【F1 2006】最終戦ブラジルGP、マッサ母国で優勝、アロンソ2位で2年連続タイトル獲得、シューマッハー4位で引退レース終える
2006.10.23 自動車ニュース【F1 2006】最終戦ブラジルGP、マッサ母国で優勝、アロンソ2位で2年連続タイトル獲得、シューマッハー4位で引退レース終える
F1世界選手権第18(最終)戦ブラジルGP決勝が、2006年10月22日、ブラジルはサンパウロにあるアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(通称インテルラゴス/4.309km)を71周して行われた。
ドライバー&コンストラクター両タイトル決定戦であり、ミハエル・シューマッハーの引退レースであったシーズンフィナーレ、フェリッペ・マッサ(フェラーリ)が母国で通算2勝目をあげ、地元ファンをわかせた。
10点リードで迎えた最終戦でフェルナンド・アロンソ(ルノー)が2位でフィニッシュ。シーズン中盤までに独走態勢を築きながら、夏以降様々な要因が絡み苦戦を強いられたが、ようやく2年連続となるタイトルを手中に収めることができた。
アロンソは、シューマッハー同様、ルノー(元ベネトン)で2連覇し、チームを去ることになる。
またジャンカルロ・フィジケラが6位に入り、ルノーはコンストラクターズチャンピオンシップでもV2を達成した。
14番グリッドからスタートしたジェンソン・バトン(ホンダ)が3位入賞。念願の初優勝を記録した2006年をいいかたちで締めくくった。
通算250戦目のラストレース、ミハエル・シューマッハー(フェラーリ)は、予選でのマシントラブル、レース序盤のパンクと不運に見舞われ4位。8度目の栄冠は夢と消えた。
しかし、パンクで最後尾に順位を落としてからの驚異的な追い上げ、レース中のファステストラップ記録と、最後の最後まで輝きを失うことはなかった。
以下、5位キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)、6位フィジケラ、7位ルーベンス・バリケロ(ホンダ)、8位ペドロ・デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス)が入賞した。
トヨタの2台は、前戦日本GP同様、予選での善戦を決勝で活かせず。ヤルノ・トゥルーリ、ラルフ・シューマッハーともリタイアした。
スーパーアグリ・ホンダは、最終戦を力走しデビューイヤーを締めくくった。佐藤琢磨は、19番グリッドからライバルたちを抑え好走、チーム過去最高位の10位でゴールした。山本左近も2周遅れの16位でフィニッシュした。
■老兵は死なず、ただ立ち去るのみ
買い替えを考え始めると、今まで愛用していたモノが突然壊れたりするが、あれだけ頑丈だったシューマッハーのフェラーリにも、最後にトラブルが頻発した。
前戦の日本GP、トップ走行中のシューマッハーを襲ったエンジンブローは、同種のトラブルとしては実に2000年フランスGP以来のものだった。
さらに今回、週末をとおして他を圧倒するペースをみせつけてきたフェラーリにあっても、予選トップ10を決める“Q3”でシューマッハーのマシンに燃料ポンプ異常が発生。出走できずに10番グリッドからスタートしなければならなくなった。
スタートから徐々にポジションをあげ、9周目にはジャンカルロ・フィジケラを1コーナーで抜き、5位にジャンプアップした直後、シューマッハーのマシンは挙動を乱した。左リアタイヤがパンクしたことで、コースの大半でスロー走行、タイヤ交換後には最後尾まで順位を落とした。
日本GPの大敗でタイトルを諦めたシューマッハーだったが、最後の最後、完勝で有終の美を飾ることはできなかった。しかし、彼が落ちぶれて引退を決意したのではないことは、誰の目にも明らかだった。
パンクしたタイヤを交換しピットをあとにしたシューマッハーは、ほとんど周回遅れといっていい最後尾。トップのマッサからは70秒も後方だった。ここからの追い上げがすさまじく、それから59周のうちに、ライコネンとの間にあった63秒ものギャップを帳消しにし、4位の座を、見事なオーバーテイクで奪ったのだ。
最後には自身通算76回目のファステストラップを記録。レース中の最速タイム中上位12番までがシューマッハーによるものだった。
7度のドライバーズタイトル、91回の勝利、68回のポールポジション……枚挙に暇がないほど多くの記録を打ち立てた、F1史上に名を残すドライバーは、ポディウムにあがることもなく、公式記者会見に呼ばれるでもなく、静かに最後のレースを終えた。
表彰台の上には、アイルトン・セナ以来13年ぶりのブラジルGPブラジル人ウィナーとなった僚友マッサ、シューマッハーを最後に破ったドライバーとして記憶されるV2達成の2位アロンソ、そして今年初優勝した3位バトンがあがった。
いずれも20代半ばの若手ばかり。37歳の偉大なるドライバーは、後進に未来を託し、15年もの長いキャリアを締めくくった。
(webCG 有吉)
■2006年ドライバーズチャンピオンシップ(トップ10)
1位:フェルナンド・アロンソ(ルノー) 134点
2位:ミハエル・シューマッハー(フェラーリ) 121点
3位:フェリッペ・マッサ(フェラーリ) 80点
4位:ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー) 72点
5位:キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス) 65点
6位:ジェンソン・バトン(ホンダ) 56点
7位:ルーベンス・バリケロ(ホンダ) 30点
8位:ファン・パブロ・モントーヤ(マクラーレン・メルセデス) 26点
9位:ニック・ハイドフェルド(ザウバーBMW) 23点
10位:ラルフ・シューマッハー(トヨタ) 20点
■2006年コンストラクターズチャンピオンシップ
1位:ルノー 206点
2位:フェラーリ 201点
3位:マクラーレン・メルセデス 110点
4位:ホンダ 86点
5位:ザウバーBMW 36点
6位:トヨタ 35点
7位:レッドブル・フェラーリ 16点
8位:ウィリアムズ・コスワース 11点
9位:スクーデリア・トロロッソ・コスワース 1点
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