トヨタ・マークX“スーパーチャージャー” 300G“Sパッケージ”(FR/6AT)【試乗記】
落ち着いた走りで好印象 2007.04.05 試乗記 トヨタ・マークX“スーパーチャージャー” 300G“Sパッケージ”(FR/6AT)……614万5650円
トヨタ・マークXをベースにスーパーチャージャーとスポーツサスペンションを搭載したコンプリートモデル「マークX“スーパーチャージャー”」。モデリスタが手がけたカスタマイズカーに試乗した。
ディーラーで買えるコンプリートカー
「マークX“スーパーチャージャー”」は、トヨタ車のカスタマイズを担当するトヨタモデリスタインターナショナルがマークXをベースに手がけたコンプリートカーだ。
その名のとおり、このクルマの特徴は3リッター直噴V6の3GR-FSEユニットにスーパーチャージャーを与えることで、ノーマルの256ps/6200rpm、32.0kgm/3600rpmと比較して大幅なパフォーマンスアップになる320ps/6200rpm、42.0kgm/3600rpmを実現したこと。
実はこのエンジン、すでにトヨペット店50周年記念車「スペシャルバージョン」に搭載された実績があるもので、開発はレーシングチームでありトヨタのチューニングブランドであるトムスが担当している。モデリスタはこれをマークXの心臓として選ぶとともに、さらにスポーティなクルマを狙い、スポーツサスペンションキットを採用している。
ベースモデルは、「300Gプレミアム」と「300G“Sパッケージ”」のふたつ。ベースの状態では300G“Sパッケージ”のみに備わる225/45R18 タイヤ、18×8JJアルミホイール、16インチスポーツブレーキ、専用フロントスタビライザーといったアイテムが、マークX“スーパーチャージャー”ではどちらのモデルにも標準装着されることになる。
価格は、マークX“スーパーチャージャー”300Gプレミアムが514万3950円、300G“Sパッケージ”が493万2900円である。
スペック以上に見逃せないのが、このクルマの販売体制だ。マークXのアクセサリーカタログや、トヨタのホームページに掲載されることからもわかるように、マークX“スーパーチャージャー”は正規ディーラーで買えるコンプリートカーである(ただし、持込登録が必要)。
それだけに買う側は安心して購入に踏み切れるのがうれしいところだ。
バランスのいい仕上がり
この日試乗したのは、マークX“スーパーチャージャー”300G“Sパッケージ”。
エクステリアからはスポーティな印象が伝わってくるものの、フロントバンパースポイラーとリヤリップスポイラーは、ベース車譲りの装備で、マークX“スーパーチャージャー”ならではのアイテムは、フロントフェンダーに掲げられた「SUPER CHARGER」のバッジくらい。もしも、エクステリアが控えめな300Gプレミアムがベースだったら、まさに羊の皮を被った狼である。
なお、試乗車に装着されている225/40ZR19のアドバンスポーツと19インチアルミホイールはディーラー装着のモデリスタパーツである。
エンジンのパワーアップと足まわりの強化が図られたということから、気負い込んでクルマを発進させたら、あまりに乗り心地がいいので驚いてしまった。
タイヤを標準よりもさらに1インチアップしているのに、バネ下の重さがまるで気にならない。タイヤのアタリもマイルドだ。それでいて、低速から高速道路を巡航するスピードまでフラットさを保ち、落ち着いた印象を示すのである。
もちろん、スポーツサスペンションというだけあって、ワインディングロードに持ち込めば、スポーティな走りを見せてくれる。コーナーではロールを抑えた安定した姿勢を保ちながら、FRならではの素直なハンドリングを実現している。
ダンパーをスポーツに切り替えても耐え難い乗り心地にならず、もうすこしハードな足まわりを望む人も出てきそうな気がするが、個人的にはこのバランスは絶妙だと思った。
一方、注目のエンジンは、アクセルオンの状態なら全域でスーパーチャージャーが過給するセッティングを採用し、極低回転から太いトルクを発揮し、3000rpmあたりまでの常用域では3リッターV6とは思えないほどの力強さ。まるで4リッター超のV8を操る感覚だ。
街なかでも高速でも、ちょっと加速したいときなど、頼りになる特性である。4000rpmを超えてからもなおスーパーチャージャーの御利益は続くのだが、作動音がかなり目立ってくるのが玉にキズというか、雰囲気というか……。
というわけで、足まわり、エンジンともにバランスのいい仕上がりが好印象のマークX“スーパーチャージャー”。
価格は、「レクサスIS350」とほぼ同じゾーンに達するが、「身内のライバルよりいいんじゃないか!」と思ってしまった私である。
(文=生方聡/写真=峰昌宏)

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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