大矢アキオの「ミュンヘンIAAモビリティー」探訪記 未来への予習と復習できます
2023.09.14 画像・写真「IAAモビリティー2023」が、ドイツのミュンヘンで2023年9月5日から9月10日にかけて開催された。今回のフォトギャラリーでは、現地リポート「『ミュンヘンIAAモビリティー』探訪 ドイツで見た再びの“在中国、為中国”」を補足するかたちで、さまざまな出展社を紹介する。
会場となったメッセと市街では、ドイツ系を中心とした各国のブランドが、世界初公開の市販車やコンセプトカーを披露した。
ところで近年、新型車やコンセプトカーをモーターショーでないイベント、もしくはウェブ上でワールドプレミアするブランドが少なくない。2023年6月にデザインセンターのあるカリフォルニアで発表した「ビジョン111(ワン-イレブン)」が一例だ。そうしたモデルの数々も、あらためてミュンヘンで一般公開された。
加えて、2023年に入ってから米ラスベガスのCESや中国の上海オートショーで披露された内容も数多く展示されていた。
そうした意味でミュンヘンは、未来に向けた予習(世界初公開モデル)と、復習(欧州プレミア)双方ができる格好のイベントであった。
(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)
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1/21「メルセデス・ベンツ・ビジョン111(ワン-イレブン)」。1969年に発表された「C111」を、最新の電気自動車(BEV)として解釈し、2023年6月に公開したコンセプトカー。従来型と比較して格段にコンパクトなYASA製のモーターを採用している。
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2/21「BMW i7プロテクション」。BEVで初めてドイツの防弾性能における最高規格「VR9」を達成した。
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3/21ベールの向こうに展示されているのは「BMW iビジョンDEE」。ボディー表面に張り巡らされたeペーパーの帯電を制御することで、車体色を32通りに変えられる。2023年1月に米ラスベガスのCESで公開された。
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4/21「BMW iX5ハイドロジェン」。圧力700バールの水素タンクを搭載した燃料電池車で、最高出力は401PS(295kW)。航続距離は504km(WLTP)と発表されている。
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5/21「MINIクーパー」。新型はBEVのみに。135kWの「E」と160kWの「SE」の2本立て。
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6/21「フォルクスワーゲン(VW) ID.2 ALLコンセプト」。普及型BEVとして、2025年に2万5000ユーロ(約400万円)以下での発売を予定している。航続距離は450km。2023年3月に公開された。
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7/21「ポルシェ911」の誕生60周年記念仕様「911 S/T」。デビュー年に合わせて1963台が限定生産される。現地での価格は29万2187ユーロ(約4630万円)。
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8/21ポルシェがチリに2022年12月に開設したe-フューエル工場の模型。DAC(Direct Air Capture)システムを通じて大気中の二酸化炭素を収集し、水素と合わせて合成燃料を製造する。
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9/21VWグループの1ブランドであるドゥカティは「V21Lプロトタイプ」を展示。電動バイク版のMotoGPであるMotoE用マシンである。
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10/21スマートは2019年から中国・浙江吉利とメルセデス・ベンツの合弁企業となるとともに、中国生産のBEV専業メーカーとなって今日に至っている。今回は2023年上海ショーで公開された2モデル目のBEV「#3」を欧州初公開した。
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11/21オペルの市内ブースより。「ロックス」(「シトロエン・アミ100%エレクトリック」の姉妹車)をベースにしたコンセプトカー「ロックスe-XTREME」。
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12/21「オペル・スポーツツアラー エレクトリック」。全長約4.6mのBEVで、満充電からの航続距離は413km。1760kgという車重の軽さもアピールされている。
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13/21上汽集団系のMGは、2023年上海ショーで披露した2シーターBEVカブリオレ「サイバースター」を欧州初公開した。2024年夏に当地での発売を予定している。
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14/21中国のリープモーターが公開したBEV「C10」。エヌヴィディア、ボッシュ、クアルコムもADASの開発に参画している。
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15/21カリフォルニアに本社を置く中国系BEVメーカー、セレスが公開したアーバンSUV「セレス5」。4WDで0-100km/h加速が3.7秒という動力性能を誇示していた。
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16/21サプライヤーの出展から。これは、2022年に仏フォルシアが独ヘラーを買収して設立した新グループ、フォルヴィアの展示。ドアの内張りにはパイナップル繊維が用いられている。そこに薄型のスポット型ヒーターを仕組むことで、冬季のBEVの電力消費低減に貢献する。
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17/21IAAに初出展のツァイスは、ヘッドアップディスプレイをはじめとするホログラフィー技術を披露した。これは、ドアのウィンドウ(車内側)に映像を投影する技術。自動運転時代のエンターテインメント以前に、タクシーの広告などにも応用可能か? と筆者は考える。
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18/21同じくツァイスの展示より。一見、1枚のガラス(左)だが、モノクロのカメラとして作動する。
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19/21メルセデス・ベンツの一般試乗会場で。2022年にCESで発表されたコンセプトカー「EQXX」にもナンバープレートが与えられ、テストドライブに供されていた。
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20/21VRゴーグル用のバーチャルコンテンツと車両挙動をリアルタイムで連携させるエンターテインメント「ホロライド」。「スマート#1」を使用した体験試乗車が、街中を走り回る。
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21/21サプライヤー、ベバスト社の市内会場より。1986年「BMW 3シリーズ(E30)カブリオレ」が展示されているので、なぜかと聞けば、同社がオープントップに進出する契機となった記念すべき一台だった。