最新タイヤを全開テスト! 「コンチスポーツコンタクト3」体験記(前半)
2007.05.28 自動車ニュース最新タイヤを全開テスト! 「コンチスポーツコンタクト3」体験記(前半)
タイヤメーカー「コンチネンタル」の最新モデル「コンチスポーツコンタクト3」。同社のハイパフォーマンスタイヤの実力を、アメリカはテキサスの巨大テストコースで試した。
■荒野に浮かぶテストコース
「ウバルデに行きましょう」
「コンチネンタルタイヤ」の関係者から、そう打診された。
ウバルデとは、同社のタイヤ用テストコース「ウバルデ・プルービンググランド」のこと。場所は、米国テキサス州の最も西側、メキシコ国境を目の前にする僻地である。最寄りの大都市はサンアントニオ。市内中央を流れる運河を巡るリバーウォークが名高い有名観光地だ。
そこから2時間弱、我々はメルセデスCLS500、BMW325iで移動した。筆者はまず、「スポーツコンタクト2」装着のCLS500のステアリングを握り、フリーウェイから一般路を乗り継ぎ、ウバルデを目指した。
ウバルデの小さな繁華街からさらに20分、荒野の中を突き進んでいくと、それらしき建物が忽然と姿を現した。そこにはドイツ系高級スポーツカーが数10台。どうやら、米国プレス用の試乗会のようだ。
■「こんなに広いのかよっ!」
コンチネンタルの地元関係者から手渡された資料を見て驚いた。
施設は、1周13.7kmのメインコース(フラット路面、バンクなしの大型周回路)に、ビークルダイナミクスファシリティ、トラクションテスティングファシリティ、ウエットグリップファシリティ、オフロードコースの5種類に大別される。
詳細は、こちらをごらんいただきたいが、その広さたるや、筆者が以前訪れたドイツはハノーバーにあるコンチネンタルタイヤの主要テスト基地「コンチドローム」とは比較にならない。
全面積は、なんと5000エーカー(東京ドーム432個分、JR山手線内側面積の1/3に匹敵)もあるのだ。
コンチネンタルタイヤでは、ここウバルデを欧州の冬期間でのタイヤテスト基地として位置付け、年間を通じて暖かな気候と、超大なフラット路面をフル活用している。
ちなみにこの施設、元々は米国ジェネラルタイヤが1959年にオープン。その後コンチネンタルが同社全体を買収して、ドイツ・コンチドロームと共有する最新テスト機器を導入した。
■ハイパフォーマンスカー御用達
さて、今回ウバルデまでやって来た理由とは、新型「コンチスポーツコンタクト3」の体感である。
ドイツ最大のタイヤメーカーであるコンチネンタルタイヤ。「メルセデス」「BMW」などへの標準装着タイヤとしてお馴染みだろう。さらに、ハイパフォーマンスカーの分野では、「コンチスポーツコンタクト」の名が知られる。
筆者はメルセデス、BMWの大手チューニングメーカー(ブラバス、ロリンザー、カールソン、ACシュニッツァー、ハルトゲ等)の本社に直接出向き、最新モデルの試乗をする機会が多い。そのなかには近年、ヨコハマ、ダンロップ、ハンコックなどと独占的なタイヤ計画を結んだチューナーもいるが、チューニングカー全体で見れば、やはり「コンチスポーツコンタクト2」のシェアが最も多いと思う。
彼らがこのタイヤを選ぶ一番の理由は、超高速での圧倒的な安定性。それでいながら柔軟な操縦性がある点がかわれる。「ゴルフR32」をはじめとするフォルクスワーゲンの“Rライン”は、このOEM(相手先ブランド製造)バージョンを標準装着するにいたっている。
そのコンチスポーツコンタクトが、「2」から「3」へと進化した。商品企画上のお題目は以下の3つだ。
(1) 制動性の向上、制動距離の短縮
(2) よりハイレベルでダイナミックなドライビングの表現
(3) 信頼の走行安定性、特に後輪の安定性の向上
こうした進化の実態を、ここウバルデ・プルービンググランドで思う存分に試してみたい。
(後編につづく)
(文=桃田健史(IPN)/写真=コンチネンタル)
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