【F1 2005】第16戦ベルギーGP、ライコネン6勝目で首の皮一枚、アロンソは2位
2005.09.12 自動車ニュース【F1 2005】第16戦ベルギーGP、ライコネン6勝目で首の皮一枚、アロンソは2位
F1世界選手権第16戦ベルギーGP決勝が、2005年9月11日、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキット(6.976km)を44周して行われた。
不安定な天候=スパ・ウェザー、濡れた路面に各車が翻弄されたヨーロッパ・ラウンド最終戦で、キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)が今シーズン6勝目を奪取、首の皮一枚でタイトル争いに残った。
2戦連続ポールシッターのファン・パブロ・モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)が、終盤まで2位を走行し、チャンピオンを取りたいチームメイト、ライコネンに最大級の援護をするはずだったのだが、残り4周で周回遅れのマシンと接触し戦列を去った。2位の座は、速さがなくとも手堅く走るポイントリーダー、フェルナンド・アロンソ(ルノー)の手に渡った。
3位には、一時16位まで後退したジェンソン・バトン(BARホンダ)が入り、今年2度目の表彰台にのぼった。
以下、残り6周でドライタイヤに賭けたマーク・ウェバー(ウィリアムズBMW)が4位、予選12位から追い上げたルーベンス・バリケロ(フェラーリ)が5位、ゴール直前からくもポジションを守りきったジャック・ヴィルヌーヴ(ザウバー・ペトロナス)は6位、途中トップを奪う勢いもあったラルフ・シューマッハー(トヨタ)7位。そしてティアゴ・モンテイロ(ジョーダン・トヨタ)が8位フィニッシュで1点を獲得、アメリカGP以来の得点と、今年ここまでつづいている全戦完走に成功した。
佐藤琢磨(BARホンダ)は、ミハエル・シューマッハーと接触し、両者はその場でマシンを降りた。またヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)は残り10周の時点でクラッシュしリタイアした。
■振り向けば、アロンソ
第2戦マレーシアGP以来、チャンピオンシップランキング首位を守りつづけているアロンソ。最大の強みは、ライバルより劣勢であったとしても、その真後ろにキッチリとつけて、ちゃんと上位で得点できるところにある。
現在のポイントシステム(1位=10点、2位=8点、3位=6点、以下8位まで1点刻み)では、1位〜2位〜3位の各差が2点しかない。
言い換えれば、たとえランキング2位のライコネンが勝ちつづけても、ポイントリーダーのアロンソが2位を連取していれば、両者の点差は僅か2点ずつしか縮まらないのだ。
つまり、ポイント上アロンソに大量リードを許してしまっているライコネン/マクラーレンにとって、僚友モントーヤの“助け”こそが何よりも欲しいものとなる。だが、2000年以来のマクラーレン1-2フィニッシュは、またも目前にして夢と消えた。
スタートから早くもモントーヤ1位、ライコネン2位の1-2フォーメーションが完成。11周目に起きたジャンカルロ・フィジケラの大クラッシュでセーフティカーが入り、その後ラルフ・シューマッハーが首位モントーヤを追い立てる思わぬ場面もあったが、基本的にマクラーレンの優位性は揺るぎないもので、最後のピットストップ後には、1位ライコネン、2位モントーヤの理想形が出来上がった。
残るは信頼性の問題だけ、と思われたレース終盤、あと4周という時点で、周回遅れのアントニオ・ピッツォニア(ウィリアムズBMW)とモントーヤが接触し、両マシンはコース脇に弾き出された。
「モントーヤがドアを開けてくれたと思った」とはピッツォニアの弁だが、さにあらず。
これで、よりドライ向けセッティングで濡れた路面を走らざるを得なかったアロンソに、2位がプレゼントされた。
今年6回目の勝利を手に入れたライコネンは、アロンソに4点詰め寄れるはずが、モントーヤの脱落で2点どまり。アロンソ111点 - ライコネン86点=25点というギャップをもって、いよいよ3戦を残すのみとなった2005年シーズンのフィナーレに突入する。
次戦は9月25日、ブラジルGP。ライコネンにとって優勝はゼッタイ。それでもアロンソが3位でゴールしてしまえば、アロンソの最年少チャンピオンが決まる。
勝たなくても、勝てる。振り向けば、アロンソで。
(webCG 有吉)
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