【F1 2006】第5戦ヨーロッパGP、シューマッハー&フェラーリ完勝
2006.05.07 自動車ニュース【F1 2006】第5戦ヨーロッパGP、シューマッハー&フェラーリ完勝
F1世界選手権第5戦ヨーロッパGP決勝が、2006年5月7日、ドイツのニュルブルクリンク・サーキット(5.148km)を60周して行われた。
前戦サンマリノGPで激戦を制したミハエル・シューマッハー&フェラーリがここでも活躍し2連勝を飾り、シューマッハーは最多勝記録を「86」に伸ばした。
中盤までシューマッハーの鼻っ面を抑えレースをリードしたポールシッター、ルノーのフェルナンド・アロンソだったが、2度目のピットインで逆転を許し、2戦連続の2位フィニッシュ。しかし11戦連続となる表彰台は守り、シューマッハーとのポイント差も2点詰められただけに終わった。
フェラーリのもう1台、フェリッペ・マッサが自身初のポディウムとなる3位でチェッカードフラッグを受け、スクーデリアの本格復活が印象付けられた。
以下、終盤マッサへプレッシャーを与えつづけたキミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)が4位、4番グリッドからスタートしたルーベンス・バリケロ(ホンダ)が5位、予選でつまづき11番グリッドから追い上げてきたジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)が6位、エンジン交換で最後尾からポジションアップを狙ったルーキー、ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース)が7位、予選を引っ掻き回したことでグリッド降格のペナルティを受けたジャック・ヴィルヌーヴ(BMWザウバー)が8位だった。
トヨタの2台は、ヤルノ・トゥルーリが1周遅れの9位完走、150戦目のラルフ・シューマッハーはメカニカルトラブルでリタイア。スーパーアグリ・ホンダは、佐藤琢磨、そして井出有治に替わりステアリングを握ったフランク・モンタニーともにレース途中でマシンを降りた。
■13点、13戦
サンマリノGP、追い抜き困難なサーキットでアロンソを抑えきったシューマッハー。久々の快勝とはいえ苦しい戦いを強いられた“旧”チャンピオンが、いよいよ本格的に覚醒したようだ。
予選では、アロンソのスーパーラップでポールポジションは逃したものの、シューマッハー2位、マッサ3位とフェラーリが上位に食い込んだ。
レース序盤、シューマッハーの視界からアロンソが消えることはなく、トップ2台は2秒から1秒以下の間隔でラップを重ねた。
こうなれば順位変動はピットストップにかかってくる。1回目は17周目にトップのアロンソがまず入り、1周後にシューマッハーがつづいた。アロンソ渾身のアウトラップが奏効しポジションはそのまま。再び僅差の周回が繰り返された。
勝負は2回目のピット作業で決まった。38周目にまたアロンソが先んじて動き、シューマッハーはその3周後にピットへ飛び込んだ。新チャンピオンが目の前から消えた3周の間、旧チャンピオンは全力で最速タイムを叩き出し、トップ奪還に成功。以後アロンソはペースを抑え、シューマッハーは故郷に近いニュルブルクリンクで2連勝した。
2005年同様、シーズン序盤にアロンソ&ルノーが先制した2006年。“青いチーム”に待ったをかけたのはシルバーのマクラーレンではなく、真紅のフェラーリだった。
5戦を終えチャンピオンシップをリードするアロンソは44点、追いかける2位シューマッハーは31点。マージンをコントロールできるアロンソが優位なことは明らかだが、相手は2004年までGPを席巻したシューマッハー&フェラーリ。侮れない相手であることもまたはっきりしている。
両者のポイント差は13点、残るレースは13戦。まだまだ先の長いチャンピオンシップはいよいよヒートアップしていく。
次戦は5月14日、アロンソの地元スペインGP。チケットはすべてソールドアウトと伝えられる。大アロンソ応援団の前で勝つのは……。
(webCG 有吉)
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