第5戦アロンソV、モナコでマクラーレン圧勝の1-2フィニッシュ【F1 07】
2007.05.28 自動車ニュース【F1 07】第5戦モナコGP、マクラーレン圧勝の1-2フィニッシュ、アロンソV
F1世界選手権第5戦モナコGP決勝が、2007年5月27日、モンテカルロ市街地コース(3.34km)を78周して行われた。
65回目の伝統の一戦、マクラーレン・メルセデスが他をよせつけないスピードで1-2フィニッシュを達成。
フェルナンド・アロンソは昨年に続くモナコ2連覇、ルイス・ハミルトンは2位で5戦連続表彰台にのぼった。
チャンピオンと大物ルーキーは同点だが、今シーズン2勝のアロンソが未勝利のハミルトンの上となり、チャンピオンシップリーダーとなった。
マクラーレンは、記念すべき通算150勝目を、18年ぶりとなるモンテカルロ1-2で飾った。
3位は、マクラーレンに1分以上の大差をつけられたフェラーリのフェリッペ・マッサだった。
以降はすべて周回遅れ。4位に復調ルノーのジャンカルロ・フィジケラ、5位にBMWザウバーのロバート・クビサ、6位にはレース前半に後続のフタとなったBMWのニック・ハイドフェルド、7位はウィリアムズ・トヨタのアレキサンダー・ブルツ、そして予選で失敗したフェラーリのキミ・ライコネンが8位に入り最後の1点を獲得した。
予選Q2を突破したホンダ勢は、ルーベンス・バリケロ10位、ジェンソン・バトン11位でゴール。トヨタの2台は、ヤルノ・トゥルーリ15位、ラルフ・シューマッハー16位でレースを終えた。
スーパーアグリ・ホンダは、佐藤琢磨17位、アンソニー・デイヴィッドソン18位という順位だった。
■セナ・プロスト時代の再来か
チャンピオンとルーキー。聞こえは対照的だが、マクラーレンの場合はたぶんにバランス感覚を必要とする組み合わせになりつつある。グリッド最速のマシンが用意されれば、なおさらだ。
モンテカルロでのマクラーレンの優位性は圧倒的なもので、今年初のポールポジションをアロンソが決めれば、ハミルトンがその隣、2番グリッドにぴたりとつけるパフォーマンスを披露。予選順位が何よりも重要なモナコ、先頭の2台からは逃げ切る自信がみなぎっていた。
追い抜き最難関コースゆえ、レースが始まったところで大きなポジション変動はのぞめない。
スタートでアロンソが逃げ、ハミルトンが追従。見かけは面白みに欠いたかもしれないが、同じカラーリングのマシンは、真剣勝負を繰り広げていた。
給油量若干軽めのアロンソがトップで飛ばすが、周回遅れを料理している間、2位ハミルトンが差をつめる。
翌周、縮まったギャップを拡げようと、予選を上回るタイムでチャンピオンが応酬。同じチームの2台が緊張関係にあることは容易に想像できた。
26周目、アロンソの最初のピットインで暫定トップに立ったハミルトンは、軽いマシンでファステストラップを叩き出し、首位奪取を試みた。
この間、なるべく多くの周回をこなしてから自らもピットに入りたいハミルトンだったが、チームはアロンソの3周後にハミルトンを呼んだ。
「アロンソより5周は多く走れたはずだ」というレース後のハミルトンの言葉に、メディアは「チームはアロンソに味方した」と騒ぎ立てる。マクラーレンのボス、ロン・デニスは(もちろん)ドライバー贔屓やチームオーダーを否定しているが、真相はわからない。
いずれにしろ、アロンソとハミルトン、最速マシンを与えられた2人が、2度目のピットストップまでに丁々発止とやりあっていたのは事実だった。
最終スティントではその勢いも収まったが、3位マッサに1分以上差をつけ、4位以降を周回遅れにし、マクラーレンはぶっちぎりの1-2フィニッシュを達成した。
優勝こそないものの5戦連続表彰台で波にのる大型新人ハミルトン。その影に隠れがちだった王者アロンソがモナコで優勝したことで、ちょっと崩れかけたマクラーレン内のバランスは少し落ち着いたように見える。
1980年代後半に“セナ・プロスト問題”を経験したマクラーレン、チームメイト同士の争いには“苦い思い出”がある。
若い2人のシーソーゲームが、この先、どのように展開してくのだろうか。
また独走したとはいえ、話はきわめて特殊なモナコでのこと。マクラーレン対フェラーリ、ポイント20点差の対決も忘れてはならない。
次からは北米2連戦。6月10日カナダGP、6月17日アメリカGPが待っている。
(文=bg)
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