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【スペック】“+Mスーパーチャージャー”350S:全長×全幅×全高=4730×1795×1415mm/ホイールベース=2850mm/車重=1580kg/駆動方式=FR/3.5リッターV6DOHC24バルブ・スーパーチャージャー付き(360ps/6400rpm、50.8kgm/3200rpm)/価格=502万8000円(テスト車=同じ)

トヨタ・マークX“+Mスーパーチャージャー”(FR/6AT)【試乗記】

ハートで勝負 2010.03.31 試乗記 近藤 俊関 顕也 トヨタ・マークX“+Mスーパーチャージャー”350S(FR/6AT)/“+Mスーパーチャージャー”プレミアム(FR/6AT)
……502万8000円/487万3000円

トヨタのセダン「マークX」に、スーパーチャージャーでパワーアップしたコンプリートカーが登場。いったいどんな走りなのか、『webCG』のコンドーと関がチェックしてみた。

普段着で「マジです!」

関(以下「せ」):今回の舞台は、サーキット。試乗するのはトヨタの……
コンドー(以下「コ」):スーパーなやつ? ひょっとして、「レクサスLFA」乗れんの? 待ってました!!

せ:ずばり、「マークX」です。
コ:なんで、セダンで、サーキットやねん! ていうか、「マークX」やったら海沿いのワインディングやろ。打ち寄せる荒波をズバーッと切り裂いてやなあ……。
せ:それは、テレビCM限定なんですよ……でも、この「マークX」ならできるかも!? トヨタモデリスタがチューンした、スーパーなコンプリートカーですから。
コ:見た目、思い切りフツーやで。グリルがちょっと違うくらい。モデリスタといえばエアロってイメージやけどなぁ。

せ:この新型「マークX」用にも、専用のエアロキット「モデリスタバージョン」が販売されてます。オプションでチョイスすることはできますよ。
コ:あ、リアのエンブレムも違うな。これ、「+M」(プラスエム)って何のこと?
せ:“M”はモデリスタの頭文字で、“本気仕様”の意味だそうです。ちなみに、ライトチューンの“なんちゃって仕様”、「Sports M」(スポーツエム)というのもありました。

コ:ホンキなんや。せやけど、普段着で「マジですっ」言うても伝わらんやろ。CMに出てくる佐藤浩市部長かて、勝負かかってるときは、気合はいったスーツ着るって。
せ:デキる男に、これ見よがしなドレスアップは無用でしょう。ハートで勝負!
コ:エンジンに手が入ってる言いたいわけね? たしかに、ここだけは強そうに見えるやん。
せ:スーパーチャージャーで武装してます。しかも、出どころはトヨタ系のレーシングチーム、トムスで――
コ:血統書つきってわけか。……なんや、カバーの形が心臓っぽい。

せ:そのエンジンを制御するコンピューターも変わっています。パワーアップに対応するため、足まわりもセットで交換。20mm車高が落ちてます。
コ:アタマも足腰も自信あり? じゃ、“デキる男”の実力、試してみよか。

写真の車両は、モデリスタのエアロパーツ(ディーラーオプション)でドレスアップしたもの。
写真の車両は、モデリスタのエアロパーツ(ディーラーオプション)でドレスアップしたもの。 拡大

トヨタ・マークX“+Mスーパーチャージャー”(FR/6AT)【試乗記】の画像 拡大
コンプリートカーのキモとなる、スーパーチャージドエンジン。カバーにはモデリスタとトムスのロゴが見られる。
コンプリートカーのキモとなる、スーパーチャージドエンジン。カバーにはモデリスタとトムスのロゴが見られる。 拡大

トヨタ・マークX“+Mスーパーチャージャー”(FR/6AT)【試乗記】の画像 拡大
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スーパースポーツもたじたじ!?

コ:乗り込んでみても、インテリアめっちゃフツーやで……。
せ:というか、まんまノーマルです。ただ、「+M」のベース車両は、ぜいたく仕様の「プレミアム」とスポーティな「350S」のふたつがあるから、それぞれの違いは出ますけどね。
コ:「プレミアム」は木目調パネルやシートヒーター付いてるし、「350S」にはパドルシフトがある。けど、コンプリートカーならではの演出は欲しいけどなぁ。
せ:ドレスアップパーツは自由に選べますから。それに、見せ場は走り出してから。

コ:「ミュィーーン!」って音が、いかにもスーパーチャージャーらしい。結構な加速感やけど、実際パワーはどれくらい出てんの?
せ:ノーマルより42psアップの、360ps。トルクは12kgm増しの50.7kgmだから、「レクサスLFA」の4.8リッターV10よりも太いです。
コ:スーパーやん! でもいまどき、こんなにニャーニャー鳴くスーパーチャージャー無いよなぁ。
せ:ジャガーやランドローバーの新しいスーパーチャージドユニットなんか、作動音が全く聞こえませんからね。“後付け”だから仕方ないのもあるけれど、音がお好きなかたもいらっしゃるし。
コ:ははーん、「ニャーニャー」と(ネコ科の)「ジャガー」をかけたな?せ:……。

コ:中低速からトルクあるね。おかげで楽ちんにドライブできる。
せ:そんな湯加減が、作り手の狙いだそうです。実際、一般道で高回転までギンギンに回して乗るひとは少ないわけで。
コ:高回転でこれ以上にパワー稼いでも、エンジンやスーパーチャージャーにいらん負担がかかるだけやろね。

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トヨタ・マークX“+Mスーパーチャージャー”のベースとなるのは、3.5リッターモデルのみ。4WDモデルのある2.5リッターモデルは用意されない。
トヨタ・マークX“+Mスーパーチャージャー”のベースとなるのは、3.5リッターモデルのみ。4WDモデルのある2.5リッターモデルは用意されない。 拡大

せ:ちょっと気になるのは、ひとむかし前のターボみたいな作動ラグ。コーナーの出口とか、ここぞというときに限って、ワンクッションおいて「ドン!」となる。
コ:走行モードを「スポーツ」にしてると、「ドン!」が出やすいな。そのことを意識して、スーパーチャージャーの効きはじめを、やや抑えたと言うてはったけど。
せ:スポーツモードでペース上げるのは、同乗者がいないとき限定ということで……。
コ:メインのターゲットは40代ってことやし、分別ある“デキる男”が乗るぶんには、問題ないやろ。

サーキットは想定外

コ:それにしても、この「プレミアム」、乗り心地がええねんな。足まわりはノーマルと違うんやろ?
せ:カヤバ製の専用スポーツサスペンションです。スーパーチャージャーと同様に、高速道路やタイト過ぎないワインディングを想定してセッティングしたそうです。
コ:道理でガチガチやないわけや。案外ロールするな。
せ:スプリングレートはノーマルより20〜40%高めになっているものの、サーキットを走ることは想定されてません。じつは、サーキットでの開発テストはほとんどしてないそうですよ。

コ:じゃ、なんで試乗コースにサーキット選んでんの……。
せ:でも、同じ周回路で試すと、グレードごとの味付けがよくわかります。名前は同じ「スポーツサスペンション」でも、「350S」のほうがコーナーでうんと踏ん張れるセッティングになっている。
コ:逆に言うと、「プレミアム」のほうが動きが素直で、クルマの挙動がわかりやすいな。サーキットの教習車にピッタリ。

せ:どちらもフレンドリーな仕上がりで、パワーのわりには誰が乗っても安心できるのは確か。あとは好みの問題でしょう。
コ:値段がフレンドリーかどうかも問題やねん。スーパーチャージャーと足まわりのセットで、差額は?
せ:どちらもノーマルより150万3000円アップで、500万円前後。スポーティなセダンといえば「BMW335i」(306ps、40.8kgm)を連想しますが、あちらは673万円だから、ずいぶんお得なような……
コ:エラいのと比べたなぁ。まぁ、トルクはスーパースポーツ「LFA」にも勝ってるからなぁ。
せ:ちなみに、販売台数は150台くらいが見込めるそうで、(国内165台の)「LFA」といい勝負です。
コ:そこまで「LFA」と張りあわんでもええやろ! でも、「マークX」は欲しいけど、けっこう街にあふれてるし……てな人は、一度試してみる価値あるね。

(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=荒川正幸)


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トヨタ・マークX“+Mスーパーチャージャー”(FR/6AT)【試乗記】の画像 拡大
足まわりのディーラーオプションとして、写真の「19インチホイール&タイヤセット」(40万1100円)や「ハイパーパッドセット」(2万9400円)も用意される。
足まわりのディーラーオプションとして、写真の「19インチホイール&タイヤセット」(40万1100円)や「ハイパーパッドセット」(2万9400円)も用意される。 拡大
【スペック】“+Mスーパーチャージャー”プレミアム:全長×全幅×全高=4730×1795×1415mm/ホイールベース=2850mm/車重=1580kg/駆動方式=FR/3.5リッターV6DOHC24バルブ・スーパーチャージャー付き(360ps/6400rpm、50.8kgm/3200rpm)/価格=487万3000円(テスト車=同じ)
【スペック】“+Mスーパーチャージャー”プレミアム:全長×全幅×全高=4730×1795×1415mm/ホイールベース=2850mm/車重=1580kg/駆動方式=FR/3.5リッターV6DOHC24バルブ・スーパーチャージャー付き(360ps/6400rpm、50.8kgm/3200rpm)/価格=487万3000円(テスト車=同じ) 拡大
関 顕也

関 顕也

webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。

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