【WRC 2006】前半戦レビューその3 「どうしたスバル! ナゼ、ソルベルグは勝てないのか?」
2006.06.22 自動車ニュース【WRC 2006】前半戦レビューその3 「どうしたスバル! ナゼ、ソルベルグは勝てないのか?」
2006年の世界ラリー選手権(WRC)は前半戦が終了。昨年と同じように、セバスチャン・ロウブが8戦5勝でシリーズをリードするものの、勢力争いの構図はそれまでの“3強”から“2強”へと変化したようだ。
今回は3つの論点をあげながら、2006年の前半戦を検証してみよう。
■足まわりがウイークポイント
8戦して5勝をあげているセバスチャン・ロウブ、それを追う3勝のマーカス・グロンホルムに対して、今季のWRCでもっとも苦しい戦いを強いられているのが、スバルのエース、ペター・ソルベルグだ。
昨年はロウブ、グロンホルムとともに“3強”の一角としてトップ争いに参加していたのだが、今季のベストリザルトはメキシコ、アルゼンチンの2位どまり。
さらに、ランキングでもトップのロウブから54ポイント差の5位と低迷しているのだが、果たしてソルベルグ不振の原因はどこにあるのだろうか?
ウイークポイントとして考えられるのが、スバルが投入したニューマシン「インプレッサWRC2006」のジオメトリーを含めた足まわりだ。
特にフロントサスペンションのセッティングが大きな課題。コーナリング時にアンダーステアが発生するため、車重のバランスをフロント側に設定すると、ジャンピングスポットでの姿勢が乱れて着地時に過度の衝撃を受ける、など様々な悪影響が出ている。
これにより、無駄のない走りが持ち味だったソルベルグも、マシンと格闘するように荒れたドライビングに終始してしまいがち。当然、タイヤの消耗も激しく、“トラクション不足”“曲がらない”という悪循環に陥ってしまうのだ。
ソルベルグ+スバルにとっては、あまりにも辛い前半戦となったが、約2ヶ月間のインターバルを利用して様々な対策を実施するはず。後半戦、そして9月のラリー・ジャパンでの活躍に期待したいものだ。
(文と写真=廣本泉)
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