第2回:山田先生、「シトロエンC2」を教えて!(その2)
〜マタンキー、マリアのコラボ・インプレッション

2006.12.15 自動車ライターになりたーい! マリア・ファッション

第2回:山田先生、「シトロエンC2」を教えて!(その2)〜マタンキー、マリアのコラボ・インプレッション

自動車ライター修業中のグラビアアイドル、マリア・ファッションが、ついにインプレッションデビュー。前回お伝えした通り、インストラクターの山田弘樹さんとのコラボレーションによるインプレッションを予定していたのだが、届けられた原稿を見てびっくり。現場系やんちゃ派ライターと小悪魔系オシャレ女子では水と油で、結合させるなんてとてもじゃないがムリ……。

というわけで、ストレートに先生とマリアのインプレッションを見ていただこう。プロフェッショナルと処女(?)はここまで視点が違うのだ!

■先生編:“ちょいゴツ系”のホットなヤツ

ハイドラクティブな乗り味とはまたひと味ちがう「バネ付きシトロエン」の小さなホットモデル、それがC2 VTSである。全長×全幅×全高=3670×1660×1460mm。ホイールベースは2315mmで車重は1100kg。トヨタ・ヴィッツほどのボディに、可変バルブタイミング機構などを用いて少しばかり内容をスープアップさせた1.6リッターエンジン(125ps/5800rpm、14.6kgm/3750rpm)を搭載し、フロントタイヤを駆動。これを5MTで制御する、いまどき珍しい硬派な一台だ。

足下に195/45R16という大きなタイヤを履かせているでもわかるとおり、見た目は低重心な“ちょいゴツ系”。直線と曲線をシンプルにまとめたルックスは都会的で、ファンシーな感じがしないから大人のオトコでも躊躇なく選べる、というのが筆者なりの一番のおすすめポイント。

インテリアは至ってシンプルで、ちょっとばかり安っぽいプラスチックのインパネ周辺を、シルバーのトリムでうまく引き締めるセンスはニクイ。サイドサポートが大きく張り出したシートは、座ってみると柔らかく、小さなクルマなのにとっても上質。リアシートにまでレザーがあしらわれているあたりも、オーナーにはちょっと嬉しい部分だろう。

実際に運転してみると、転がりだしのクラッチに断続感があり、左足だけでクルマを動かそうとすると結構ギクシャクする。そんなときは「クルマは道具よ」とばかりに、少しラフに半クラを試みればスムーズに走り出すことができる。

動いてしまえばこっちのものとステアリングを切れば、ロックtoロック2.6回転というクイックなハンドリングが小粋に楽しい。高速走行時にはタイヤの重さがダンピングに影響を与えて、少し上下に振られる感があるが、1〜3速で走る領域はとってもスポーティだ。

なりは小さいけれど後ろにも人は座れるし、普段はリアシートを倒して荷物を放り込んでおく。そんな使い方がカッコいい、ミニマムホットハッチ。

JWRCで培ったスポーティネスを、こんな風にお洒落に仕立ててしまうあたりが、シトロエンならではである。

次にマリアの“処女”インプレッションだ。

■マリア編:“素敵女子”の勝負CAR

“シトロエン”がピンとこない赤味噌庶民マリア・ファッションの前に現れたのは、赤い彗星シャア・アズナブルのように高貴な雰囲気を醸し出している、美女だった。紅いドレスを纏ったその女は、上品だが親近感があり、不思議な魅力が溢れていた。

そのクルマ、素敵につき、乗車することにより正のスパイラルが起こる。ただの女を、誰もがメロメロになる女に、つまり“素敵女子”に見せかけてくれる!!

●素敵女子ペテン1:エクステリア
レッドのボディカラーで、元気で情熱的というイメージを印象付け、コンパクトなボディで、少女の様な可愛らしさをアピールできる。リアハッチは、弁当箱(蓋)を思わせる=料理上手=母性を感じさせる。

●素敵女子ペテン2:インテリア
活発なレッドのボディカラーに対し、内装はシックなブラックでまとめられている。男子、いや人はギャップに弱い。いつも元気で明るい女が、不意に見せる涙……これである。カラーのギャップでグッと惹き付けるのである。

シートは必要以上にガッチリガード感があり、2日目でも安心……もとい、ガッチリガードのシートは「わたくし、簡単に落ちる女ではなくてよ」と腰の重さを男子に悟らせる。しかし逆に、キーロックボタンはインパネ中央にあり、いかなる状況でもキーロックの主導権を握ることができる。これもまた素敵女子には重要な小悪魔要素の「腰は重いが、帰らない」という、オトコを翻弄するために必要な装備といえる。

また、素敵女子たるものメイクチェックは完璧であるために運転席はもちろん、助手席にも鏡を装備している。さらにライトも付いているため、夜でもメイクチェックが可能。ライトといえば車内灯も充実装備で、自由自在。計4つの車内灯をコントロールし、ライティングでより美しく魅せることができる。ドリンクホルダーも、アルミ缶はアウトだろうと思わせるスレンダーさがスキニージーンズのようで、お洒落女子と思わせることができる。

●素敵女子ペテン3:乗り心地
いざ走り出せば、滑らかに恋が始まる。加速のよさは、燃え上がる恋。静かな走りは、寡黙な夜をロマンチックに演出する。BGMなど必要ない。

必要なのはこの一言……。
素敵女子「まだ…帰りたくないの……」(憂いの表情)
!!!!もらった――――!!!!!

このクルマは確実にいい女だ。そして最大限に素敵女子に演出してくれるクルマだ。3回目のデートにもってこいの勝負CARとして推薦したい。

(つづく)

(文=山田弘樹&マリア・ファッション/写真=岡村昌宏/2006年12月)