の「パガーニ・ゾンダ レボリューション」は、メルセデスAMG製の6リッターV12(最高出力800ps、最大トルク74.4kgm)をミドシップするサーキット専用モデル。0-100km/h加速2.6秒、最高速350km/h以上のパフォーマンスを発揮するとうたわれる。後方のボード上に見える人物は、同社社長のオラチオ・パガーニ氏。
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パガーニのパドックに並んだ3モデル。写真手前から順に、「ゾンダ」「ゾンダ レボリューション」「ウアイラ」。
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1991年のルマン24時間耐久レースで優勝したマシン、「マツダ787B」も姿を見せた。当日持ち込まれたのは当時のルマン優勝マシンそのものではなく、同型の別車両ではあったものの、その姿とロータリーサウンドは多くのファンを魅了した。
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「マツダ787B」のコックピット。
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出走準備中の「マツダ787B」。その様子をファンが見守る。
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「マツダ787B」のパワーユニット。4ローターのロータリーエンジンは、最高出力700psを発生する。
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「マツダ787B」のデモランを担当したのは、長年ルマンに挑戦し続け、“ミスター・ルマン”とも呼ばれる寺田陽次郎。デモンストレーションとはいうものの、出走前、真剣なまなざしで集中力を高める姿が印象的だった。
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グループCカー「日産R91CP」。1992年に、長谷見昌弘/星野一義/鈴木利男の日本人トリオでデイトナ24時間レースを制したマシンだ。当日は、SUPER GTのGT500クラスで「カルソニック IMPUL GT-R」を駆る安田裕信が、迫力のデモランを披露した。
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ルマンのチャンピオン「マツダ787B」(写真左)と、デイトナの覇者「日産R91CP」(同右)。“ニッポンの誉れ”として記憶される2台が、そろって鈴鹿サーキットを駆け抜けた。
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ファンの声援に応える、寺田陽次郎(写真中央)と安田裕信(同右)。「鈴鹿はレーサーにとって特別な場所。ここで伝説のマシンに乗れて、本当にうれしいです」(安田)。
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そのハイパフォーマンスから“グリーンモンスター”と呼ばれたレーシングバイク「カワサキH2R」は、1973年モデルと1974年モデルが2台そろってお目見え。後方につるされたシブいウェアまで、どれも当時物だというから驚く。
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こちらは、珠玉の小排気量レーサー「ブリヂストン90」。かつて二輪を手がけていた、ブリヂストンのマシンである。写真右(手前)が1966年モデルで、左が1965年モデル。
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「ホンダCB125JX」(1972年)のレーサーバージョン。他ブランドの小排気量レーサーとともに、熱い走りを見せた。
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パドック前でエンジンを始動、デモランに向けて暖機を行う1971年製の「ヤマハTA125」(写真手前)と、「ホンダCB125JX」(1972年)。
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駐車場の一角では、1960~1970年代の市販車両を集めた展示「TIME TRAVEL Parking」も開催され、自動車ファンの目をよころばせた。これら50台ほどの旧車は、イベントの終盤に用意されたパレードにも参加した。
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こちらは、グランドスタンド裏の広場で開催された「コンクール・デレガンス」のひとこま。赤じゅうたんが敷かれた展示スペースには、貴重なスーパーカーや高級サルーンがずらりと並んだ。
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来場者の注目を最も集めていたのは、このクルマ。フェラーリのハイブリッドスーパースポーツ「ラ フェラーリ」。
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超高級車のブガッティは、新旧2モデルが並べられた。手前が1927年製の「T35 B」で、奥が、それからおよそ80年後に生まれた「ヴェイロン」。時代は違えど、いずれもその高性能で名をはせた車両である。
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スペシャルゲストとしてイベントに招かれた3人の“レジェンドライダー”、ケビン・シュワンツ、エディ・ローソン、ケニー・ロバーツは、デモランやトークショーに大忙し。写真は日曜日の午後、「ヤマハYZR500」を前に行われたトークショーのもの。「それまでダートトラックレースしか知らなかったアメリカ人ライダーに、世界GPを教えてくれたのがこのマシン。『すべてはYZR500から始まった』といえるだろう」と話す“キング”ケニーに対して、ケビンとエディは「今の自分たちがあるのは、ケニー自身がレーサーの道を切り開いてくれたおかげなんですよ」と返した。
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2日間にわたったモータースポーツイベントも終盤。フィナーレに向けて、F1マシンが編隊走行でエキゾーストノートを響かせる。
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レーシングマシンに加えて、展示イベントに参加したスーパーカーやクラシックカーもコースイン。イベントの最後を飾る「ファイナルパレード」を行った。
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初日1万8000人、2日目1万5000人のモータースポーツファンを迎えた「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」。観衆の拍手に包まれながら、イベントは終了した。