「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018」の会場から
2018.12.05 画像・写真トヨタ自動車のファンイベント「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018」が、2018年11月25日、富士スピードウェイにて開催された。
TOYOTA GAZOO Racing FESTIVALは、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のモータースポーツ活動や、スポーツモデル「GR」シリーズの魅力に触れられるイベントであり、クルマに触れる楽しさが存分に味わえるさまざまな体験コンテンツに加え、各カテゴリーで活躍するレーシングドライバーと交流が行えるのも魅力だ。
今年のTGRは、世界ラリー選手権(WRC)のマニュファクチャラーズタイトル獲得に加え、悲願であったルマン24時間レースでの総合優勝も達成。同イベントでは、ルマン優勝車である「TS050ハイブリッド」8号車の凱旋(がいせん)走行も行われ、レーシングスーツに身を包んだ“MORIZO(モリゾウ)”スタイルの豊田章男代表取締役社長がファンに向けてうれしい報告を行い、会場はお祝いムードに包まれた。
また、カムフラージュ仕様ではあったものの、正式発表前の次期型「スープラ」がデモンストレーションランを行うというサプライズもあった。大いに盛りがった会場の様子を写真で紹介する。
(文と写真=大音安弘)
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1/45今回のイベントでは、ルマン初優勝とWRCのシリーズタイトル獲得の報告も行われ、ホームストレート中央には競技車両の「TS050ハイブリッド」と「ヤリスWRC」が並べられた。
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2/45富士スピードウェイで開催された「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018」。メイン会場は、Aパドックとサーキットコースだが、ジムカーナコース、ドリフトコース、ショートサーキットなどの施設もフル活用。さまざまな体験イベントが用意されていた。
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3/452018年のTOYOTA GAZOO Racing の活動報告を行う豊田章男社長。集まった多くのファンたちに、今シーズンのうれしい結果を報告するとともに、支えとなった応援への感謝を述べた。
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4/45世界耐久選手権(WEC)の参戦ドライバーである小林可夢偉選手(左)と中嶋一貴選手(右)。今年のトヨタは、7号車と8号車の2台体制でWECに挑んだ。
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5/45WRCチームからは、「ヤリスWRC」8号車のコンビであるドライバーのオット・タナック選手とコ・ドライバーのマルティン・ヤルヴェオヤ選手が参加。日本のファンとの交流を楽しんだ。
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6/45ラリーカーのデモンストレーションである「TGRF RALLY選手権」では、「ヤリスWRC」も走行。ヤリスがコンパクトカーであることを忘れさせるような大迫力の走りを見せた。特にホームストレートでは、スロープによりWRCさながらのジャンプも披露。ファンを喜ばせた。
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7/45ホームストレートで行われた「ドリフトエクストリーム」。ドリフト界の猛者たちが華麗なテクニックで、クルマをダンスさせた。
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8/45トヨタ伝説のレーシングカー「トヨタ7」も展示された。こちらの車両は第2世代のトヨタ7で、最高出力600ps/7600rpmを発生する5リッターのV8 DOHCエンジンを搭載。1969年開催の日本Can-Amで川合 稔がドライブし、優勝した車両だ。
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9/45デモンストレーションランを行った「トヨタ7」。大排気量自然吸気エンジンらしい澄んだサウンドを響かせた。このクルマについては、トヨタとヤマハに加えダイハツも開発に参加。このため、ボディーサイドにはヤマハとダイハツのデカールが張られている。
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10/45オーナーズクラブパレードランには、「トヨタ2000GT」「トヨタ・スポーツ800」「レクサスLFA」「トヨタ・アリスト」など、さまざまなトヨタ車のオーナーズクラブが参加した。
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11/45「DAKAR EXPERIENCE」では、ダカールラリー2018でトラック部門総合6位、排気量10リッター未満クラス9連覇を達成した、日野チームスガワラの「日野レンジャー ダカールラリー参戦車」がダイナミックな走りを披露。菅原照仁選手によるデモランはなんと同乗が可能で、希望者に女性が多かったのも印象的だった。
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12/45同じくダカールラリーに参戦する「チーム・ランドクルーザー」は、三浦 昂選手のドライブする「トヨタ・ランドクルーザー」ダカールラリー2018市販車部門優勝車によるデモランや同乗走行に加え、コマ図を読みながらのナビシート体験も実施。ラリーの魅力を味わえる内容となっていた。
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13/45豊田章男社長車となって話題を呼んだ、GRMN仕様の「センチュリー」も来場者から多くの注目を集めていた。詳細は明かされていないが、チョイワル感にあふれており、発売したら意外と売れるかもしれない。オープングセレモニーでは豊田社長の登場にも使われたが、そのときドライバーを務めたのは、なんと小林可夢偉選手であった。
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14/45カムフラージュは施されているものの、2019年1月の米国デトロイトモーターショーで発表される予定の新型「スープラ」も、一般向けにお披露目された。展示車両の注目点は、右ハンドル仕様であること。日本でのテストが着々と行われていることを思わせる。
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15/45WRCの展示ブースに、「ヤリスWRC」と共に飾られた1995年参戦の「セリカGT-FOUR」。カストロールカラーのセリカといえば真っ先にこれを思い出すという人も多いだろう。ドライバーの藤本吉郎は、このマシンでサファリラリー日本人初優勝を果たした。
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16/45物販ブースも大盛況。TGR公式グッズコーナーをはじめ、モータースポーツ関連商品もさまざまなものがそろっていた。
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17/45Aパドックにも設けられたクローズドコースでは、「GR」モデルによる同乗走行を実施。ステアリングを握るのはすべてレーシングドライバーだ。限られた時間ではあったが、参加者にとってはGRの魅力が凝縮された体験となったことだろう。
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18/45フォーミュラカーのコックピットに収まり、記念撮影が行えたスーパーフォーミュラのブース。このほかにも、タイヤ交換やジャッキアップなどのメカニック体験も実施された。
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19/45抽選で選ばれたラッキーな人だけが参加できたサーキットタクシー。数少ない有料コンテンツだが、大好評となった。「レクサスLC」のドライバーを務めたのは、陽気なキャラクターで知られるレーシングドライバー/チーム監督の脇阪寿一さん。きっと車内ではトークでも楽しませてくれたはず。同乗車両には、「86」や「ヴィッツ」などのレーシングカーも用意されていた。
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20/45富士スピードウェイの施設内で開催されたラリーデモンストレーション「TGRF RALLY選手権」。3カ所のSS(スペシャルステージ)での走行とSSの間に行われるサービス(車両メンテナンス)で構成され、ラリーの迫力と魅力が味わえた。
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21/45オーナーズミーティングには約50ものクラブが参加。会場はジムカーナコースとAパドックに分かれており、Aパドックでは「レクサスLFA」や「トヨタ・スポーツ800」のクラブが展示を行った。これだけの数の希少車が集まるのもTGRFならでは。
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22/452000GTオーナーズクラブの展示では、赤やグリーン、ゴールドなどの珍しいカラーリングのモデルを見ることもできた。その隣は「トヨタ・スポーツ800」のクラブ。
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23/45同イベントで行われた唯一のレースが「TGR Nets Cup Vitz Race2018」のグランドファイナルだ。地区戦の後に行われる最終レースで、各地より勝ち上がったアマチュアレーサーたちによる熱戦が繰り広げられた。
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24/45モータースポーツファンが涙ものだったのが特別展示「ルマン挑戦の歴史」。ルマン24時間レースでの総合優勝を記念したもので、トヨタ歴代のルマンカーが勢ぞろいした。
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25/45「トヨタ・トムス85C-L」(36号車)。中嶋 悟、関谷正徳、星野 薫という3人の日本人ドライバーがステアリングを握り、1985年のルマン24時間レースで総合12位に入った。2.1リッターの直列4気筒DOHCターボエンジンをミドシップに搭載しており、最大出力は630ps/8500rpmだった。
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26/451990年から1991年にかけて各レースに投入された「トヨタ90C-V」(36号車)。ドライバーは関谷正徳、小河 等、ジェフ・リースの3人で、1990年のルマンでは6位に入った。全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権(JSPC)、世界スポーツプロトタイプカー選手権(WSPC)でも活躍。3.2リッターのV8 DOHCエンジンを搭載し、最高出力800psを発生した。
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27/451992年のルマン24時間レースに投入された「TS010」(33号車)。ドライバーは、ピエール=アンリ・ラファネル、関谷正徳、ケニー・アチソンで、総合2位に輝いた。3.5リッターのV10 DOHCエンジンは最高出力750psを発生した。
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28/45「TS020」(TOYOTA GT-One/3号車)。1999年のルマン24時間レースでは土屋圭市、片山右京、鈴木利男のドライブで総合2位入賞とLMGTPクラス優勝を果たした。3.6リッターのV8 DOHCターボエンジンを搭載し、最高出力は600psを超えた。
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29/45「デンソー・サード・スープラHV-R」(39号車)。2007年の十勝24時間耐久レースに参戦し、総合優勝。ドライバーは飯田 章、平中克幸、アンドレ・クート、片岡竜也。4.5リッターのV8 DOHCエンジンは480ps以上の最高出力を発生した。「HV」の名が示すようにハイブリッドモデルで、フロント側に最高出力10kWのインホイールモーターを2基、リア側に150kWのモーターを1基搭載していた。
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30/45「TS040ハイブリッド」(8号車)。2014年のWEC参戦車で、アンソニー・デビットソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミがドライブ。シーズンを通して4戦で優勝を果たしたが、ルマンでは惜しくも3位にとどまった。パワーユニットは3.7リッターのV8エンジンとモーターの組み合わせで、最高出力は520ps(エンジン)+480ps(モーター)とのこと。
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31/45別ピットでは、ニュルブルクリンク24時間耐久レースの参戦車も展示。2015年のレースに投入された「レクサスLFA コードX」(53号車)は、影山正彦、石浦宏明、大嶋和也、井口卓人がドライブし、総合14位、SP-PROクラス1位の成績を収めた。
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32/45「レクサスLFA」(48号車)。2017年のニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車で、総合13位、SP 8クラス1位の成績を収める。ドライバーは、木下隆之、石浦宏明、大嶋和也、モリゾウだ。
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33/45来シーズン(2019年)から投入されるスーパーフォーミュラの新型車「SF19」も披露された。2リッター直4直噴ターボエンジンを搭載しており、最高出力は550ps以上とされる。コックピットを覆うのは、ドライバー保護デバイス「ヘイロー」。新型車より装着が正式決定された。
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34/45サーキットコースをバスで巡る「サーキットサファリ」。バスのすぐそばを、SUPER GTやスーパーフォーミュラの競技車両などが駆け抜けていく。
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35/452019年1月のデトロイトショーで正式デビューが決定している、新型「スープラ」も走る姿を披露した。
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36/45スーパーフォーミュラの「UOMO SUNOCO SF14」8号車。大嶋和也選手のマシンである。
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37/45サーキットサファリのためにSUPER GTのマシンとスーパーフォーミュラが混走。こうしたイベントならではの光景である。
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38/45ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦した「トヨタ86」の86号車。2014年にクラス優勝を果たしたモデルだ。
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39/45サーキットサファリのバスに向けて、手を振る新型「スープラ」のドライバーは、もしかしてモリゾウ選手?
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40/45SUPER GTのGT500クラスに参戦する「KeePer TOM'S LC500」1号車。
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41/45SUPER GTのGT500クラスに参戦する「SYNTIUM LMcorsa RC F GT3」60号車。
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42/45「VANTELIN TEAM TOM’S」のSF14。中嶋一貴選手のマシンである。
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43/45SUPER GTのGT300クラスに参戦する「SUBARU BRZ R&D SPORT」61号車。
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44/45ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦した「SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2018」。
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45/45SUPER GT GT300クラス参戦する「TOYOTA PRIUS apr GT」31号車。
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