第8戦ライコネン起死回生の勝利、フェラーリ初1-2【F1 07】
2007.07.01 自動車ニュース【F1 07】第8戦フランスGP、ライコネン起死回生の勝利、フェラーリ初1-2
F1世界選手権第8戦フランスGP決勝が、2007年7月1日、フランスのマニクール・サーキット(4.411km)を70周して行われた。
マクラーレン強しの北米2連戦からヨーロッパ再上陸。これまでやられっぱなしだったフェラーリが復活し、キミ・ライコネンが開幕戦以来の優勝、フェリッペ・マッサとともにチームは今シーズン初の1-2フィニッシュを達成した。
マクラーレン・メルセデスのルーキー、ルイス・ハミルトンが3位。2連勝後の3位となるが、全戦ポイント獲得記録は更新中、チャンピオンシップリーダーの座も守っている。
第6戦カナダGPの大クラッシュから復帰したBMWザウバーのロバート・クビサが4位、同じくBMWのニック・ハイドフェルド5位、ルノーのジャンカルロ・フィジケラ6位でフィニッシュした。
メカニカルトラブルにより予選Q3でアタックできず10位からスタートしたマクラーレンのフェルナンド・アロンソが7位。8位にジェンソン・バトンが入り、ホンダはようやく今年初の得点に成功した。
トヨタ勢はラルフ・シューマッハー10位、ヤルノ・トゥルーリはオープニングラップで接触しリタイアをきっした。
スーパーアグリ・ホンダは、前戦アメリカGPの繰り越しペナルティで最後尾からスタートした佐藤琢磨が16位完走、アンソニー・デイヴィッドソンは接触により戦列を去った。
■「64」「50」「47」「42」
第5戦モナコから続いたマクラーレン優勢の図式が、第8戦フランスで崩れた。
金曜にハミルトンのエンジンが止まり、土曜のフリープラクティスではアロンソのブレーキに問題発生。きわめつけは予選Q3、ギアボックスの調子が悪いアロンソはアタックできず10番グリッドが確定した。
さらにハミルトンは2番グリッドで、ポールポジションはマッサの手に。これまで3戦連続フロントローを独り占めにしてきたマクラーレンは、もともとマニクールを得意とするフェラーリに1-3グリッド獲得を許した。
レースでの逆転を狙いたいマクラーレンだったが、スタートでハミルトンがライコネンに抜かれ、フェラーリ1-2がはやくもできあがると、まともな勝負を挑めず周回を重ねるしかなかった。
序盤からポールシッターのマッサがレースを牽引、ブラジリアンお得意の独走劇かと思われたが、チームメイトのライコネンがその後方から虎視眈々と1位の座を狙う。
レースが動いたのは終盤。トップのまま最後のピットインを実行するマッサ。その3周後にピットに飛び込んだライコネンがコースに戻ると首位逆転。3周のうちに軽いマシンでタイムをつめたライコネンの勝利だった。
ライコネンにとって3月の開幕戦以来の優勝。ミハエル・シューマッハーの後釜としてマクラーレンから移籍してきた“最速ドライバー”だったが、結果を残せないばかりか、シューマッハーのようにチームにとけこもうとしない性格もわざわいし、フェラーリ内でも微妙なポジションにおかれていた。
ハミルトン=64点、アロンソ=50点、マッサ=47点、ライコネン=42点。残り9戦、マクラーレンの2人がリードする展開は当面続くであろうが、少なくともタイトルが“四つ巴”に戻ったことと、アイスマンが息を吹き返したことは、今シーズンの今後の盛り上がりにいい影響を与えることだろう。
■ハミルトンのワーストリザルト
とにかく追い抜きが難しい近年のF1。しかもここはオーバーテイク難関コースのマニクールである。
今回、嫌というほど追い抜きを試みたアロンソ、結局ポジションを3つあげるだけで終わったのには、Q3組最後尾スタートという足かせがあったから。
中盤グリッドからのスタートとなれば、ガソリン量を増やし長めのスティントで上位を狙いたいが、Q3は給油量に制限がありその作戦もとれない。
アロンソは、しぶとく居座る6位ハイドフェルドをシケインで見事に追い抜いたものの、ピットストップのタイミングで再び後方へ戻されて再度勝負を挑まなければならず、7位2点獲得がやっとだった。
チームメイト、ハミルトンとの点差はさらに広がり14点。もちろん、たった1回のノーポイントでギャップは4点にまで縮まるのだから、勝負の行方はまだわからない。
しかし、ハミルトンの“ワーストリザルト”は、なんと今回と同じ3位である。このルーキーの安定感をみるにつけ、並みのドライバーではないことは想像に難くない。
次戦は7月8日、ハミルトン熱にうかされるイギリスでの一戦だ。
(文=bg)
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